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らせん階段を上るように

「ここの駅で乗り換える、出発の何分前にミルクを飲ませる。
よし!大丈夫!!」

頭の中で何度も 『愛知から実家へ帰る道中』をシミュレーションする。
半年前と同じだ。

だけど前回とは違う。

もうすぐ3ヶ月の息子を連れて帰省した半年前

『乗車時間40分の新幹線』

息子と2人初めての大移動は、私にとって大きなチャレンジだった。

実家までの道はまだ遠い。
ずっと電車だと私の気力も 息子の機嫌も持たない、と
中間地点まで父に迎えに来てもらった。

「電車でずっと泣いたら?」
「うるさいって怒られたらどうしよう?」
「うんちしちゃったら?」

心配ばかりが頭を占拠し 前日はよく眠れなかった。

電車に乗ると予想通りすぐに泣いた。
まだ発車もしていないのに。

「泣き止ませなきゃ」と周りを気にして
席に座っていられたのは10分もなかった。

乗車中のほとんどをデッキで過ごす。
トンネルの度に赤ちゃんでも耳がキーン、とするのか何度もぐずった。  

デッキから見えるのは暗い空。
40分の乗車時間が、1時間以上に感じられたけれど

着いた途端に得も言われぬ達成感でいっぱいだった。
「できた〜!!私はやったぞ!!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今回は、
「途中まで車で迎えに行こうか?」
の有難い申し出を断り、3時間かけ全電車移動で帰省。

あの時の達成感をもう一度味わいたかった。

実は直前まで、
「機嫌が持つかな、大丈夫かな・・・」と気がきでなく

おもちゃもお菓子も、何時間の移動なんだ!?と
思うくらいたくさん持った。

けれど私の予想に反し、
9ヶ月になった息子は 3時間の道中もお利口で

立ち上がり窓の外を眺めご機嫌さん。
周りの人に笑いかけてさえいる。
せんべいを味わったあとは、電車の揺れが心地よいのか
静かに目を閉じ眠って行った。

なんだか私が拍子抜けし、達成感も感じなかった。

だけど代わりに、「息子の成長」が見えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

子育ては螺旋階段を上っているかのようだ。

同じことで悶々としているように見えても
実は前回よりも1周高いところにいる。
だから、そこから見える景色はまた違う。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

たぶん、あと1年くらいでイヤイヤ期が。
そして数十年後には「うっせぇ!くそばばぁ」
という日が来るだろう。

実は2つとも体験してみたい密かな楽しみ。

どちらも息子なりの意思表現であり

私が「このぉ〜くそぉ〜!!」と心の中で思い
「どうこの時期を乗り切ろうか」と思案することに変わりはないだろう。

いくつになっても息子のことで悩むという点では
進展はないように感じるのかも。

「聞き分けの良い時期」を経ての思春期なら尚更
1周して元の場所に戻ったかのように感じるかもしれない。
だけど1周回る前よりも、1段高いところにいるんだろうなぁ。

振り返ったときに親子でどんな景色が見えるかな。
楽しみだ。

目に見えぬ螺旋階段を上っていくように。
毎日少しずつ、少しずつ。


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