2年ぶりの帰省だが、母親に会いたくない

元々は2020年の3月に帰る予定だった。最後に帰省したのが2019年の夏だったから、実家には2年以上帰省していない。コロナの心配はまだあるものの、この後オミクロン株が流行することを考えると、今のタイミングを逃す訳には行かないのだった。それに今回はどうしても帰らなければならない理由もある。

それは私の妊娠が発覚したからだ。パートナーを親に会わせたいし、色々話をしたい事もある。
年末年始の混雑を避けたいので、30日に青森を出て、31日には帰ってくる予定だ。
日付も変わったので、もう明日。
けれど、正直今は帰りたくないと言う気持ちでいっぱいだ。正確には、「帰りたくない」と言うより「母親に会いたくない」。

遡ること1ヶ月半ほど前。妊娠している事が確定した日の夜、実家に電話をした。
相手が居ることも言ってなかったので、かなり驚かせてしまうなぁ、申し訳ないなぁと思いつつ、実家に電話をかけた。
「お母さん、あのさ、かなりびっくりさせちゃうんだけど、子どもできました」
しばらくの無言。
「あまりにもびっくりした。相手の職業は?」
「(え。。。?そこから?)農業。実家が農家って訳じゃなくて、新規就農でこれから会社としてやっていくの。」
「農業は儲からないでしょ?養って貰えるの?入籍はどうするの?」

確かに、前の夫はパワハラを理由に鬱状態になったものの、実際はアル中で「働いたら負け」という謎理論を掲げる無職、義両親はそんな長男坊が可愛すぎて子離れできず、家業を引き継いだ私に対し、数々の嫌がらせをしてくるようなどうしようも無い結婚であった。

なので、母親の言いたいことも分かる。分かるのだけれども、あんまりだと思ってしまったのだ。

農業は儲からない。そもそも母親は別に農家の出身では無いし、企業経営の経験もない。父親の稼ぎで生計を立てる専業主婦。新聞配達や趣味のパンの販売で自分の小遣いを稼ぐ人だ。なのに、儲かる儲からないとジャッジできるのだろうか?

養って貰えるのか。私は自分の会社の役員報酬があるし、相手だって事業収入がある。無収入になる訳でもないし、出産後は職場に復帰することしか考えてない。妊娠しました⇒社長辞めますなんて言うとでも思ったのだろうか?それに私は「手に職を付けたい」「バリバリ働きたい」と10代の頃から思って、高専を選び、原子力業界に進み、辞めて起業し、まったく未知の業界で社長をやってる人間だ。穏やかな生き方はまったく向いてない。母親と同じ生き方はまったくする気はないのだ。

入籍に関しても「名字を変えるのは前回の離婚で大変な思いをしたから、今回は事実婚にすることで相手も納得してる」と言ったら、「相手に変えてもらえば良いじゃない!!!」と返ってきて、もう唖然としてしまい、もう話す気力もなくなってしまったのだ。

あぁ、この人は私のこと、分かってくれてなかったんだなぁ。相手の職業に対しての偏見、私の仕事観への理解の無さ、母親の中の常識の押し付け。私の地雷を悉く踏み抜いたのだ。
いつもだと母親が一方的に喋り、私は黙り込む事が多いが、最近ようやと頭の回転と口の回転が一致するようになったのもあり、反論したらそれもそれで気に食わなかったのか

「あーはいはい、ごめんなさいごめんなさい」

謝るのが苦手な人だということは分かっていたけど、親として、大人として、その謝り方はどうなのかと。
近くに居るであろう父に電話を変わらせ、簡単に妊娠の報告をしつつ、驚かせてしまったことを詫びながらも、母親の態度があまりにも頭にきたことを伝えた。
父も色んな意味で驚いたみたいで「お、おぅ。。。」としか言えなかった。

「おめでとう」って言ってもらえるとは思ってなかったけど、体調も気遣ってもらえず、娘の大事にしている価値観を傷付ける発言する、そんな母親に会いたくない。
布団に入ってもう4時間経つが、電話でのやり取りが頭の中で何度も繰り返されて、涙が止まらない。

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