マガジンのカバー画像

読書感想文たち

32
感想とは書きたいことを書けばいいのだよと小学生の頃の私に伝えたい。
運営しているクリエイター

2022年10月の記事一覧

言語化すると固定化されるのでは。「幸福のための人間のレベル論」/読書感想

幸福のための人間のレベル論 あるYoutuberのおすすめ本のひとつにあったので読んでみた。まあいつか人間関係で悩んだ時に使えるのかも。なぜか生きづらい人のための本って感じ。 なんでこういう占いチックな本て表紙の文字のグラフィックが共通しているんでしょうか。紫色金色。この本は特に占い要素はないから別物ですが。 てか、私は占いって数年前までははかなり否定的で、信じている人は馬鹿だとか思ってたんです。 でも、あれはかなり有用で便利なサービスなんだなと最近気づきました。 だま

今も未来も大事だもーんと思うわたし「バビロンの大富豪」/読書感想

古典は名著。 これはどのジャンルにおいても間違いない。本書も同じく。長い間語られ、人に愛されているものはどれも本質的なものばかりだと思うから、もっと古典を読んでいきたい。 新しい本の方が読みやすいんだけどね。 でも、本書は物語調で本当にわかりやすいし、本質的で簡潔的でとっても面白く読めた。 富をもたらす黄金の7つの知恵財布を太らせることから始めよう 自分の欲求と必要経費とを混同するべからず 貯めた資金は寝かさず増やすべし 損失という災難から貴重な財産を死守すべき 自分の住ま

正しくなさを体験したいわたし「何様」/読書感想

何様 朝井リョウ 授業の課題で「何者」を映画で見る機会があり、ついでにそのアナザーストーリー?後日譚?に位置する著書を読もうと思った。繋がりがあって面白かったね。 まず、好きな表現というかこれすげーって思った表現があった。 「がしがしと玄米ブランを嚙み砕くと、「食物繊維」という画数の多い文字が、一画一画ばらばらになって胃の中に押し込まれていく感覚がする。」 →わかる。この表現の仕方すごい。好き。めっちゃわかる。 正しくないことを体験したい 次に、「むしゃくしゃしてやった

1月からでも間に合った23卒就活記録「人生の目的論」/読書感想

人生の目的論 宇都宮隆二 就活で非常にお世話になった。 就活の備忘録を残すとともにこの本の感想を述べようと思う。 まず、著者は宇都宮隆二。 YouTubeでこの人の動画を見つけ、その流れでこの本を買うに至った。 人生の目的を軸に就活しようぜっていう主義の元、若者に情報発信をしているいかちい怖いおじさん。 私はこの人の情報を鵜呑みにすることを大学三年の1月ごろに決め、就活を開始した。 ・・・本の感想よりも備忘録を残したくなったので、そういうことにする。いつもそうだが。

時代ごとの女性像を楽しく理解したいあなたへ「女の子の謎を解く」/読書感想

女の子の謎を解く 三宅香帆 この本は作品中のヒロイン像の時代変遷を主に語る内容である。 女ってよくわからん的なお話ではない。 思ったよりフェミニズムの話が多かったけど、平成や昭和の作品を取り上げて、当時の女性像とかジェンダー思想がどういうものだったか・どう移り変わってきたのか説明されていて面白かった。 シンデレラストーリーの意味 シンデレラストーリーって普通の女の子が突然芸能スカウトされて一躍人気者になっちゃうみたいな意味(つまり、芸能界での労働を達成するという意味)で

地道に人生を変えたいあなたへ「習慣を変えれば人生が変わる」/読書感想

習慣を変えれば人生が変わる マーク・レクラウ どんな習慣を身につけたら良いかなあっていう内容。 他人を批判しない習慣”他人を批判するたびに、あなたは自分を批判している。 他人について気になっていることは、実際には自分について気になっていることではないだろうか。”(本文抜粋) →もう何回でも心に刻み込んでる話。 こうやって何度も同じ話が他の本を読んでたとしても気付くのは、きっとそれだけ覚えておきたいと思ってるからなんだろう。 気分が盛り上がる質問を自分に投げかける習慣”予

