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2050年問題に対応するために今からできること

こんにちは、理学療法士のTakuです。

こんな記事が日経新聞に出ていました。
「介護難民、2050年に400万人 団塊ジュニアの老後厳しく」

この記事は地方創生のプロである木下斉さんもご自身のVoicyで取り上げていました。

今回は、理学療法士の立場として、この2050年の問題をどう捉えるのかを考えていきます。これからさらに高齢化が進む日本に生きていく上で、重要となるポイントを解説します。

そのポイントとは、「動ける身体をどうやって残していくのか」です。

このnoteでは、動ける身体を残していくことの重要性をまずは解説します。

🔸2050年までに起こることを整理する

冒頭で紹介した日経新聞の記事によると、2056年には日本の人口が1億人を割り込み、65歳以上は3750万人、18歳から64歳は5046万人になるとのこと。これは、1人の高齢者を1.3人の現役世代で支えることになる計算です。

また、第一生命研究所の星野氏の試算では、50年度に介護保険で要支援もしくは要介護と認定される人は941万人にのぼり、20年度と比較すると4割以上増えるとのこと。

そして、この人数を介護するためには302万人の介護職員が必要になるが、現時点での構造から考えると、122万人も不足するとみられています。

介護職員の不足

介護保険の認定を受けている方の全員が介護を必要とするわけではないですが、現状の認定状況から試算すると、約400万人は介護やケアが受けられない可能性があるということです。

🔸今からどんな対策をするべきなのか

高齢者の急増と現役世代の減少が同時に起こると、現状の社会保障制度では破綻することは明白ですよね。この状況を克服するためには、自助がかなり重要になってきます。

自助としては、以下の2点が必要です。

  1. 介護を必要としない身体を維持する

  2. 自分で働いて少しでもお金を稼ぐこと

そして、これらの2つはそれぞれが関連している部分が多くあることがわかっています。

これらの項目がどのように関連しているかについて詳しく解説します。

🔸介護を必要としない身体を維持する

シンプルに介護を必要としない身体を維持することが自助になります。とは言っても「どうしたら介護がいらない身体を維持できるの?」と思いますよね。これは、介護に至る理由を見ることで理解できます。

厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査

厚労省が平成28年に実施した国民生活調査では、介護が必要になった原因に脳卒中の他、認知症、高齢による衰弱(フレイル)、骨折・転倒が挙げられています。

このラインナップを見ると、普段の生活習慣が重要になることがわかります。人間ですから、どれだけ注意していても病気なる時はなってしまいます。中には1日20本たばこを吸っていてもとても綺麗な肺を維持できている人もいるし、毎日お酒を飲んでいても綺麗な肝臓を持っている人だっています。

ですが、このようなイレギュラーを期待したり心配しても仕方ありません。個々人ができることを継続していくことがこのような介護を必要としやすい状態になる確率が下げることができます。

🔸自分で働いて少しでもお金を稼ぐこと

世界は需要と供給で成り立っています。2050年に介護職員が不足して介護を必要とする高齢者が増えるということは、需要>供給という状態になります。

需要が供給を上回るということが、利用料金が高くなることになります。つまり、資産がないと介護サービスを受けることができない未来が待っていることを示唆しています。これは、冒頭で紹介した木下さんのvoicyも話されています。

厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査

上記のグラフは、人の亡くなるときに何歳が最も多いのかを男女それぞれで示したグラフです。男性で言えば87歳まで生きている可能性が確率的には高いようです。さらに、介護に至る平均年齢が75歳程度なので、10年+αが介護を受ける期間だと考えられます。ここから男女の差や長生きリスクを考えていくことが重要です。

そして、この期間分の介護費用を年金では足りない部分を自分で稼いだり資産として持っておくことができれば対象費用がかさんでも対応することができます。

🔸健康と働くことの密接な関係

健康と働くことはかなり密接です。

健康じゃなければ働けない、はわかりやすいですね。しかし、健康を脅かす”健康リスク”の程度でも収入的に損失を被る可能性があります。

厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査

上記の図は、労働生産性損失コストを健康リスクの程度で分類した図になります。健康リスクとは以下の通りです。
①不定愁訴の有無
②喫煙
③アルコール
④運動週間
⑤睡眠休養
⑥主観的健康感
⑦家庭満足感
⑧仕事満足感
⑨ストレス
リスクの程度は、低リスク(0〜2項目に当てはまる)、中リスク(3〜4項目)、高リスク(5項目以上)となります。

5項目以上当てはまる方は、年間に172万円の損失を被る可能性があります。

また、働くことが健康にも好影響を及ぼします。

厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査

このデータから見れば(少し古いデータではありますが)、仕事をしている人の方が医療や介護を受ける頻度は低くなり、ADL(Activites of Daliy Living:日常生活動作)の障害リスクは減ることがわかります。

このように、健康と働くことがそれぞれがポジティブに影響し合っていることがわかります。「よく早く仕事辞めたいとか」「早期リタイアしたい」と聞きますが、それなら収入が少なくてもいいから楽しく続けられる仕事をする方が長期的に見ればよっぽどいいということです。

🔸まとめ

今回は、2050年までの起こることから始まり、介護に頼らないためには健康で働くことが重要であることを解説しました。

健康はついては、1日でも早く始めるとその分だけ未来の自分にメリットがあります。人間の体は自覚症状がないうちから水面下では徐々に侵食がはじめっているからです。

ぼくのマガジンでは、健康寿命を伸ばすための知識や実践方法を解説しています。20年後の健康決めるのは今からの行動です。ぜひ、チェックしてみてください。


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