コンフリクト・マネジメント ~悪いのは相手ではないかも
他部門とのコミュニケーションの悪さは、どの会社でも起こる課題のようです。各組織で優先順位が違ったりするので、必ず協力してやらないといけない案件に関して温度差がでたりするからです。問題は、「コンフリクト・マネジメント力」を能力だとは個々が思っておらず、「相手が協力してくれないのでどうしようもない」と思っているからのようです。
会社で、「スピードが遅い」問題ですが、図のように、社員に三パターンの人がいると思います。どんな環境でもスピードが速い「A社員」、どんな環境でも遅い「C社員」そして、マジョリティである「B社員」は、自分自身で遂行できる仕事の場合や、自分の部署で遂行できる場合は、スピーディにできるが、他部門から協力が必要だったり、他部門の承認とかが必要になると途端スピードが遅くなる人達です。会社のスピードは、少数のA社員で保たれています。「ピーターの法則」でまだ無能レベルまでなっていない社員たちのことですね。C社員は論外ですが、このマジョリティのB社員が問題です。
B社員は、本当は、「スピードが遅い社員」なのですが、自分だけでやれる仕事は速いので、自分でスピードが遅いとは思っていません。むしろ、協力を依頼しているのに、反応が遅い他部門が、スピードが遅いと思っています。また、そういう人は、協力を依頼された他部門に対してもスピーディな対応をしていないのが不都合な真実です。
よく組織診断で、「自部門内部のコミュニケーションはいいが、他部門間では悪い」という結果が出たりしますがこのことですね。よって、会社のスピードが遅いのは、自分達のせいなのに、「会社はスピードが遅い」という結論に至るわけです。
さて、ここで、どうして、他部門が絡むとスピードが落ちるかというと、双方の「コミュニケーション能力(含ネゴシエーション能力・コンフリクトマネジメント)」の不足が原因でしょう。【2014年2月3日】
やけに過激な題なので、つい読んでしまいましたが、要は「コミュニケーション術」の話でした。
ちょっと、おもしろかったのが、精神分析理論の創始者のハインツ・コフートの共感理論というやつで、「相手の心理的ニーズを満たしてあげて、自分も心理的なニーズを満たしてもらおうと期待するのは、生きていくうえで不可欠なことだ」と述べているところです。
コフートは、人間がもらってうれしいものとして、「自己愛」を想定し、自己愛を満たしてあげる3つのパターンとして「鏡」「理想化」「双子」という概念を提起しています。
「鏡」というのは、自分が相手の鏡になってあげること。つまり、相手に注目し、相手を褒めてあげることで、相手に関心を持ち、相手が頑張っているときに褒めてあげると相手は喜ぶというものです。
相手が不安な時、ダメだと感じている時は、「私がついているから心配はいらない」という感覚を与えてあげれば、相手は安心感をもつ、これを相手の「理想化」対象になるということです。
「双子」の概念とは、「双子」のように、「この人と自分は、同じ世界の人間だ」と感じさせることだそうです。
これじゃ、ぜんぜんケンカになりませんね。【2007年9月10日】
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