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理学療法士の将来性について考える【危機感あり】

本記事では、これから10-15年という中長期的な視点で理学療法士という立場が社会的にどうなっていくのか、どうのような意識や準備が必要なのか、という個人的な見解をお話していきます。

今回のトピックは、社会保険料と理学療法士の今度です。

理学療法士は、社会的にはとても役にたつ仕事だと思います。実際に患者さんからも「ありがとう」を毎日いただきます。

ただ、今のまま漫然と業務にあたっていることは、かなり危険だと思います。あくまでもこれは個人的な考えですが、ぼくはすでに行動しています。

どのような考えで今に至っているのかを今回は詳細に書いていきます。
これを読んでどんな感想を抱くかはその人次第でしょう。

同意する方もいれば、そんなことはありえないと思う人もいるはず。今回はぼくの考えを押し付けるものではありません。大事なのは、あくまでも読んだ上で考えてみること。

ぼく自身が理学療法士なのでその観点で書きますが、基本的には医療従事者全体を指しています(医師は除く)

それでは、いきましょう。

医療従事者の給料はどこからきている?

今回お伝えするのは、クリニックや病院などに勤めている場合と考えてください。

医療従事者は医療を提供してその対価として報酬をいただくモデルで、サービス業と体系的には変わりません。

各職種が治療行為や医療行為を行うと、それを受けた患者さんから内容に応じた金額を頂きます。これは、病院勤務であっても、開業していても同様ですね。

しかし、日本は国民皆保険制度を敷いているので、患者さんで総医療費を全額支払う人はいません(当日健康保険証を忘れたりした場合は別)。年齢や状況によって違いはありますが、1〜3割が患者さんの自己負担分です。

一方、病院やクリニックとしての売上という観点から考えみましょう。医療行為の対価として患者さんからいただくのは1〜3割なので、残りは健康保険料から支払われます。つまり、病院の収益というのは、7割以上は国民の皆さんが負担した社会保険料(医療保険料)から捻出されるわけです。

そうなれば当然、病院やクリニックに勤める医療従事者の給料の7割程度は医療保険料によって賄われている形になります。

ここから、これからの日本で起こるかもとぼくが考えていることを時系列で解説していきます。

これからの日本の人口変動

今、第一次ベビーブームで生まれた世代、いわゆる段階の世代が75歳に達しようとしています。この年齢以降、死亡する確率は高くなるので日本は今後人口がどんどん減っていくことが試算されています。

一方で、少子化が叫ばれて久しい現代では若い子たちが減っていますよね。これは、10代の子たちは今後生産年齢人口の枠に入っていことを考えると、将来的な働く世代が減っていくことを意味します。

高齢者が増え、若者が減るという現象がこれからどのような問題を引き起こすのか。これを次から見てきます。

直近の高齢者増加に伴い、医療従事者不足になる

まず、直近では団塊の世代が後期高齢者の仲間入りをしていくことで、加齢が大きな要因を占める疾病の罹患が増加します。

転倒による骨折、変形性関節症や脊柱管狭窄症などの変性疾患、脳梗塞や心筋梗塞、がんとった特定疾病などが増えることが想像に難くないでしょう。

日本社会全体としては、これからの医療従事者の需要増加を見越して医療従事者を増やすようなベクトルが強まります。

実際、理学療法士の養成校はどんどん増えていますよね。

これまでも人口10万人あたりの医療従事者は年々増加傾向にありました。そしてこれはおそらく加速します。その加速要因が生産年齢人口の減少です。

つまり、働く世代全体に対して医療従事者が多くなっていくわけです。

人件費としての健康保険料

増加した高齢者の健康を少ない若い世代が支えていく構図がしばらく続いた後、少しずつ変化が起こります。

少しずつ団塊の世代からの亡くなる方々が増えていき、日本全体としても人口が減少していく段階に入ります。同時に医療を必要とする人たちが減っていきます。

社会保障費的に見れば、働く世代が減るので徴収できる健康保険料は減っても治療や手術を必要とする高齢者も減るので特に大きな問題はありません。

医療を受けたい人は減っていきますが、その一方で医療従事者が増えていく。つまり医療の供給過多が発生します。

ここで問題になるのは、増えすぎた医療従事者への給料です。国が徴収できる健康保険料は減っているのに、医療従事者はどんどん増えていくので健康保険料全体に対して人件費の割合が大きくなります。

診療報酬の改悪はあり得る

少し考えてみてださい。もし、これを読んでくれているあなたが医師で診療報酬を変えられる立場にいたとします。これまでお話してたような時代背景になっていた場合、どのように改定しますか?やっぱり医師に関わる部分は削ったりしないですよね。

おそらく実際にもそのようなことが起こると思います。

そのままでは医師の給料の割合も減ってしまい困るので、別の部分、例えばリハビリに関わる診療報酬を減点するってことは可能性として大いにあります。

当然、リハビリの診療点数が下げられれば病院からもらえる給料も減る可能性が高いです。

この理学療法士としての需要と給料の減少。これがぼくがイメージしている最悪のシナリオです。

これから、理学療法士はどのように働いていくのか

このような未来は、確実にきますよと言っている訳ではありません。来ないかもしれない。しかし、理学療法士を含めた医療従事者はさまざまんリスクを孕んでいることを認識した方がいいこともまた事実。

では、これからの理学療法士はどのように考えていけばいいのか。

・自分の目の前にいる患者を改善されるだけのスキルを身につける
・臨床研究との付き合い方を考える
・副業など別の収入の柱を探す

まとめ

これからの理学療法士は、収入の柱を増やしていくことが必須になると考えています。

それは、全然領域の違う副業でもいいし、講師や書籍の出版、開業など方法はさまざまあります。

今回は社会保障料から考えた理学療法士の今後を考えてみました。個人的には理学療法士を漫然と続けていくことはリスキーだと考えています。

一方で、理学療法士自体は社会的にはとても意義のある仕事であるとも思います。なので、早いうちにこれからどう進んでいくのかを考えた上で、今どうやって動くべきなのかを考えていける人が残っていくでしょう。

今回は、これで終わりになります。それでは。


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