マガジンのカバー画像

ニセコ からの便り

29
北海道・ニセコ への移住のきっかけ、ニセコ で出会うおもしろい 人々、雄大な自然、美味しい農作物。Nashyの視点から見る、リアルなニセコ ライフをお届けしています。
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

「自分がそこに居ないこと」を恐れてやまない人たち

最近、私は「春」を感じている。 「春」とは一言に言っても、桜をはじめとする草木・花たちの芽吹きや開花、花粉、つめたさに暖かさが混ざる風、やわらかな日差し、浮きたった人の心、変質者の出現、身近な人の門出、学業や仕事の新たな年度の始まり...と、「春」を形容するには様々な対象があるだろう。 あなたは何に、春を感じるだろうか? 私は、「スキー場の雪が溶け始めたこと」に、春を感じている。 FOMOまつりの現代「FOMO」ということばをご存知だろうか? "Fear of mi

全力で走ってきた、そこのあなたへ

「青は進め、黄色も進め、赤は気をつけて進め」という言われがあるが、原点に戻ろう。赤信号を無視してはいけない。「赤は止まれ」である。 流れゆく景色も良いが、立ち止まった時にしか見られない景色もまた良いものだ。この機会に、じっくりと味わってみようではないか。 止まるもどかしさもあるだろうが、心配は無用である。 しっかり止まれば、また自然と「進め」のサインがやってくる。 本日のイラスト「景色を楽しむチャンス」A Chance To Enjoy The View P.S. 私

ニセコ に住む人々 #06 石油の小西さん - 固定概念をぶち壊す、バター飴

"この記事は「ニセコ に住む人々」シリーズの第6回目です。 これまでの記事はこちらからどうぞ↓ #01 プロ・スノーボーダー Eさん - 幸せの在り方は人それぞれ #02 不動産会社 Tさん - 陳腐な同情なんていらなかった #03  "おとなりさん" - りんごケーキ2切れを6人で食べる #04 整骨院院長 Dさん - 何歳になっても、挑戦し続ける  #05 Yさん - オトナの秘密基地で産声をあげた、1人のイラストレーター ——今月も、もうそろそろ"小西さん"が来る頃

「ゆりね」って食べたことある?

ニセコ では、最近ようやく最高気温0度を上回る日が増えてきた。先週末、こちらでは青空が広がったので、近隣エリアに観光に行った帰りに、ずっと気になっていた場所へ立ち寄った。 ずっと気になっていた場所とは、「ニセコ ビュープラザ」という道の駅である。 地産地消・安全安心の農産物直売所お目当てはニセコ ビュープラザ内にある「農産物直売所」だ。農作物が置かれる商品棚には「私が作りました!」といったコメントとともに、生産者の顔と名前が掲載されたポップが貼られている。そんな、安心・安

ニセコ に住む人々 #05 Yさん - オトナの秘密基地で産声をあげた、1人のイラストレーター

"この記事は「ニセコ に住む人々」シリーズの第5回目です。 これまでの記事はこちらからどうぞ↓ #01 プロ・スノーボーダー Eさん - 幸せの在り方は人それぞれ #02 不動産会社 Tさん - 陳腐な同情なんていらなかった #03  "おとなりさん" - りんごケーキ2切れを6人で食べる #04 整骨院院長 Dさん - 何歳になっても、挑戦し続ける  Yさんとは、「ニセコ に住む人々」#03回で紹介した"おとなりさん"から連れて行ってもらったバーで出会った。 Bar

気温0℃があたたかい

今年の桜の開花は平年よりも早いらしい。桜の開花を今か今かと待ちわびている人も多いのではないだろうか? こちら北海道・ニセコ も3月に入りようやく春めいてきた。 桜こそまだまだ話題に上がらないものの、雪が降りやみ、地上に日差しが届く日も多くなり、冬中なかなか姿を見せず、もはや「"無い"もの扱い」をしてきた羊蹄山も、ここ最近は"ある"。 ※羊蹄山のエッセイはこちら▼ 道路の雪の壁の高さも日を増すごとに縮んでいき、道路わきの雑草が見られるようになった。「草を見るのはいつぶりだ

サステナブルな暮らし in ニセコ - ごみが固形燃料に!

私が住んでいるここ、北海道・ニセコ の羊蹄山麓のエリアでは、2015年3月から燃やせるゴミを固形燃料に変える取り組みを行っている。 燃やせるゴミを、燃やさずに固形燃料にすることで、二酸化炭素の排出を大きく削減しているのだそう。 さらに、生ゴミまでをも分別し、堆肥化している。生ゴミ専用のゴミ袋は、分解される特殊な素材でできているからすごい。水に溶けやすいため、住み始めのころは扱いに手こずったが、だんだんと慣れてきた。 ごみの分別はラクなことではないが、ゴミは「分ければ資源

「月が綺麗ですね。」月に狂わされた夏目漱石

この間2月27日(土)の満月、いわゆる「スノームーン」は見られただろうか? 全国各地で広く観測ができたという記事を読んだが、こちら、北海道のニセコ でも、まぶしいくらいの明るい月が見られた。 いつも、シャイで、もはや存在が「無い」に等しい羊蹄山も、先日は雲ひとつない夜空に、満月に照らされて、それのシルエットが丸出しになっていた。 しかし、あの夜の羊蹄山は、いつもとは様子が異なっていた。 漆黒で巨大なものがズン......!と目の前に迫りくるような感じで、それでいて異様な