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またすぐに君に会いたくなる

そもそも電話というものが好きじゃないし、近距離恋愛なので電話をする必要がほぼないのだが、今日はわたしが実家に泊まっており離れていたため電話をした。眠る前に5分だけ声を聞くつもりが、気付いたら40分。顔を見ての会話では気付かない息遣いや声色がかえって際立って、ああわたしはこの人の声がほんとに好きって思い出した。
電話を切った後、「あ!言い忘れました。好きです」とかLINEしてくるの可愛くて好き。今日もありがとう。

2018年2月20日

何年も何年も誰かに言ってもらいたかった言葉を、映画の中で、しかも大阪のおばちゃんに言ってもらった。「あんたのしたこと、間違ってへんで」って。もちろんこれからも生きる限り自問自答は続くけれど。映画『自虐の詩』より。

2018年2月21日

連絡がマメな恋人には珍しく12時間くらい返信がないので、ちょっとだけ寂しく、そわそわしてしまう。結局、昼間のお出かけ中に携帯の電源が切れていたらしい彼は部屋にわたしを優しく招き入れて、美味しいつまみをつついてビールを飲みながら互いの今日一日の話しを聞き合って、新たなつまみを作ろうとキッチンに立つ恋人を背に、味がしみしみの最高の煮物の昆布を齧りながら泡盛を飲んでいる、今ここ。安らぐんだよなあ。ありがとうね。
そして、席を立つときにふと交わすキスは、それが軽いフレンチキスだとしても、恋人の唇は優しさ以外の成分が見当たらない。不純物が無いと、心から思う。

この世の中で一番幸福な音声は、愛する人の寝息だと思う。 日々頑張りすぎているから先に眠くなった恋人を寝かしつけた。最後の力を振り絞るように「大好きだよ」と言って一瞬で眠りについた。晩酌の洗い物と、メイク落しとスキンケアしたら、すぐに追いつくからね。その幸福な体温の傍で沈み込む睡眠に。

みんなが寝静まる頃 僕らにとっては まさに愛する日常
当たり前のような とても特別な時間
昇るお日様と共にただの日常に戻るけど またすぐに君に会いたくなる
 〈恋人より〉

◆       ◆       ◆

凍てつく2月の深夜にウォーキングしながら『ブッダの休日』を聴いたら、恋人と付き合い始めた去年の夏に一瞬で舞い戻った。恋人とエンドレスでカンパリを飲んで、この曲で朝まで踊って、笑い転げてたっけ。くっついて温め合いながら眠る冬も好きだけれど、向日葵みたいな恋人にはなんとなく夏が似合っている気がする。ブッダの休日も、夏に合う曲だと思います。
2年前とか1年半前とか、今より少しだけ退廃的な気持ちで生きていた頃、失ったものや手に入らないものほど輝くのだと頑なに思っていた。手に入ったものものは、それらに負けるのだと。それが、どうもそうでもなさそうだということを、究極の自然体で教えてくれる恋人と過ごした、夏からの日々。もうじき冬が終わる。

2018年2月28日



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