クロサギ2022 詐欺解説第六話

第六話、前話の分というわけではないでしょうが、いろいろ詐欺がでてきましたね。

クレジットカードで現金を作る、というのは「ショッピング枠現金化」として、登場しました。キャッシング枠よりも高額枠なので、それを利用しようというわけです。元々は借金で困った人が、手持ちのクレジットカードで現金化できる商品を購入して換金していました。新幹線の回数券が有名ですね。しかし、自転車操業ですから最後はパンクします。クレジットカード会社側もそれに気づき、クレジットカードでの商品券や新幹線回数券などの購入を禁止しました。

そこに目をつけたのが悪徳金融業者で、無価値な商品を購入させ、購入額の七割程度を現金で渡します。結果として暴利を払うことになるわけですが(例えば、10万円のカードショッピングをして7万円を受け取ります)、金に困った人は飛びつきました。しかも、これは金融に当たらないという理屈で出資法に引っかからないと豪語していました(実際にはアウトですけどね)。

その後、詐欺師が手をだします。詐欺師は当然ながら金を払いませんから丸儲けです。ネットショッピングが普及したことで、さほど手数をかけずにサイトを立ち上げることも可能です。クレジットカード会社はカードを利用できる店舗を審査しますが、詐欺師は知り合いの名義を借りることで、審査をくぐり抜けます。SMクラブで「カード使えます」も同じで、居酒屋や料理屋名義の領収書が出てきますね。

その被害者を集めて騙すのが偽弁護士の詐欺です。騙された人はまた騙されるというのが詐欺師の考え方です。作中にもあるように、弁護士登録されているから大丈夫というのは安直な考えです。被害者の会、なら安心という訳ではなく、その活動実態を知らないといけません。こういう身分詐称系詐欺は小道具などもしっかりと作っているので、見抜くのは難しくなっています。弁護士バッチは一時期ネットオークションで売られていました(おそらく映画やドラマ用小道具です)。

最期に出てくるのがマンション投資をエサにした手付け金をだまし取る詐欺です。これは何もマンションでなくても、いろいろなネタがあります。それこそ豊田商事事件のペーパー商法だって同じことです。作中ほど露骨な手口はおそらくないと思いますが、フラット35やサブリース、シェアハウスなどの事件を見ていると、不動産なら安心という意識を狙われると弱い人はたくさんいることが分かりますね。

冒頭の闇バイトですが、特殊詐欺の受け子をはじめ、ほぼ犯罪絡みのものしかありません。ソフト闇金にしろひととき融資にしろ、この闇バイトにしろ、SNSには様々な悪人が待ち受けています。

安直なお金儲けなどというものは絶対になく、そんなものを売りにしている場合はすべて犯罪、そしてあなたを犯罪者に変えるものだと思って間違いありません。

なお、神志名の過去などについては、白石も含めて最終回かその前ぐらいにまとめて解説しようかなと思ってますが、原作を見ていただけるのが一番分かりやすいと思いますので、機会があればぜひに。

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