Neoadjuvant nivolumab with or without relatlimab in resectable non-small-cell lung cancer: a randomized phase 2 trial  (切除可能な非小細胞肺癌に対するネオアジュバント療法としてのニボルマブ単独またはレラトリマブ併用療法:ランダム化第II相試験)

個人的に気になる論文を定期的に投稿しようと思います。
定期的に抄読会があるのですが、準備が面倒だなーって思っておりますので、同様に考えている方は、参考までにどうぞ。

Abstract
本研究は、切除可能な非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象に、ネオアジュバント療法としてニボルマブ単独またはニボルマブとレラトリマブの併用療法の効果を比較するオープンラベルランダム化第II相試験を実施した。主要評価項目は病理学的完全奏効率(pCR)であり、副次的評価項目には主要病理学的奏効率(MPR)、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS)および安全性とした。試験は全体で60人の患者を登録し、30人がニボルマブ群、残りの30人がニボルマブとレラトリマブの併用療法群に割り当てられた。結果として、pCRはニボルマブ単独群で13%、併用療法群で27%に達し、MPRについても併用療法群が有意に高い結果を示しまた。安全性プロファイルは両群で類似しており、予想される免疫関連有害事象が観察された。本試験の結果から、ニボルマブとレラトリマブの併用療法は切除可能なNSCLC患者に対する有望な治療戦略であることが示唆された。

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本文

本研究は、切除可能な非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるネオアジュバント療法としてのニボルマブ単独療法とニボルマブとレラトリマブの併用療法の有効性と安全性を評価するために実施された。研究はオープンラベルランダム化第II相試験であり、60人の患者が2つの治療群にランダムに割り付けられた。

研究の背景と目的
NSCLCは肺癌の中で最も一般的なタイプであり、手術が可能な場合でも再発率が高いことから、ネオアジュバント療法が治療戦略として注目されている。免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブは、PD-1を標的とし免疫系の抑制を解除することで抗腫瘍効果を増強します。レラトリマブはLAG-3を標的とする新しい免疫チェックポイント阻害剤であり、ニボルマブと併用することで相乗効果が期待されている。本研究の目的は、ニボルマブとレラトリマブの併用療法がニボルマブ単独療法に比べて有効性が高いかどうかを明らかにすることである。

方法
試験は60人の切除可能なNSCLC患者を対象に行われ、患者はニボルマブ群(30人)とニボルマブ+レラトリマブ群(30人)にランダムに割り付けられた。主要評価項目は病理学的完全奏効率(pCR)であり、副次的評価項目には主要病理学的奏効率(MPR)、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS)、および安全性出会った。患者は術前に4週間ごとにニボルマブまたはニボルマブ+レラトリマブの投与を受け、手術後も経過観察が行われた。

結果
表1:患者の人口統計学的特徴と特性
・性別
: ニボルマブ単独群とニボルマブ+レラトリマブ併用群の男女比はそれぞれ15:15と13:17。
年齢: 中央年齢はニボルマブ群が64歳(範囲43–77歳)、併用群が67歳(範囲43–81歳)。
ECOG PS(Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status): 両群ともに28名がPS 0、2名がPS 1。
組織型: ニボルマブ群は腺癌13名、扁平上皮癌10名、腺扁平上皮癌2名、その他5名。併用群は腺癌15名、扁平上皮癌9名、腺扁平上皮癌2名、その他4名。
臨床ステージ(UICC第8版): 両群においてステージIBからIIIAまでの患者が含まれるが、最も多いのはステージIIB。
PD-L1ステータス(TPS): 各群でTPS <1%がそれぞれ6名と8名、1–49%が14名と15名、≥50%が10名と7名。
喫煙状況: 喫煙者、元喫煙者、非喫煙者の分布が記載されており、併用群で喫煙者の割合が高い。

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