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メガ・トレンド Mega Trend ~これからの未来価値を予見せよ~

日経BP社には、「日経BP総研 未来ラボ」なるものがあり、未来についての「メガトレンド」を出版しています。以前、そこのアドバイザーの川口盛之助さん講演も聞く機会がありました。

彼の主張は、「ビジネスとは、世の中が欲する価値を追い求める行為である。そうであれば、経営戦略を考えると言う事は、すなわち未来に求められる「価値」の行方を予見するという行為にほかならない。今起きつつある大小の「トレンド」がもたらすことの意味を吟味すれば、未来を必然ととらえることができるようになり、高い確度で「これから顕在化する価値」を予見できるようになる」と言うものです。

そして、変化する世の中では、いつも変化を起こしている状態が、一番の安定する状態でもあるということですね。

【S字カーブ】


経済成長は、成長発展時のスタートは緩やかに。そしてその後、急速な進歩をたどり、再び緩やかになって限界へと達します。それをグラフにすると、S字曲線を示します。これを「成長のS字カーブ」と言うそうです。


そして社会の発展段階は、個人の欲求が「マズローの欲求五段階説」のように移り変わるように、社会で求められるものの優先度も変わっていきます。

日本も、戦後の焼け野原の時期は、生きていくのが精いっぱいでした。それから60年代の高度成長期で「所得倍増計画」などがあり、70年代は、民主化の波で労働争議などが頻発した時期でもあります。「政治とカネ」とかと言う言葉が出だしたのもこの頃ですか。そして、「男女雇用機会均等法」が制定されたのは1986年です。1998年に特定非営利活動促進法が成立して、NPO(特定非営利活動法人)が認定されだしました。個人の成熟のように社会が成熟していった歴史です。

【S字ライフサイクル】


20世紀後半は、メカトロニクスから情報通信技術が飛躍した時代でした。身の回りの様々な道具類はモーターによって電動化され、さらにはデジタル信号によってそれが制御されるという歴史を歩んできました。内燃機関で駆動する自動車ですら、電装化部品の直材費比率は半分を超え、道具類の大半は電装化がほぼ完了したと言えるでしょう。この分野で大きな富を築き上げてきたのがわが国のハイテク企業です。そして、電子技術はそれ自身で生み出す製品としてはスマートフォンに行き着いて踊り場に差し掛かっています。今からは、サービス、バイオ、脳ビジネスという分野から新たな現象が発見されるそうです。たとえば、「3Dプリンターによる臓器印刷の未来」や「脳を訓練するテクノロジー会社「SenseLabs」」などです。

【機械からサービスへ】

今、ネットの世界では、レコメンデーション機能など精度が上がっています。消費者がネットにアクセスすればするほど、ライフログをとればとるほど、消費者が求める物をリコメンドでき、それを購買に結びつけるビジネスが既に確立されています。

Googleは、これをリアルの世界で実現させようとしているのだそうです。鍵は「自動運転」です。つまり、お客さんがあるお店に行ったとします。そして店を出る時に、Googleはこのお客さんが次にどこに行きたいかお客のライフログにより推測します。そして、お店の目の前に車がすーっと到着します。そして、次に行きたいところがレストランだとするとそこへお客さんを運んでくれます。運賃はそのレストランが出してくれるので無料です。どらえもんの「どこでもドのようなコンセプトですね。既にGoogleは、実店舗への無料送迎タクシーの特許を取得しているのだそうです。

こうなってくると、自家用車の概念もあやふやになります。駐車場も要りません。あちこちにGoogle Carが走るようになります。タクシーは、最初になくなるビジネスでしょう。

【宇宙エレベーター】


S字ライフサイクルの成熟期にはいっている「土木・建築」の分野でも頻繁ではありませんがInnovationは起こります。今、ホットなところでは「宇宙エレベーター」というSF映画のような話です。大林組は、2012年に、2050年に地球と宇宙をつなぐ「宇宙エレベーター建設構想」を発表しました。2050年というと、それほど遠い未来の話ではありません。これができると、太陽光発電もこのエレベーターで輸送できたりしますし、宇宙にある惑星から鉱物資源を持ってくることも可能だそうです。

ソニーの創業者の井深さんは、

「未来をあれこれ想像するのはあまり意味がないのではなかろうか。それよりも未来を創ることに意義があるのではなかろうか」

とおしゃったのは有名な言葉です。

しかし、なんとなく見えてきた未来に必要とされる「価値」を考えるのは意義があると思います。皆さん、いかがでしょうか?

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