2040年からの警告~変われるか日本
以前、1998年に2020年には、何もしないとこうなるという「2020年からの警告」という記事を書きました。
ほとんどの予測が当たっており、予測できたにもかかわらず、残念な結果になってしまったよという内容でした。
短期予測より長期予測の方が当たると言われています。
今回、野口悠紀雄先生が、「2040年の日本」という本を書かれて、同じように20年後の未来を予測されています。
9章立てで書かれています。
「2020年からの警告」でも政府の高齢化予測は、上位・中位・下位予測とあり、中位予測に基づいていろんな試算をしましたが、結局、中位と下位の中間が実績でした。
まあ、これはそうなるでしょう。日本はもう経済大国というより西欧の国のようにこじんまりとした経済の国になっていくのだと思います。
唯一期待できるのはインバウンド需要ですね。「観光立国」としての日本はありだと思います。
800万人をゆうする「団塊の世代」が、2025年に全員が後期高齢者の75歳以上(要介護率13%)になるという「2025年問題」がありますが、彼らは、後10年後には、85歳になります。現在の85歳以上の要介護率は60%ですから、2035年から2040年にかけて、大介護時代が来ます。これが「2040年問題」といわれるやつです。
介護需要が急拡大しても経済成長には貢献しないということです。それどころか、介護保険適用が増えて、財政を圧迫します。
これも結構確実視されていますよね。2040年には、がんは治る時代に入るといわれています。
ますます、簡単には死ななくなるようですが、介護者数は増えるでしょうね。
この「メタバース」や「NFT」ってどうなんでしょうね。どうも何も起こらなかった「セカンドライフ」と重なってしまいます。
ほりえもんは、「宇宙」ビジネスのほうが熱くて、これがどんどん加速されると宇宙から地球のあらゆる活動がリアルタイムで把握され、パラレルワールド的なものが作られると言っています。
よく意味がわかりませんが、ここらへんのテクノロジー進化が社会を変えそうです。
2030年には、6Gは実用化されているようなので、これは、そうなるのでしょう。日本は規制が厳しいので、無人車導入イノベーションは、世界の中でも遅れるのではないでしょうかね。また、EVの日本での普及率は非常に低いです。これは、「イノベーションのジレンマ」が起こっていて、世界でガソリン車シェアの高い日本のメーカーは、なかなかEVに100%舵をきれないようです。EVは技術的ハードル低いので、それこそ中国メーカーが安価なEV車で世界シェアをとるという、家電製品で起こったことが起こりそうで、日本経済にはマイナスインパクトになりそうです。
「空飛ぶ車」も普及するそうです。
AIの技術進歩は、もう現実に感じているところで、リアルタイム翻訳技術の進歩でリモートでできる仕事は、グローバル人材市場での競争になりそうです。つまり、海外の優秀な人材が今よりどんどん日本の仕事をリモートで高給で請け負い始めるのでしょうし(特にIT分野)。普通の仕事は安価に受注されるようにもなるでしょう。この場合は、所得税は日本には落ちませんね。
「技術立国ニッポン」と言われていた割には、IT化には随分と遅れました。世界の最先端技術にアクセスするためにも英語力は必須ですが、そこの教育も著しく遅れています。今後は、中国語の必要性も高まると思います。
文科省もこういう事情は理解していて、2013年度に「国立大学改革プラン」が発表されました。高校も2002年度から「スーパーサイエンスハイスクール」や2014年度から「スーパーグローバルハイスクール」を指定して助成金を出しています。小学生3年生からの英語教育が必須になったのは2020年度からです。
しかし、大学の世界ランキングは下がり続けていますし、効果はあまりありません。
文科省、日教組の体制が変わらないので、効果的な改革はできていないと思いますし、この傾向は続きそうです。
「おわりに」では、未来に対するわれわれの責任を問われています。
正直、既得権益を取り上げてやる規制緩和ができない日本では、よほどのことがない限り、経済は縮小していく方向には歯止めがききそうにはないように思えます。
しかし、クリーンで安全な街や礼儀正しさ、コンプライアンスの意識などは、どんどん進化して世界の中でもトップクラスだと思います。
こういうことは、経済と同じくらい社会にとっては大事なことだと思います。未来に起こる変化がこれらを損なう事がないようにしなければなりません。