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【触診の基本】応力を意識することで評価の精度が格段に上がる話し

触診はほとんど毎日する手技の一つですが、こんなふうに感じたことありませんか。

確かにここにあるはずなんだけど、なんかよくわからない

解剖学は頭に入っていておよそここであっているはずなのに、触ってみると「あれ、どこだ?」ってなることありますよね。

その解決策の一つとして、応力という考え方がとても便利です。
触診と応力の関係は他ではほとんどき聞いたことがありません。
今回の記事は他ではあまり解説されていない、だけど知っておかないと意外に困ることです。

有名なPTの先生方や結果を出せる人たちは、無意識的にも使っていると考えています。

今回は、その応力についてぼくが言語化したことを共有したいと思います。

応力ってそもそもなに?

まず、応力っていうものに馴染みがない方も多いでしょう。

簡単に言えば、同じ力で押すにしても手のひらで押すのか指先で押すのかで感じる圧力って違うよねって話しです。

これを、小難しい言葉で表すとこんな感じ。

応力=単位面積あたりの力

力がかかっている面積が広いほど力は分散するとも言い換えることができます。

ここが一番のポイント!

触診の際にこの面積を自分の意思でコントロールすることで得られる情報は格段に増えます。

触診の際には触れる面積を意識する

実際に触診する場面のを想定して見てきますね。

必要なのは、自分が患者さんの体に触れている面積を意識して見てください。大腿四頭筋の緊張が高いなと思って触れて確認したとします。この時、同じ患者さんに対して行うとき、セラピストによっては手掌全体に触れる人もいれば、指先に触れる人もいますよね。

力をかける、つまり応力は面積が変われば力も変わります。普段臨床をしているあなたならもうお気づきかと思います。そう、自分が触れている面積によって、意図せず力が増減しているんですよ。

浅いレイヤー(層)を触診しようとしているにもかかわらず、指先で触れたりすると、意図せず強く力が伝わっているので、深いところにアプローチしていることになります。

これ、結構問題だと思いませんか?

自分が意図している部分にアプローチできていない可能性、あるんですよ。

再現性を高めるために

時系列的な変化を追っていくためにも応力の考え方は大事です。

昨日と比べて筋緊張の比較する場合ってありますよね。触れるときに今日は指先、次の日は手の甲、その次は手掌ってなったとしたら、全然違う力の伝わり方をするので、筋の硬度を適切に判断できません。

同じ触れ方をしようと言われるのは、こうゆう意味があると思っています。

触る力を変えるのでなく、触れる面積を変えて評価する

術後なんかは特にそうですが、「軟部組織の滑走障害」って話しがありますよね。

滑走障害はどこのレイヤーなのか、どの組織間なのかの判断が大事ってよくいうんですが、これ、どうやって判断するんでしょうか。

これは応力を理解すると言語化できます。
ただ、あくまでも自分の身体をとして感じるものなので、実践を繰り返して自分なりの判断基準を確立する必要はあるので、ここはご承知おき下さい。

例えば、皮膚の問題と筋膜の問題で考えてみます。

皮膚の滑走を見る場合、皮膚自体がかなり薄いので軽い力でタッチする必要があります。グッと押すと潰れてしまうので。

当然、力は弱くするのですが、力は弱ければどこで触っていいとはなりません。この場合は手掌全体で触れていくことがいいでしょう。

力を弱く+触れる面積が広い=力が分散してより力の到達深度は浅いという図式が成り立ちます。

皮膚を潰すことはこれは回避できます。あとは、この圧力を変えずに滑走を見ていけばオッケー。

反対に、筋膜みたいな場合は、手根骨や指腹や指尖など触れる面積を意図的に少なくしてタッチします。
この時、微調整しながら変えていくと力の入れ方と面積のマッチする部分が見つかります。

一旦見つかれば、再現性を意識して同じ力+同じ面積で介入することで、本当の意味での変化を捉えることができます。

まとめ

今回は、意外と知らない触診と応力の関係を解説しました。

ここを知っておくと知らないのでは、感じとることができる情報が全然違います。そして、より多くの情報を手から感じることはできます。

早いうちに気付くことができれば、数年後の評価レベルがかなり上がってくるでしょう。

ぜひ、次からの臨床の参考になれば幸いです。

それでは、したっけね。







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