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日記かもしれない(冬の話)

鳩や鯉がいるお寺でぼんやりしていた。良い天気だった。
母の口癖が「時間がもったいない」で、ずっと追い立てられるようにして過ごしてきたが、本当はなにもしないでなんとなくぼんやりするのがとても好きなのだと思う。それに気がつくのに随分時間がかかった。
自分の好きなことを自覚することは、わりあい重要なのだと思う。自覚できれば、それを守っていくことができるから。

晴れた日は影が濃い。もう葉のほとんど残っていない木の影が、敷き詰められた砂利に落ちていてとてもきれいだった。
ベンチに背中の丸いおばあさんが座っていて、その背中に日が当たっていて、それはまるでおばあさんその人がひかっているように見えて、名前も知らないおばあさんをしばらく見つめていた。


これ以上ひなたにいればひかりそのものになってしまいそうなひと

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