高市大臣「捏造文書でなかったら辞職」まとめ:放送法の政治的公平「一つの番組」判断と文書の真正性・真実性

令和5年3月3日の参議院予算委員会において、小西洋之議員が総務省の内部文書とされる文書の内容に基づいて放送法4条の政治的公平性の解釈に関する答弁の経緯を質疑した際、高市早苗議員が「捏造文書でなければ辞職」という旨の発言したことについて。

令和5年3月3日の参議院予算委員会:小西議員質疑に対する高市大臣答弁書き起こし

これは質疑に対する答弁を見比べないと、いろいろと判断できません。

報道ではかなり省略されていますので、高市大臣答弁を書き起こしました。

高市早苗議員はどういう意味で、何について捏造と言ったのか?

https://www.jijitsu.net/entry/TakaichiSanae-netsuzobunsyo-housouhou

次に、【高市早苗議員はどういう意味で、何について捏造と言ったのか?

ここを認識しないと混乱が広がるだけです。

  1. 小西議員が持ち出した資料が本当に総務省側で作成した文書なのか

  2. 総務省側で作成したものだとしても、非公式なものではなく組織共用性がある行政文書として存在しているか

  3. 文書に書かれている内容が真実か

こうした次元の異なる問題があります。
現時点で政府側は1と2を精査中。小西議員も政府側に対してはこの点について述べています。

が、小西議員も高市議員に対しては、そして高市議員自身も③の意味で「捏造かどうか」を論じています。

※追記:3月8日参議院予算委員会13時からの小西洋之議員質疑において、高市議員が捏造と言った具体的な「4文書」が明確になりました。「2月13日の当該レク自体が存在しない」とも言い切っています。

メディアは文書の成立の真正性と内容の真実性の問題を混同させようとしている

こうした点を理解すると、朝日新聞などのメディアや各所の論客は、文書の成立の真正性と内容の真実性の問題を混同させようとしているんだなと気づきます。

そして、そのような言論状況の責任を高市大臣に擦り付ける言説も存在しています。

「捏造」とは「事実と異なることを知りながら敢えて〇〇する」こと

その上で、「捏造」とは「事実と異なることを知りながら敢えて〇〇する」ことであり、あの文書は高市議員の発言とする部分は事実と異なるかもしれないが、それを知りつつ作られた「悪意」は、文書作成者は持っていなかった可能性は、現時点ではあるんじゃないか、というのが私見です。

で、この点を論って高市議員に対して辞職を求めるということが行われる悪寒がしています。

次項以降は、高市議員の「捏造文書」答弁そのものではなく、小西議員が問題視している前提となる放送法解釈についてです。

「補充的説明」を「新解釈追加」などとする朝日新聞

朝日新聞は渦中の礒崎元総理補佐官に取材して「補充的説明をするに至った」という言質を紹介しています。

にもかかわらず、「新解釈」「解釈を追加」などと書いています。

それは言葉の意味として違うだろう、ということと、当の朝日新聞自身が2015年の高市総務大臣時代や2016年の政府統一見解の際には、そのような用語法はしていなかったという矛盾があります。

「番組見て全体を判断」 電波停止発言で政府統一見解 相原亮 2016年2月13日02時10分 朝日新聞デジタル

「一つの番組」で政治的公平判断した事例:山形テレビの自民党広報番組

そして極めつけは、「一つの番組」で政治的公平判断した事例として、山形テレビの自民党広報番組の行政指導の例があるということです。

これは平成16年の事案であり、高市答弁よりも前のものです。

現実にこういう例があるのだから、高市答弁は何ら論理破綻していませんし、解釈変更だとか新解釈追加、などという実態はありません。

まとめと予想:文書の作成者は総務省官僚で本物のものが多数、内容は事実と異なるものがあるが悪意ではない可能性も

まとめ

  1. 文書の成立の真正性と内容の真実性の理解が混同される危険

  2. 高市大臣が捏造と指摘した意味と対象部分が明確にされない危険

  3. そのような言論状況の責任を高市大臣に擦り付ける言説も存在

  4. 「補充的説明」を「新解釈」や「解釈追加」などと印象操作する動きが

  5. 高市総務大臣答弁や政府統一見解の論理は破綻していない

  6. 実例として山形テレビの自民党広報番組は「一つの番組」で判断された

予想

  1. 文書の作成者は総務省官僚で本物=成立は真正のものが多数では?

  2. 内容は事実と異なるものがあるだろう

  3. 悪意ではない可能性もあるのでは?

  4. その辺りを論って高市大臣への辞職を迫る動きが出て来る?

実に下らない、不毛な言論空間が生まれる予感しかないのですが、やはり「捏造」というのは主観面も含む用語なので、少し不用意だった、状況を複雑にしてしまうものだったなという印象です。

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