アトピーに特効薬はない(2)

アトピーに関する情報はちまたにあふれている。これを使うと治ると、わらにもすがる思いでいろいろなものを買ってしまう。

エステに100万使ったというひともいるし、祈祷に10万とか、布団に30万とか、お金儲けをたくらむ人たちにとってかっこうのカモである。

よく言われるのが、アトピーは、実際は不規則な生活、ストレス、偏った食生活、劣悪な生活環境など、様々な要因が複雑に絡まりあって発症してしまう現代病であるということ。これもうそである。 なぜなら、不規則でストレスで劣悪な生活環境で、肌がつるつるのひとは大勢いる。

20代のころ、夜遊びのしすぎとか、食生活が悪いとかいろいろ言われた。アトピーの人は、前にも書いたように、まじめな人が多いから、厚化粧で夜な夜な飲み歩いているイケイケな人よりずっとまともな生活をしている。そして、かゆみを悪化させたくないので、日常生活に異様なまでに気を使っている人が多い。

縄文人はわりと顔のパーツが大きいので弥生人と比べて派手にみられやすい。症状が悪いとき、男をとっかえひっかえしたり、夜な夜な飲み歩いているような遊び好きな女性で肌がきれいな人は正直いって憎らしかった。自分はこんなに節制しているのにどうして、と自分を責める気持ちの裏返しである。

アトピー患者本人もそうだが、アトピーの子供をもつ母親はほんとうにかわいそうである。夫や姑、舅まわりから、母親として食事の管理がわるいなどとぼろくそに言われる。

ぜんぜん関係ないのだ。でも、なぜそんなことを言うのか。

いろいろな商品を売りつける人やステロイドをだしつづける医者のいいわけなのである。これを使っても治らなかったと責められないための「砦」である。

また、患者のせいにすることは一種のおどしである。さんざんあなたが悪いと負い目をもたせて「じゃあ、この商品を使うといいですよ」と言われると人は弱いからその商品にすがってしまう。

「規則正しい生活をして正しい食生活をしましょう」などと言ってステロイドをばらまく医者には本当に腹がたつ。

実は、この「腹がたつ」というのは治療の効果が高い。アトピーの人は何で自分がこんな病気になったのか自分を責める人が多い。逆になんでも悪いことを人のせいにするひとは肌がきれいな傾向にある。(たぶん、心当たりのある人はいると思う)

アトピーの皆さん、怒りましょう。怒りを炸裂させましょう。おそらくこれは体の中の有害な物質を排出する一種のデトックス効果がある。

それから怒りを表現するのは、声に出すほうがいい。ネットの書き込みをして芸能人のブログを炎上させるなどは、あまり効果が薄い。やっぱり道徳的倫理的に良くないことはかえって、アトピーの人の悲しみや苦しみを内にこもらせてしまう。

理想を言えば、怒りまくってあとで何で怒っていたのか忘れるほどすっきりするのがいいようだ。

もう一度書く。アトピーの皆さん、あなたは全然悪くない。


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