アストルティア経済学 #3 ふくびき券の価値を再考しよう
こんばんは!なそちーです!
今日は新コインボス「アンドレアル」が実装されましたね!
それに伴いオーグリード大陸の福引が更新されたり、おでかけ超便利ツールで様々なキャンペーンが展開されたりと、朝からアストルティアが賑わっていましたね。なかにはお仕事や学校を休んで福引を引いた人も…?
さてそんな折なので、わたしも時流に乗ってふくびきのお話をしようと思います。
とはいえ、昼間はログインできないわたしはふくびきを回せていません><
そんなわたしが何の話をするかというと…
そう!やっぱりわたくしなそちーといえば!お金のお話です!!
今回は昼間にアクセスできなかったバザーの相場を恨めしく見つめながら、ふくびき券の価値を再考していきましょう。
1.ふくびきの仕様について
ふくびき券の価値を考える上で、大事なのは各等級の当選確率と商品の売却価格です。これさえわかれば、あとはその線形和をとって期待値を出すだけで金銭換算できます。(言うまでもないですね)
しかしこのゲームのふくびきの当選確率、実はヒジョ〜に曖昧なのです。
冒険者の広場で公開されているふくびきの当選確率は以下の通りです。
これだけみると大変わかりやすく確率が明記されているようです。
しかし実際にふくびきを行うと等級が一度決定した後に、演出が入り当選結果が変更される「チャンスモード」というシステムが存在していることがわかります。
このチャンスモードについて、こんな表と記述があります。
むむむ???
確かにチャンスモード発生中の当選確率は明記されている。
でも肝心のチャンスモードの発生確率がぼかされているではないか…!!!
「6回から12回ふくびきをするうち1度」って何%なんだあああああ!!!
ものすごく単純に考えると「おおむね1/6~1/12の範囲でチャンスモードの発生確率が変動しますよ」と言っているように見えます。
でもちゃんと読み直すと「前のチャンスモードが発生した時点で次のチャンスモード発生までの回数が何らかの確率分布にしたがって6~12のどれかに決定されて、その回数だけ引いたら確実にチャンスモードが発生しますよ」と言ってるように見えてきますね。
それにチャンスモード自体の仕様も曖昧で、説明文からは「チャンスモードの発生の可否は抽選結果に先んじて決まっており、チャンスモードが発生したという事実に基づいて結果が抽選される」と解釈できますが、演出上では「一度抽選を行った上で、チャンスモードの発生判定が入り、チャンスモードが発生した場合には、再度抽選を行って」いるように見えます。
その結果、おそらく当選内容が下方修正されることはなく、必ずより上の等級が当選しているように見えますが、そうなると
先んじて表示された抽選の結果は一体何だったのか?
その確率は表記の確率とは異なるのではないか?(チャンスタイム発生による結果よりも下の結果でなければならないため)
といった疑問が浮かんできます。
そもそもドラクエ10がふくびきの確率を公開するに至った経緯としては、Apple Storeの規約改定により、以下のように「ガチャ」の当選確率を明記しろと指示されたためと言われています。
とすると、やっぱり上記のような曖昧な表記はダメなんじゃないのという気持ちになってきますが、どうなんですかAppleさん!
いずれにせよ、期待値を計算しようにも当選確率がわかりません。
そこで、今日ふくびきをたくさん引いていたフレンドを捕まえて、チャンスモードの発生頻度について無理やり調査させました(!)。
(いつもわたしのわがままに付き合ってくれてありがとう😭)
そのフレンドさんの調査によると、数百回の試行でちょうど10%の発生確率だったので、おおむね表記されてる幅(6~12回に一度)の中央値付近を取っておけば良さそうです。
ほんとに統計的にそう言えるのかってお話は長くなるので割愛!
じゃあチャンスモードの発生確率が変動幅の中央値(=1/9)と仮定できるなら実際の当選確率はどうなるのか!
というのを計算するのがめんどうだなーとおもってネットサーフィンをしていたんですが、あんまり納得のいく推定結果がなかったので結局自分で計算しました。
結果は以下の通り!
