あの苦しみは何だったのか

7か月余り日本で暮らして、数か月前フランスへ戻った。

空港に降り立ったとたん、痒みがなくなっていることに気づいた。一気に完治してしまっていた。

ところが、日本製の携帯用歯ブラシセットを使用したら、唇にアトピーが現れた。　ホテルで日本製のシャンプーを使うと、また、日本にいたときのような赤黒い顔に痒みがでてきた。

すぐに捨てて、こちらのスーパーで買ったものに替えたら、徐々にましになった。古いアパートにしばらく居候させてもらっていたのだが、そこは絨毯だった。たまに日本から旅行できたときに利用なさっているセカンドハウスで、人がいないときもあるので、ソファの後ろをみたら壁にカビが生えていた。そこでも掃除は欠かさなかった。

今はタイル張りの小さなワンルームにいる。まだ、肌寒い毎日だが、いつものように掃除と換気は欠かさない毎日だ。冬は寒いからといって前の住人の人が使っていたカーペットは外してもらった。

今の状態はというと、ほぼ完治。唇の一か所にまだかさぶたが残っている。日本から持ってきていた「温清飲」という漢方薬も服用しなくてもよくなった。なくなったらどうしようと思っていたがその心配もなくなった。

こちらの電車にのっても、アトピー性皮膚炎の人を見ることは皆無だ。戻ってから数か月、見かけたことはない。