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学校に行きたいと泣いた日

あたしは健康優良児で小学生の頃は滅多に休まなかった。
年に数回風邪をひくくらいで、それ以外は元気に学校へ行ってた。
例えば友達と喧嘩して気まずくても、大っ嫌いな体育の授業があっても、休まなかった。

話は変わるけど、あたしが通ってた頃は給食がほぼパンだった。
パン嫌いだったあたしは給食は楽しみだけどパンだけは許さなかった。残して帰り道の川にいる魚にあげたりしていた。
水曜日と金曜日はお米か麺だった。その曜日だけは本当に楽しみでワクワクしながら学校へ行っていた。

ある日朝起きると頭が割れるように痛い。
なんか寒いし節々が痛い。
そう風邪をひいたのだ。
それも滅多に出さない高熱。
看護師の母は滅多なことでは学校を休ませない人で風邪くらい薬飲めば治るというタイプ。
そんな母があたしを一目見て「今日は休みな」と言ったほど見た目からして大風邪だった。
しかしあたしは学校へ行こうと準備をし始めた。
なんてったって!今日は水曜日!
パンの日じゃないのだ!
這ってでも学校へ行こうとしたが母に阻止される。
「こんな高熱で!迷惑でしょ!」
母はぷりぷり怒りながら学校へ休む連絡を入れた。

泣いた。
あたしは泣いた。

「学校へ行く!行きたいの!」

それはもう布団に詰め込まれるまでわんわん泣いていた。
あまりにも泣くものだから母が「元気になってから行けばいいのよ。今日はお友達に会うの我慢しなさい」と諭してきた。
違う、そうじゃない!
お母さんはあたしの気持ちなんで分からないの?と言わんばかりに泣き叫んだ。


「今日は!!給食が!!!ワカメうどんなのに!!!!!」


学校へ行きたいよぉー!!!
泣き叫ぶあたし。
呆れる母。


その日あたしは学校へ行きたいと泣いた。

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