ユートピアの仮案(5)
肉を直接持って食べるとおいしい。いつもまぶたを閉じるときはユートピアを思い浮かべるようにしてるが、高確率で肉を食うイメージが浮かぶ。
先々週、ひさびさにケンタッキーを買い食いしてみたら、そこそこおいしかったのを覚えている。しかし「そこそこ」である。記憶していたほどではなかった。
おそらく、家族といっしょに手をベタベタにしながらチキンを食べる、その体験にこそおいしさがあったのだと思う。みんなで肉を直接食べたい。焼肉もいいが、できるかぎり骨や串に刺さっているとよい。バーベキューや焼き鳥がよいだろう。
なぜかわたしの世界観だと、「棒付きの食べもの」と「一家団欒」のイメージが結びついている。焼肉や回転寿司、鍋はたしかにおいしい。しかしそれが直感的にイメージされることはない。基本的に、立食スタイルがしあわせの象徴である。
キッチンカーが集まったフードフェス。これもショッピングモールに劣らないユートピアである。
しゃけ音楽会(芸術の森美術館)はわたしのユートピア像に多大な影響をあたえている。あそこでは音楽のみではなく、たくさんおいしいキッチンカーや雑貨屋が店を構えていた。
屋外での楽しいイベントといわれたら、まずあれを思い浮かべるだろう。来年もあるといいな。
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