さて、実質の当選確率が計算されました。
ただしここで気をつけなければいけないのが9等「ふくびき補助券」の処理。9等を除く期待値をEX(-9)と表記し、9等の当選確率をPとすると実際の期待値は以下の式で表されます。
これはいわゆる無限等比級数の和を計算すればいいので、以下のように簡単にできます。(説明は省略!)
2.ドワチャッカ大陸の期待値
まずはベースラインとして、上位の景品の売却価格が一定であるドワチャッカ大陸でのふくびきの期待値を見てみましょう。
ということでドワチャッカ大陸でのふくびきの期待値は1729ゴールドとなりました。
ドワチャッカ大陸のふくびきの上位の景品であるきんかいやウルベア金貨は店売りで十分な金額を得ることができるため、実質的には金本位制的にシステム内の通貨を引き出すことができます。
しかしアストルティアを流通する通貨の総量は金の総量から決定されているわけではなく、また金との兌換もできないため、実際に金本位制を採用しているというわけではなく貨幣価値がある程度金によって保証されているという程度だと考えておくべきでしょう。
(このお話は全く自信がありません!システムから常に等量の通貨を引き出せると言う点で、極端なデフレを防ぐ装置としても機能しているはずですが、詳しいロジックはまた後日!それまでに勉強しておきます…!)
いずれにせよドワチャッカ大陸のふくびきはインフレ・デフレの影響を受けずに同額の貨幣を得られるので、(他の財とくらべ相対的に)貨幣価値が上がるデフレ時には特にその価値が輝きます。
逆にゲーム内でゴールドをたくさん手に入れられるイベント(スライムレースとかがいい例ですね)が開催されると、アストルティア内での通貨流通量が増えて、貨幣価値が相対的に低くなるので、他の大陸でのふくびきの方が価値が高くなることが想定されます。
ではアンドレアルコインが実装されたオーグリード大陸ではどうでしょうか。
3.オーグリード大陸の期待値
オーグリード大陸のふくびきの期待値は当然ながらバザーの相場に大きく左右されます。
わたしが昼間にときどき確認していたバザーでのコインの相場の変動はだいたい以下の通りでした。
価格は数時間おきにおでかけ超便利ツールから確認しました。
忙しいのにチマチマ相場をチェックする手間を考えたら、バザーの相場を1時間おきとかで拾ってくるプログラムを書けばいいと常々思っているのですが、規約の確認とかを面倒くさがっていたら新コインボスが実装されちゃってました。
(余談ですが、こういうめんどくさいことを避けたせいで結局苦労することってなんと表現するのがいいんでしょう。飲鴆止喝とか漏脯充飢…? ちょっと違うような…)
そこで7:00と18:00時点での相場を見てみます。
計算はしないけど10:30とか14:00は18:00の相場に近いかな?
なんと新コインボス実装から1時間で期待値はドワチャッカよりたった50ゴールド高いだけでした!
実装から半日が経過した18:00の時点ではすでに期待値はドワチャッカより160ゴールド低い1570ゴールド!
4.ふくびきけんの価値は…の前にスペシャルふくびきの期待値
ふくびき1回あたりの期待値はコインボス実装の直後(約1時間)を除いてドワチャッカ大陸の方が高く、1730ゴールドほどであることがわかりました。
つまりふくびきけん1枚の価値は1730ゴールドです!