弱者になることを怯えながら生きるあなたへ「格差と分断の社会地図」/読書感想

格差と分断の社会地図 石井光太 大学のゼミでよく格差について考える機会が多いので、買ってみた。 所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差などいろいろあるよねって話。 誰もが平等に後ろから刺される社会”格差をつくる、困窮する人を放置するということは、巡りに巡って富める人が狙われる社会を生み出すことになる”(本文抜粋) →これが一番自分の中で恐ろしいなって思ってることです。 分断された世界からなるべく離れて関係ない生活を送りたいと思うが、世界は繋

人類は滅んだ方がいいと主張するあなたへ「ただしい人類滅亡計画」/読書感想

ただしい人類滅亡計画~反出生主義をめぐる物語~ 品田遊 読み終わって、最高だぜ!という感想がでてきた。 ここ一年で読んだ本の中で一番好きかも。 どういうお話?魔王が与えられた使命「人類を滅ぼす」 しかし、魔王はめちゃくちゃ理屈っぽい性格であったせいで、なぜこの使命が与えられたのか考え、人類を滅ぼすべきなのか、滅ぼさないべきなのか悩む。 そこで、人類代表の10人が指名され、彼らは魔王に人類を滅ぼさないで済む真っ当な理由を考え始めるが、そのうちの一人はなぜか人類は滅ぶべきだと

Z世代を理解したいあなたへ「映画を早送りで観る人たち」/読書感想

この本は我々、Z世代がどういう生き物なのかを解説してくれる本である。この世代に属する私自身もこの世代についてより理解が深くなった。 ので、そこら辺を述べておこうと思う。 同調したい+発信したいまず、最近の若者はSNSで叩かれたくない同調圧力や防衛意識が高いという意見に前から違和感を覚えていた。 周り見てもそんな感じしないけどなあと。 そして、この本によるとそれに属しているのはZ世代ではなくゆとり世代らしい。 だから、どうりでずれがあったのだと気づけた。 ちなみに、Z世代は

著者の文章が好きなわたし「他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。」/読書感想

他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。#なんで僕に聞くんだろう 幡野広志 親子関係とか夫婦関係の相談が多くて飽きてきたので、抜粋して読んだ。 ”スネをぶつけながらのぼる時期だってある。 20歳になったから大人ではない、それは肉体的に成人になったというだけだ。 精神的な成熟はやっぱり30歳以降じゃないだろうか、だから20代でなにをするかが大切だ。 また無責任なことをいってしまうけど、あなたはなんにでもなれる。 でもそれは30歳になったときにどうなりたいか考えて駒を進め

高校生時代に懐かしみを感じるわたし「桐島、部活やめるってよ」/読書感想

桐島、部活やめるってよ 朝井リョウ この題名はめちゃくちゃに有名だけど、まさか桐島主観で1度も語られてないのは知らなかったし、そこに惹かれて買った。 高校生のお話なんだけど、もう高校にちゃんと懐かしさ感じるようになってしまったんだと悲しくなった。そりゃあ3年も経てばそうだ。 俺が朝井リョウ作品でとても気に入ってる部分(読むと思い悩むくらい真っ黒い心に気付かされるところ)は多くなかった。 でも、他の部分の要素(ここは自分でもよくわからん)もちゃんと好きみたい。 だから読ん

悲惨なニュースの意義を考えてみたいわたし「どうしても生きてる」/読書感想

朝井リョウもっと読みたい。この本は短編集でした。 ・健やかな論理 『健やかな論理』=『暴力描写のある漫画を好んでいたから、あいつは人を殺した』『この登場人物は再配達を頼んでいたのだから、死因は自殺ではないだろう』 ”この論理が正しいと信じることで自分がおかしくないと安心したい。 あの人はおかしいから正しいのは自分である。 自分と他者に壁を作る。 しかし、この論理は正しくない。 自分と他者に、幸福と不幸に、生と死に明確な境目はない。 積もり積もったものの最後の一滴は誰にも分

どうにもならないこともあると思いたいあなたへ「心配事の9割は起こらない」/読書感想

心配事の9割は起こらない  枡野俊明 どうにもならない悩みを解決したくて買いました何も始まってないのに、何も起こってないのに、何も言われてないのに、何も思われてないのに心配になっちゃうことありますよね。 そんなこと愚かなことだと分かっていても考えて不安がってしまうちょっとそういうメンタルだったので読んでみました。 杞憂で思い悩む自分の性格は知っていたのですが、思っていたよりもそれを発揮してしまう状況に陥ってしまったので、なんだかなあって感じ。 本1冊で心持ちが変わるなら