オカルトと詐欺

現在「カモのネギには毒がある」(グランドジャンプ・甲斐谷忍)を連載していますが、詐欺と悪徳商法のしぶとさには呆れると同時に、やはり、なぜ騙されるのかを考えてしまいます。

そこで、ちょっと考えていただきたいことがあります。それはオカルトです。厳密な意味でのオカルトの定義ではなく、いわゆる霊感商法などにも通じる非科学的な話です。

私はオカルトが大嫌いです。正確にはオカルトを信じている人間が大嫌いです。たとえば占い。血液型、星座、四柱推命……いったいなぜ信じられるのか本当に不思議です。根拠不明な非科学的な話というのは、現代においては単なる害悪です。

もうひとつ。オカルトの罪深さは昨今言われている陰謀論にも通じています。不明なこと不可思議なことが起きた時、それをオカルティックな話に結びつけたのでは、そこで終わりです。なぜを追求することが人類の進歩だと私は思っています。安直な決めつけで物事を終わらせてしまうのがオカルトです。

UFOなどその典型ですね。さすがにUFOという言葉がもつマイナスイメージが強すぎて、最近ではUAPと呼ばれるようになりました。本来は確認できない飛行物を調査するわけで、結果として「現段階では特定できない」というのがまさしく科学です。それを「異星人」「ナチスの残党」「陰の政府」などと安直な決めつけをするのがオカルトです。

さて。

こうしたオカルティックな話が好きな人は、はっきり言いますが詐欺や悪徳商法に騙されやすいです。ちょっと考えればわかりますよね。飲めば痩せるなんていうサプリがあるはずがありません(もしあったらノーベル賞ものです)。糖尿病や高血圧など生活習慣病に対するサプリもそうです。特保にしても治癒するわけじゃありませんよね。プラスメリットがあることと、病気を改善することはイコールじゃありません。

しかし、物事を科学的に考えられず、安直にオカルトに走る人は、ポンジスキームなどから見れば格好のターゲットです。それこそ旧統一教会に代表されるカルトなど、その存在自体がオカルトですし、理論も教義もオカルトです。

占い大好き、それはかまいませんが、金科玉条のように崇め奉ったり、占いが良くなったからという理由で人間関係まで疑うような人。そう、あなたです。そういう人は、詐欺師や悪徳商法、そしてカルト宗教にとっては大切なお客さん(カモ)です。

ごくごく当たり前の物理原則に反するような話が出てきたら「ああ、この人とは距離を置こう」。こう考えるだけで被害は減ります。

「そんなこと言っても見たから」なんて人もいますが、ほとんどは夢ですし、見間違えです。考えてみてください、映像に残っているビッグフットはどうですか? ネッシーは? わざわざ人里離れた場所にやってくる宇宙人は?

エンタテインメントとして楽しんでるだけだ…そう言う人も多いですが、楽しんでいるうちに取り込まれてしまうのも珍しいことではありません。

理屈に合わないことは、仮にうまく説明や論破(笑)できなくても、近づかないという選択は誰にでもできます。バカボンのオープニングではありませんが「西から昇ったお日様が東に沈む」ようなことが実際に起きない限り、やつら(詐欺師・悪徳商法・カルト宗教・占い師)の話はすべて嘘だと断じましょう。私はそれで被害を被ったことは一度もありません。

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