外でお酒を飲みたくない/飲めない自分を変えていこうという話。

大学生だけど、飲食店でお酒を飲んだのはたった2回だけだ。コロナの影響で、飲み会など一つもない生活だし、コロナの前はパブ文化のあるイギリスにいても日本の成人年齢を律儀に守っていた自分には遠い存在だった。
だけど、自分がお酒を外で飲まないのはそれだけが理由じゃない。

自分が女だからだ。

中学3年の時、「せっかくだから、首都圏の女子高を受けてごらんよ。もうすぐオープンスクールらしいし。」と塾長に言われて、はるばる行った某国立女子高の説明会帰り。地元にはない大型書店で買った本で、私は女子大生が外でお酒を飲むことの怖さを知った。
『本屋さんのダイアナ』である。

育ちが異なる二人の女の子の小学校~社会人までのお話だが、大学生の場面で一方の女の子が飲み会で酔って男子学生に襲われるシーンがあった。
JCだった自分は『sho-comi』の少女マンガや、そのような漫画を実写化した映画で出てくる恋が高校生や大学生の恋なんだと信じていたから、当時付き合っていた彼はとても素敵で誠実な人だったから、「そんなのありえない。なぜ女の子は”餌食”にならないといけないの????」とショックを受けた。読了した日、私は寝込んでしまった。

大学生になって、飲み会に参加することは一応あった。未成年だったし真面目な団体だったので、飲酒することはなかったけれど。でも、お酒を飲んでだんだん雰囲気が変わっていくメンバーを見ると、怖くなった。ああ、あの人もあの本に出てきた人のようになってしまうのではないかと。

さらに、伊藤詩織さんの事件。彼女が事件後に住んでいたロンドンでは、日本以上に事件のことを人々が知っており、自分が留学していた時にショートステイした家のお父さんに「君はなぜ飲まないのかい?ああ、Shiori Itoのことがあったもんね。いいよ。」と言われたくらいだった。

これをかたくなに守っていく方向性もあるのだろう。でも、少しずつ少しずつ変えていきたいと思った。

先日、1年ぶりくらいに外で夜ご飯を食べた。(注:自分は宣言が出ている地域でなないところで生活している)2年ぶりに会った人とのご飯で、自分が合法的にお酒を飲めるようになって初めての再会だった。お酒を飲むか悩んで悩んで悩んで、一杯だけワインをいただいた。たったそれだけ。
それだけでも緊張した。信頼関係があるから、今後も関わっていくからこその決断だった。(注:別に恋愛関係とかそういうわけではない)

大きい飲み会で飲むことは正直、まだ考えられていない。周りに合わせて飲むのもなんだかしたくない。でも、ちょっとだけ”冒険”することもしていきたいと思っている若い自分がいる。

少しずつ。自分にあった飲み方を模索したい。




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