と結論づけてしまうのはいささか軽率です。
ふくびきでは3等以上を引いた際に、自身にスペシャルふくびき券2枚、フレンド10人にスペシャルふくびき券1枚が送られます。
つまり3等以上では景品の金額にスペシャルふくびき券の価値を上乗せしなければなりません。
スペシャルふくびきの景品は換金の難しいものが多く、あまり計算したくないのですが……
まず2等、4等、5等以外は選択肢の中で最高額で販売可能なものを選択するとします。
2等はメタキンコインのグレンでの販売価格から概算されることが多いようです。この仮定はグレンでのメタキン売りにかかる時間を無視していて、やや気持ちが悪いのですが自身のレベルがカンストしていない場合に限り、販売にかかる時間はレベル上げの時間として無視できるものとします。(苦肉の策)
メタキンコイン3枚とメタボスコイン1枚の相場は20万ゴールドとして、それを3人分(60万ゴールド)回収できてメタボスコイン分(2000G)のみ追加の出費となるので、59.8万ゴールド。
4等はスペシャル家具庭具券がバザー出品可能なのでこの値段で計算します。(苦渋の選択)
5等は30000ゴールドのコインとほぼ同じ価値を持つ強メダルを獲得できますが、持ち寄りはほぼ成立しないので、全てソロで消化すると仮定し4枚でボスコイン1枚(持ち寄り時)相当として7500ゴールドです。ただしこれはアクセが完成していない場合に限ります。(窮余の策)
以上を踏まえてスペシャルふくびきけんの期待値は以下のように計算されます。
スペシャルふくびきの期待値はその名に恥じることなく5923ゴールドと高額であることがわかりました。
5.ふくびき券の価値は?
スペシャルふくびきの期待値を考慮してドワチャッカ大陸の期待値を計算し直せばふくびきけんの価値がわかります!!
…というのもまだまだ早計。
これではふくびきを引くのにかかる時間を考えられていません。
ふくびきは1時間でおよそ1800~2000回程度引くことが可能です。
これはスペシャルふくびきも同様。
するとスペシャルふくびきを1時間引き続けた時の利潤は、1時間に2000回引けると仮定すると2000×5922.8=11,845,600ゴールド
ここで考えなければならないのが、前回第二回で考えた機会費用です。
そこでは、「誰でも簡単にできる金策の時給は300,000~400,000G/hだから他のことを1時間するときは300,000~400,000Gを支払っているのと同じだよ」というお話をしました。
これを踏まえると時給Xゴールドをコンスタントに出せる人が、スペシャルふくびき券を使用することで得られる追加の利得は1時間あたり(11,845,600-X)ゴールドとなります。(ここから先すっごく複雑です、頑張って読んでね!)
つまりスペシャルふくびき券1枚あたりの価値は(5922.8-X/2000)ゴールドです。
これをドワチャッカ大陸の期待値計算に含めると、以下のように計算可能です。
3等以上を引く確率が0.87%なので、スペシャルふくびき券を自分だけがもらう(サブキャラでは受け取らない)と仮定すると…ふくびき券1枚の期待値は
EX = 1730 + (5922.8-X/2000) × 0.87% × 2
例えばX=40万の人にとってはEX=1830
X=100万の人にとってはEX=1825
X=500万の人にとってはEX=1790
以下ではX=40万として進める。
ここで1時間通常のふくびきを引き続けた場合に、ひける回数は2000回であるが、そのうち16.23%は補助券が当たるため、実際に消費可能なふくびき券は2000/(1+0.1623/5)=1937枚
したがって1時間に獲得可能な利潤は1937 × 1830 = 3,544,710ゴールド
したがって1時間ふくびきを引き続けることで得られる利得は
3,544,710 - X = 3,144,710 ゴールド
以上を踏まえてふくびき券1枚の価値は
3,144,710/1937 = 1623.5 ゴールド と計算できます。
ここまでついてこれなかった方も結論だけは覚えていってね。
一般的なアストルティアに生きる人々にとって、ふくびき券1枚の価値(=ふくびき券を1枚使用することによる時給の増分)は1623.5ゴールドです!!
6.まとめ
今日は、以前からやってみたいと思っていたふくびきの期待値調査と、機会費用を考慮したふくびき券1枚あたりの価値の計算をおこないました。
ふくびきの期待値計算は数多くあれど、ここまで計算した人はあんまりいないんじゃないでしょうか。(自画自賛、えっへん)
7.宿題
本文中で解説を後回しにしたのは以下の4点!
これは私の宿題です!
今日はここまで!!
今回も最後まで読んでくれてありがとー!
みなさまからいただいたサポートは新しい記事作成のために使わせていただきます!