クロサギ2022 詐欺解説第九話

今回もあまり詐欺の話は出てきませんでしたね。「クロサギ」は基本、どのエピソードも詐欺がフィーチャーされてます。とはいえ、ドラマはまた別物ですから。

唯一詐欺っぽい話が、黒崎が海外ファンドの偽装日本法人を作るところでしょうか。

これはいわゆる「詐欺は門構え」というやつでして、ハッタリをきかせればきかせるほど、人は信じてしまう、そこを狙っています。

皆さんはご存じかどうか分かりませんが、一時期、商店街などで一部店舗が撤退した跡地を「レンタルスペース」として貸し出して、「卵一パック10円」「ハンガー20本10円」などで人を集めた詐欺があります。これは、SF商法(新製品普及会商法)と呼ばれるもので、格安な目玉商品で大勢を集め、熱狂的に煽るというものです。最終的には、羽毛布団(今はやりませんが)30万円を買わせるなどしてました。

このSF商法がうまくいくのも、結局は普通の商店街に店を構えている「かのように」見えるところです。

今回、黒崎がいかにもそれっぽいオフィスビルに事務所を作ったわけですが、「まさか詐欺のためにこんなことしないだろ」という思い込みを狙っているわけです。残念ながら詐欺師は騙すためならどんな大がかりな構えもします。たとえば、Wという俳優(故人)が広告塔になったと言われている大がかりな詐欺事件では六本木ヒルズが利用されました。

昔は「詐欺は住友ビル(新宿)」と言われましたが、今時はヒルズ系ですね。六本木のみならず表参道でもなんでもです。

つまり、ニュースにも出てくるような人気スポットや、話題のビルにオフィスを構えていると、それだけで警戒心は弱まるという仕組みです。

ここから分かることはひとつです。

どんなに立派な門構えであったとしても、そんなものには、意味も保証もないということです。見かけではなく、中身が全てということですね。

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