下水道雑感

ヨーロッパの上下水道については、自分はよく知らない。
たとえばウイーンにおいては、第2水道により、ウイーン市民が飲料水を夏にも享受できるようになった。下水道についてはウイーンの排水整備は1830年代から始まっている(田口(2008)参照)。
 また、フランスではルイ15世(在位1715-74)のころに、シスターン(貯水槽)を持つ本格的な水洗トイレが世界で最初にベルサイユ宮殿の何か所でも使用されていたようだ(岡(1985)207頁参照)。
 国内に目を転ずると、批判的な目から、現代の下水処理場の現状に目を向ける中西(1981)がある。下水処理場の巨大化と工場排水との混合処理は「下水は自分たちの出したものだ」という観点が当局者たちに抜けていたと指摘するが、人口3万1000人の駒ケ根市で下水道を保全する例をあげて、財政的にも無理がなく住民にも受け入れられている好ましい例が挙げられている。
参考文献一覧
田口晃(2008)『ウィーン 都市の近代』岩波新書
岡並木(1985)『舗装と下水道の文化』論創社
中西準子(1981)『下水道 水再生の哲学』朝日新聞社

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