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うちのママはね。~ダメなお母さんの持っているもの~

親元を離れて10年近く、色んな事があった。もう波瀾万丈な濃厚な10年だった。

子供の時はわからなかったけど、この歳になったからこそ見えてくるお母さんの像。


うちのママは、料理は苦手だし、裁縫は苦手だし、いつも
「ママは苦手だからなっちゃんがやればいいじゃーん。」って言ってた。
だから、「あーもー!何でお母さんなのにこれも出来ないの!」って、小さい頃から料理はしてたし、裁縫も出来た。


うちのママは、オナラはしないし、専業主婦で家にいるだけなのに、毎日化粧をする。美容好きでも無いくせに。


うちのママは少女漫画と韓国ドラマが好き。もうおばさんなのに。


うちのママは泣き虫。
「なっちゃ〜ん泣」って幼少期の私に泣きついてきた。「母親なら子供の前で涙なんか見せんじゃねぇよ!」と少女なつみは言った。それからママは涙を見せたことが無い。


うちのママは、こっそりママ会が大好き。いつも「今日は○○さんと話して、なつみママはほんと面白いよね〜って言われちゃった!普通に話してただけなのに!」ってげらげら笑いながら話してくる。お笑い芸人かお前は。笑


うちのママは、しょっちゅう私と取っ組み合いのプロレス喧嘩をした。お互い息を上げながら。それを見て「もっとやれー!いけいけー!」って野次を飛ばす弟とお父さん。ちょこんと座って笑ってる妹。


うちのママは、困ってる人がいると、他人なのに、当たり前かのように声をかけた。電車の中で、杖を着いてる人がいたら、「ちょっとそこ詰めたら1人座れるからはい詰めて〜!はい!空いた!どうぞ!」って。今の私だ。


うちのママは、私がグレて家出して何日も帰ってこなかった時、「どこにいるの!早く帰ってきなさい!」って100件くらい電話をかけてきた。自分が出てけって言ったくせに。


うちのママは、私が父の前で「誰のせいでこんな事になってんだよ!」って喧嘩して目の前でリスカした時、部屋に来て「腕貸しな」って救急箱と本をくれた。うるさい。まじ意味わかんない。


うちのママは、私が幼稚園の頃、酔っ払って目が座ってる父に、踏みつけられている時「やめて!なっちゃんが死んじゃう!!」って全力で止めて、殴られてた。力で勝てないくせに。


私が薬剤師になったたくさんの理由の1つに、お母さんを助けたかった。
私が小学生の時、子供ももいて、お金がかかるから、離婚したくても出来なくて。


父に向かって私は、「これ以上暴れたら警察に電話してやる!」って電話を取った。
父は「電話したきゃすればいい!してみろよ!お前ら全員生きていけなくなるぞ!」って言って、私は電話を置いた。


悔しくて悔しくて仕方なくて、唇を噛み締めた。
お金を作らないと自由は手に入らないんだ。
世界は残酷だなと気づいた。
だから、テストで100点取って、沢山習字を書いて、庭のお手伝いをして、人を喜ばせる事をしてお小遣いを集めた。

お母さんが自由になれるように、自分の子ができた時に守れるように、自分自身が自由になれるように、手に職がある薬剤師になろうと思った。


今はその気持ちがあってここまで来れたから、もう父の事は憎んでない。
寧ろおかげでここまでこれたから、ありがとうと思う。
きっとシャイな性格だから、家族を自分一人で養わないといけない、嫌なことがあっても仕事を辞められない。辛いことがあっても男だから弱音なんて吐けないって、色んなものを1人で溜め込んでいたんだと思う。


相手の立場なんて昔は見えもしなかったけど、大人になってくると、自然と見えないものも見えてくるよね。


皆のお母さんはどんなお母さんですか?


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#復讐はB面で #見えないものを見ようとして #人生日記 #母親編 #ダメなお母さんの持ってるもの #人生アーティスト

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