vol.22▣◁▩ 梨茄子より 旅は道連れ ▣◁▩

梨茄子が不定期で発行しているメルマガのアーカイブです。
お送りしたものをほぼそのまま載せています。

2021年11月12日14時発行
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こんにちは。梨茄子のたちくらです。前回のメルマガであんなこと書いたから、いろんな人にメルマガ読んでるよ！と報告されるようになってしまいました。なんか、えと、すみません。気持ちはかまってちゃんなくせにわかりやすくかまってと言えずしかもかまわれると動揺するって、我ながらハイパーめんどくさい。

◇◆またあの場所に◆◇

　ご存じの方はご存じでしょうが、兵庫県の日本海側に、豊岡という街があります。一般向けじゃないのでぜんぜん表に出てきませんが、私は毎年いまごろ豊岡に滞在しとある演目に出演しています。というか今まさに豊岡へ向かう特急に乗ってます！山陰線なう!

　というところなんですが。実は。

（いまから全豊岡市民と某劇団員の約半数に確実に嫌われる発言しますね）

　わたしは豊岡に行くのが怖いです。

　さかのぼること数年前。恒例行事となったこの演目の豊岡公演記念すべき第1回、会場は12月の小学校の体育館でした。

　人生で一番寒かったです。

　白い息という姿を持った台詞をはじめてみました。30分前に届いたお弁当は冷蔵庫から出したてであるかのような冷たさ。学校が用意してくれた巨大な扇風機型ヒーターはだがしかし体育館の虚空の前にはほぼ無力、でもそのヒーターに頼るしかないわが身の不甲斐なさ、１本のマッチに暖を求めたマッチ売りの少女に一瞬でもさげずみの心を抱いたことを恥じました。さらに雪が2回も降って、年内は降らないって聞いてたのに．．．なんですかこの仕打ち。演劇関係者は10度以下の体育館に終日置いといてOKとお思いでしたか？豊岡は演劇に理解ある街ではなかったですか？それともこれはあなたたちのいう演劇ではなかったですか？私たちなにか悪いことしましたか？

　担当の市役所の方は死ぬほど親切だったし、翌年から上演環境は大幅に改善されました。しかし豊岡という地名は、極寒体験の記憶とまた恐ろしい目にあうのではという猜疑心とセットで私の脳裏に刻み込まれました。その後の滞在でも、優しい人々やら温泉やらでポイントアップが図られる一方なにかしらリトル恐怖体験があり、あいかわらず豊岡♡ なんて気持ちからは100㎞くらい離れた地平におります。

　でも。いつまでも怖い怖い言ってるのも（言ってないけど）大人げないので。ていうかもう向かっちゃっているので。あと1時間以内に着いちゃうので(´;ω;｀)　豊岡のよいとこを思いつく限り並べ立てて自分を励まそうと思います。人助けだと思っていただいてしばしお付き合いください。

◆バーガーシティ
個人店かと思いきやローカルチェーンの最後の残党。メニューがアグレッシブ、Wi-Fiあり、QRコード決済対応。幼い頃食べたドムドムバーガーにそこはかとなく似ている、気がする。

◆なおちゃん
仕出しのお弁当屋さん。野菜多め・ごはん少なめ。お弁当食べすぎて差し支えがちなたちくらにありがたいお店。

◆竹野の海
砂浜。なんかのランキングで16位くらいに入っているらしい。付随する思い出がないので純粋に海の美しさを見ていられるのが個人的に良い。

◆鹿
ときどき円山川の向こう岸にいる。しばしば誰かの車にぶつかっている。

◆赤いか
城崎の魚屋さんで目撃した体長１ｍのイカ。クジラと戦う巨大イカの存在がちょっとリアルに感じられた。ロマン。

◆キノシタ
レーズンサンドが超有名なパティスリー、ですがお菓子はさておきカフェに置いてある本を窓際の席で読みたい。前回行ったときは最果タヒを2時間かけて読んでた（なんて迷惑な客だ！）

◆セコガニ
手のひらサイズのカニ。時期になるとあまねくスーパーで生きたまま売ってて店頭が水族館化する。美味しいのは知ってるけどクリーチャーとして見ているので自分で調理するのは無理（出されたら食べます）。

◆ヒグラシ珈琲店
豊岡駅からちょっと離れたとこにある純喫茶。居心地よいのだがなぜか暖炉の内側か牢屋にいる気がしてくる。

◆ニシカワパン
スーパーとかで売ってる普通の菓子パンなんだけどやさしい味で好き。ロゴがレトロに可愛いのも好き。ただし豊岡じゃなくても売ってる。

◆ガンピー
豊岡の成城石井。昨年は地元産謎キノコを爆買いしてた。今日の夜はガンピーでお寿司買おう、そうしよう。

　以上、順不同で豊岡にあるよきものでした。少しは前向きになれた、だろうか？あぁ、つつがなく東京に戻ってこれますように。いまは自分の無事しか祈れません、狭い心ですみません。

◇◆ちかぢかの梨茄子◆◇

《たちくら・下駄　ミニ展示とかWSとか》
円盤に乗る場　活動報告会
アトリエメンバー勢ぞろいイベントです。たちくらはプチ展示とお店を開きます。下駄くんは演技の言語化を図るWSをしてるのを見せびらかすそうです。二人ともやりっぱなしプランだな。

ちなみに明日、乗る場で、円盤に乗る派の畠山さんが一人芝居してます。パンケーキ写真の完成度が高い。あらすじが急転直下すぎて焦る。

《たちくら　出演》
青年団『サンタクロース会議』
青年団の子ども参加型演劇です。まったく青年団ぽくないので、これをみて青年団ってこういうのか～とか思わないでください。

《たちくら　出演》
青年団若手自主 宮崎企画『東京の一日』
非常に日常な場面ばっかりなのに、生活の中で体験したことある場面は一つもなくて、一生で体験できる日常も有限だったと気づく。

＊　＊　＊

　いい散らかしておいてなんですが、なんかかわいそになってきました、豊岡市、きっと体育館の気温を見積もりそびれただけなのに、こんな怖いとか言われて。でもなぁ怖い気持ちを圧殺するのもしんどいんだよなぁ、もはや生理現象だから説得してもしょうがないんだよなぁ…なんか意外と深みにはまりそうな問いになっちゃったのでこの辺でとどめておきますね。

＊　＊　＊

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