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すべて丸投げでめっちゃ儲かる食品OEMの世界

まあまあ、定期的におとずれる僕のお憤り(おむずかり)なんですが、今回は食品OEMについておむずかってます。

あらあら年甲斐もなく怒っちゃってみっともない。

と、その前にOEMとはなんぞや、

OEM(オーイーエム、英: original equipment manufacturer)は、他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業である[1]。日本語では「相手先(委託者)ブランド名製造」[2]、「納入先(委託者)商標による受託製造」などと訳される。
-出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』-

要するに、製造を外部に委託することですね。

自分のところで作らず外部の業者に作ってもらうということです。

電子機器や雑貨など、製造するにあたって結構デカ目の設備が必要になる業界ではメーカーが企画・設計して、製造を委託(中国とかに)して、国内販売とサポートは国内で、というのがよくあります。

サプリや怪しい健康食品などのはほとんどがOEM製品で、新宿の椿屋珈琲店(東口)に行くと、必ずと言っていいほどサプリOEM製造の打ち合わせしている現場に出くわします。

サプリや健康食品の場合、用途に合わせて成分の配合を決めるファミレスのメニュー表みたいなものがあって、それを見ながらエステを経営している妙齢の女性社長などがモリブデンを増やしたいとかビタミンを増やすとか言っているわけです。

サプリとか原料の購入単位ががデカ過ぎて素人には手が出せませんから、ほぼOEM一択ということになります。健康食品一食分に葉酸61μgだけあればいいのに、一袋6kg入りの単位でしか買えない世界なので無理ゲーです。


あまり知られてない一般食品OEMの世界

で、僕がおむずかっている今回の一般食品(菓子を含む)の場合は、だいたい製造を業者に丸投げという意味になります。

製造を丸投げするだけならまだマシなんですが、食品の場合は商品企画そのものや試作、パッケージデザインから資材の発注まですべてを業者丸投げにするなんて芸当もよくあります。

地方の駅なんかのお土産売り場に行くと、その土地の名産品を練り込んだお菓子とかよく見かけますが、「○○(名産品の名前)クッキー」とか、あれ、ほとんどが県外の業者が作っているOEM土産菓子です。

僕はお土産ロンダリングと呼んで問題視してました。

日本海側のお土産菓子を太平洋側で製造しているなんてことはザラにありますし、お土産売り場で一番売れているのが県外業者が作ったお菓子だという本末転倒なことも多くあります。

全国のお土産菓子を一手に引き受けてる巨大企業もあるくらいです。

売れる場所を確保したけどタマ(商品)が無いという場合や、ECでロングテール化したいときにOEMの門を叩く事が多いと思います。

OEMで作られたものの問題は、過去に自分でお土産菓子をやっていたときに直面した問題で、マジでちゃんと作っている地元業者や専門でやってる業者を殺します。

高速道路のSAやPAの道の駅で売られているご当地カレーのレトルト製品なんかはほとんどがOEMで製造を丸投げしたものになります。一部は補助金で買った加圧殺菌釜でスモールバッチでやってる場合もあります。
(だからマズいのかもしれませんが…)


OEM食品を買うということは中間業者の利益を払っているようなもの

まあ、食品OEMもビジネス手段として洗練されているという側面もあって、たとえば、知名度を素早く換金したいとか、テスト販売で試してみたいとか、そういうときにはOEMが力を発揮します。

でもね、ものを生み出す最初の試行錯誤が抜け落ちてるんですよね。

食品製造業者が逃れられない設備投資と雇用の負担リスクを製造業者の利益に転嫁して乗っけて販売してるだけなんですよね。

社会的に多重下請けは問題になるけど、OEMの製造マージンを価格に上乗せしたものや、製造マージンによって圧迫する利益を少しでも確保するために原材料をケチったものは平気なんですよね。面白いです。

心のこもっていないベルトコンベアで運ばれるOEM食品を素朴なデザインのパッケージで包んで心温まる時間を過ごすというのもアリかもですね。

心が温まるな〜。


広がり続ける丸投げOEM食品の世界

中身のお菓子の製造を丸投げ、パッケージデザインも外注、発送を倉庫業者に丸投げしたら、もういっさい手を動かすこと無く利益が生まれる魔法のサイクルの誕生です。これがOEM沼です。

キレイに言うとコラボレーションです。

わりとコレってSNSでも多用されている手法で、インフルエンサー料理研究家やフォロワーの多いお店が、インフルエンサーデザイナーにパッケージデザインを依頼して、インフルエンサーシェフの監修で、製造はよく分からない工場で作られているとか。

まさに沼です。

一度OEMの沼にハマると抜け出せません。

だって自分で作らなくても右から左へと商品が動いて、乗っけた利益だけがチャリンチャリン入ってくるわけですからやめられません。

手間もかからない、設備投資も不要、レシピすら考えず、ただただ多重に乗せられた利益を得ることができる魔法の沼です。

まあ、食品OEM、僕はあんまり感心はしないんですが、というかむしろ嫌いなんですが、時代の流れっていうのもあるし、おむずかっている場合でもねえなあと大人のフリをする練習でもしておこうと思います。

まあ、なんて言っても食べ物屋なんて賤業だし、嘘っぱち並べて人を騙しても、儲かるのが正義っすからねえ〜。

これからも「唯一無二のプロダクト、唯一無二の体験」を作っていきます!応援よろしくお願いいたします!!