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鈴木宗男議員提出「日本共産党と破壊活動防止法に関する質問主意書」

鈴木宗男議員提出の質問主意書「破壊活動防止法と日本共産党との関連」に対して内閣答弁が閣議決定されました。

鈴木宗男議員提出「日本共産党と破壊活動防止法に関する質問主意書」

日本共産党と破壊活動防止法に関する質問主意書 提出日 令和2年11月11日 提出者 鈴木 宗男君

まず、この質問主意書は、今年の6月に出した鈴木議員の質問主意書とそれに対する答弁書をベースにしています。

破壊活動防止法と日本共産党との関連に関する質問主意書

破壊活動防止法と日本共産党との関連に関する質問主意書 提出日 令和2年6月3日 提出者 鈴木 宗男君 

破壊活動防止法と日本共産党との関連に関する質問主意書
 破壊活動防止法(以下「破防法」という。)と日本共産党との関連について質問する。
一 破防法で定める暴力主義的破壊活動とは、何を指すか。
二 日本共産党は現在においても破防法に基づく調査対象団体に含まれるか。
三 昭和二十年八月十五日以後、日本共産党が合法政党となってから、日本共産党及び関連団体が日本国内に於いて、暴力主義的破壊活動を行った事例があるか。
四 平成元年二月十八日、第百十四回国会の衆議院予算委員会において石山陽公安調査庁長官(当時)が答弁している日本共産党のいわゆる「敵の出方論」に対する認識は、今も変わりないか。

右質問する。

鈴木宗男質問主意書破防法共産党2

参議院議員鈴木宗男君提出破壊活動防止法と日本共産党との関連に関する質問に対する答弁書

一について
 暴力主義的破壊活動とは、破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)第四条第一項各号に掲げる行為をいう。具体的には、刑法上の内乱、内乱の予備又は陰謀、外患誘致等の行為をなすこと、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもって刑法上の騒乱、現住建造物等放火、殺人等の行為をなすこと等である。

二について
 日本共産党は、現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である。

三について
 お尋ねのうち、「関連団体」については、その具体的な範囲が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、政府としては、日本共産党が、昭和二十年八月十五日以降、日本国内において暴力主義的破壊活動を行った疑いがあるものと認識している。

四について
 現在においても、日本共産党のいわゆる「敵の出方論」に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識している。

これを踏まえて出されたのが今回の質問主意書ということでした。

暴力主義的破壊活動・関連団体・敵の出方論

質問主意書(11月11日)

答弁書(11月20日)

鈴木宗男議員の今回の質問を整理すると以下になります。

1:日本共産党が破防法上の「暴力主義的破壊活動」を行った団体であるという認識は現在でも6月の答弁と同じ認識か
2:「関連団体」について、6月は「具体的な範囲が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難」と答えたが、それならば、政府が「日本共産党と関係ある団体」と認識している組織・団体はあるのか?その具体例を教えてほしい。
3:政府・警察庁・公安調査庁、それぞれにおいて、「敵の出方論」の見解は同じなのか。

政府答弁は以下です。

1番⇒日本共産党が破防法上の「暴力主義的破壊活動」を行った疑いのある団体であるという認識に変わりはない
2番⇒公安の調査の具体的内容に関わるものであり、回答は差し控える
3番⇒平成元年2月18日衆議院予算委員会の石山陽公安調査庁長官の答弁と同旨

平成元年2月18日衆議院予算委員会
○石山政府委員 委員仰せのように、昭和三十六年のいわゆる綱領発表以降、共産党は議会制民主主義のもとで党勢の拡大を図るという方向で着々と党勢拡大を遂げられつつあることはお示しのとおりでございます。
 ただ問題は、それは政治的な最終目標であるのかあるいは戦略または戦術の手段であるのかということの問題でございます。私どもはそれらに対しまして、今冷静な立場でもって敵の出方論何かにつきましても調査研究を進めておる段階でございまして、今のところその結果として直ちに公党である共産党に対し規制請求すべき段階に立ち入っているとは思わないから請求もしていないということであります。
 なお、敵の出方論について今御教示を賜りましたが、一つだけ私からも申し上げておきたいことがございます。
 御存じのとおり、政権確立した後に不穏分子が反乱的な行動に出て、これを鎮圧するというのは、たとえどなたの政権であろうとも当然に行われるべき治安維持活動でございます。ところが蹄の出方論という中には、党の文献等を拝見しておりますると、簡単に申しますと、三つの出方がございます。一つは、民主主義の政権ができる前にこれを抑えようという形で、不穏分子をたたきつけてやろうという問題であります。それから第一には、民主主義政権は一応確立された後に、その不満分子が反乱を起こす場合。三番目は、委員御指摘のような事態であります。
 ですから、それらにつきまして一部をおっしゃっておりますけれども、その全部について敵の出方論があり得るということを私は申し上げておるわけでございます。

敵の出方論の「三つの出方」に関する「委員御指摘のような事態」とは、議会制民主主義のもとで党勢の拡大を図るという方向のことを指します。

不破哲三の強弁と政府・警察庁・公安調査庁の認識

この答弁の直前の質問をした委員というのが、日本共産党の不破哲三です。

○不破哲三委員 省略
 我々は、我々が堂々と議会制民主主義の常道にのっとった選挙で多数を得て政権をとっても、一部にはその政権に従わないというような不行き届きな者があり得ることをやはり警戒する必要がある。そういう点はちゃんとしっかり警戒をして、それに対して民主主義のルールに従った対処をしようというのが敵の出方論です。

要するに、日本共産党の不破哲三は「敵の出方論の意味は民主主義のルールに則った対処のことだ」と強弁しているわけですが、これをそのまま信じるほど甘くないでしょう。

公安調査庁は「共産党が破防法に基づく調査対象団体であるとする当庁見解」において以下指摘しています。(魚拓はこちら

(注2) 共産党は,「『議会の多数を得て社会変革を進める』-これが日本共産党の一貫した方針であり,『暴力革命』など縁もゆかりもない」(3月24日付け「しんぶん赤旗」)などと主張していますが,同党が,日本社会党の「議会を通じての平和革命」路線を否定してきたことは,不破前議長の以下の論文でも明らかです。
 ○ 「『暴力革命唯一論』者の議論は,民主主義を擁護する人民の力を無視した受動的な敗北主義の議論である。しかし,反対に『平和革命』の道を唯一のものとして絶対化する『平和革命必然論』もまた,米日支配層の反動的な攻撃にたいする労働者階級と人民の警戒心を失わせる日和見主義的『楽観主義』の議論であり,解放闘争の方法を誤まらせるものなのである」(不破哲三著「日本社会党の綱領的路線の問題点」)

鈴木宗男議員の質問主意書に対する答弁書は、こうした共産党側の反論に対し、内閣・警察庁・公安調査庁が同じ認識であるということを確かめたことに意義があるのだろうと思います。

なお、日本共産党が破防法の調査対象団体だということ、暴力主義的破壊活動をした疑いがあると認識していることを示したのは、鈴木貴子衆議院議員提出の【日本共産党と「破壊活動防止法」に関する質問主意書】に対する平成二十八年三月二十二日回答の答弁書など、複数存在しています。

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