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大口叩くなよっ!

『・・・やれもしないくせに安全、安全とぬかして、お前ら(中小建設会社)何もできてないやないか! 真っ暗な室内で墨だしする際、なんでヘルメットライトと手持ちのレーザーあてながら仕事せないかんのか。ようわからん。照明位、用意しろよ。ちゃんと下請け業者から安全協力会費貰ってるんやろうがっ! 何に使ってるんだっ? 仮設費や安全設備費はそちら持ちだろうがっ。わかってのかっ。雪積もってんだよっ。床面で滑ったらどうすんだ? どう動けばいいのか・・・突っ立ってないで、正確な指示しろよっ!・・・』
ボイスレコーダーを笹木さんは止めた。

私は、大きな溜息をついた。笹木さんは、プラント現場でパワハラにあい、相談してくれた。その件は、派遣会社がプラント会社に注意をした。その後、笹木さんに対して謝罪はなかったと聞いた。で、次の行き先が中堅サブコンに派遣会社から紹介され、9階建ての商業ビル建築工事を担当していた。

「で、私にどうせよと・・・おっしゃるんですか?」
「中小や地元の建設会社の実態をお教えしたくて・・・先生はどう思いましたか」
「変わってないな・・・。と感想ですね。 実は私もサラリーマン時代があって、機械式立体駐車場ってご存じですか?」
「あのゴンドラみたいな・・・。デパートに付帯していた・・・」
「そう、それです。建物の併設した場所に建築されるわけですから、嫌でも建設会社さんとは仕事をすることになるんですよ。でも、私の場合は、スーパーゼネコンだったので、環境面はかなり気を使って、照明なんかは用意してくれた気がしますし、協力業者が夜間作業の場合は、リースであろうが購入であろうが、金額を報告してくれて上司が決済していたというのもあったので・・・。それが、無いバージョンのお話なので考えられますね」
「先日、労基が開口部に手摺りが無いという事で指導されてました」
「それは、ひどい話というか。情けないというか。安全を語るには程遠い低能会社ですね」
「そこで、働いてるんですよ」

「労基に通報してください」

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