クロサギ2022 詐欺解説第二話

第二話は複数の詐欺が登場します。

「出会い工作詐欺」「送りつけ詐欺」「カード詐欺」の三種ですが、メインは「出会い工作詐欺」です。

この詐欺はかなり根深いものでして、探偵や興信所が関わる詐欺として知られています。出会える、だけではなく、いわゆる「別れさせ屋」も同じカテゴリーに入ります。

※ドラマに直接触れることはしませんが、今回はちょっと驚きました。ジャニーズのアイドル主演でこのネタをよくやったな、という意味ですが、まあ、この辺で。

さて、出会い工作とは何か。簡単に言えば「好きな人がいる。なんとか知り合いたい、できれば付き合えるようになりたい」という願望に応えるものです。ドラマ中にも出てきたように、人は偶然を運命と感じます。そして、もうひとつ大切なのは「夢に描いたような出会いがいつかある」という妄想を持ちやすいということです。シンデレラ願望、白馬の王子願望…いえ、女性だけではありません。結婚詐欺に騙される男の多くは「ついに、本当に俺を理解してくれる人が現れた」と思います(そんなことはありません)。

今回扱われたのは、芸能人・有名人に会える、という詐欺です。思い出しますよね。実際に元アイドルグループに所属した人間が、大勢を騙した事件。「クロサギ」連載時にもカメラマンや雑誌を名乗った似たような詐欺がありましたが、今の時点ではなんといっても前述したリアルな事件を思い出します。高級ブランドを身につけ、元アイドルグループですから、それは説得力があります。

しかし、です。探偵・興信所、あるいは元アイドルグループ所属であったとしても、現役アイドル(それがブレイク前でも)と、個人的に親しくなれるなんてことは、絶対にありません。まして、お金で会えるなんてことは、もっとあり得ません。

因みに、撮影スケジュールやらスタジオ入りがどうの、なんていうのは、入手可能な情報ですし、特別なルート情報でもありません。「○○さんと会いたいの? だったら、コネがあるから紹介するよ。ただ、紹介するにはちょっとお金かかるんだよね」こんな話は全部詐欺です。誰と一緒に写真を撮っていても同じです(あ、お前も有名人と撮った写真あるやん、と思ったでしょ。そんなもんですよ)。

他の詐欺についても触れておきましょう。

「送りつけ詐欺」は「カニカニ詐欺」などとも呼ばれたように、勝手に送りつけるものですが、ドラマで扱われているのは、コロナ禍以降に増加したサブスク系の詐欺です。勝手に送るのではなく、基本的には契約しているところが特徴ですね。

ドラマであったように、孤独な高齢者に対して、ある意味親しみを感じさせて嵌めるのは、「豊田商事」に代表される典型的なものです。こうしたサブスク系の詐欺は、クーリングオフされないようにするのも特徴です。が、いずれにしても、詐術を駆使していますので、消費者生活相談センターなどに赴くことが第一歩になります。

出会い工作の詐欺師がやっていたカード系詐欺ですが、これもまた、新しい手法ですね。ネットオークションやネット売買を利用し、出品者として無価値な商品を出品し、入手したカード情報で購入したように装って、自分に入金させるものです。カード情報を安直に入力してはいけません。

どう防ぐか。一番いいのは、ワンタイムで生成されるカード番号を使うことです。メインカードをネットで使うなんてとんでもないことですよ。もちろん、大手サイトであり、かつ、補償規定があるところならいいでしょう。でも、その判断をするのはあなた自信であることも忘れずに。

この第二話は、複数の詐欺の手口が登場します。限られた時間なので、いまひとつ理解しにくかったという方。

是非、原作の漫画「クロサギ」を読んでくださいね。では、また第三話で。

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