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ポケモンに育てられた人間の物語

12月25日、延期となっていた「劇場版ポケットモンスター ココ」が全国ロードショーとなりました。
と、いうわけでポケモン大好き少年(19)の僕も早速観てきました!めちゃくちゃ面白い映画でした!!
と、いうわけで今回のnoteでは前半にネタバレ無しの感想や映画のプレゼンテーションを行い、後半ではネタバレを含む感想や考察を書いていこうと思います。



劇場版ポケットモンスターココのあらすじ

厳しい掟のもと、ポケモンたちが暮らすオコヤの森。
そんな森に暮らすザルードは、人間の赤ん坊と出会う。
赤ん坊を見捨てられないザルードは森の掟に反して赤ん坊に「ココ」という名前を付け、群れを離れて共に暮らすようになる。
それから10年、サトシと出会ったココは自らがポケモンではなく人間であると知る。自らが何者なのか悩むココと自らの父親としての在り方に悩むザルード。
そんな中、招かれざる人間たちが森に足を踏み入れる。


と、まぁざっとこんな感じです。
最近のポケモン映画はアニポケと連動しておらず、日頃ポケモンのアニメを視聴していない新規でも楽しめる映画となっています。
言ってしまえば帽子を被った少年と黄色い電気ネズミ、そんなネズミを狙う悪い3人組がいる。
これだけ前提で覚えておけば後は劇中で全部解説してくれますので、このnoteを読んだりTwitterの感想を読んで少しでも興味が沸いた方は是非軽いフットワークでご覧頂ければと思います。


ココがオススメポイント!(ネタバレ無し)

さて、今回の映画のココがオススメ!というオススメポイントをいくつか紹介しようと思います。勿論ネタバレ無しでお送りするので少し映画に興味を持った方は是非少し読んで頂ければと思います。

その1  主題歌と挿入歌

今回の映画で特に気合いのは言ってる部分だと思います。23日に公開されたココのテーマソング集に収録されている歌唱付き曲は6曲、歴代でもこれだけの音楽が使われている映画は恐らく無かったと思います。

これらの劇中楽曲全曲をプロデュースしたのは岡崎体育。サンムーンの頃からOP、EDを担当して下さっており、満を持しての劇場版テーマソングのプロデュースとなりました。ポケモンファンとして頭があがらない……。

個人的にはこのアルバムを聴いてから映画を視聴するのをオススメします。そして劇場でその曲が使われた時に改めて楽曲を聴くと、「なるほどね~」となる部分がいくつかあると思います。僕は号泣しました。


その2  歴代最高の◯◯

こちらは会見での山ちゃんの一言。これについては後程ネタバレアリの方で記述します。


その3 ポケモンたちのアクション


ココのCMでもいくつかのアクションシーンが公開されていますが、やはりポケモンといったらバトルですよ!
劇場版に相応しい圧倒的スピード感溢れるバトルは必見です、特にあそこであれがああなるシーン。これについてもネタバレアリの方で後述しようと思います。


正直ネタバレ無しで語るには少し限界があるので以下はネタバレアリの感想や考察を書いていこうと思います。
少なくとも観て損する映画では決してありません。ポケモンファンの間でも歴代上位の作品と言われているポケットモンスターココ、是非劇場でご覧ください!

⚠️以下ネタバレを含みます⚠️










ネタバレ込みで色々語りたい


先述した通り今回の映画のテーマは親子。
森の暴れん坊であるザルードが捨てられた赤ん坊を拾って育てるというのが大まかな話の筋となります。
つまりココは人間なのですが、ザルードはココはザルードであると教えて育ててきました。
しかしサトシと出会い人間の世界に触れることで自らが人間であると知り、自らがポケモンなのか人間なのかその狭間で揺れるようになります。


さて、ここからはネタバレ込みで色々喋ります。

まずはネタバレ無しの方でも語った劇中歌について。
「森の掟」はその名の通りオコヤの森の掟を歌った歌となります。ザルードたちはこの掟に従いながら森の食料を略奪し、神木を自らの拠点とし生活しています。
用心棒だったり長老だったり、個性的なザルードたちがこのBGMをバックに略奪をしたり踊ったりするシーンはまさに野生。冒頭からジャングル全快で一気に劇中に引き込まれます。先発要因としてかなり優秀な曲。

劇中終盤で、この曲がザルードの曲ではなく森の仲間たちの曲であることが判明したシーンでもう一度この曲が流れるのですが、そのシーンでは歌詞が「我ら」から「みんな」に変更され、声も明るめになっていました。
だからタイトルが「ザルードの掟」ではなく「森の掟」だったんだな~と、納得納得。

続いて2曲目、「ココ」。
Beverlyさんの力強くも優しい歌声、若々しくパワフルな歌詞、まさにココのための曲です。
「キミを生きろ」は、ポケモンと人間の狭間で悩みどちらでもない存在として未来を生きていくココらしい歌詞ですね。


3曲目がShow window。こちらはプロデューサーの岡崎体育さん本人歌唱の曲となっています。
ココが人間の世界に足を踏み入れ、その文化に触れていくシーンで使われる楽曲です。
1曲目2曲目や他の曲とは異なり、人間の世界で流れる唯一の曲なので少しノリが違うというか何というか、音楽に詳しくないので上手くは語れませんが、特別な曲ですね。
この曲をバックにエースバーンと戦うナットレイ君、四倍かえんボールを正面から受けたシーンは涙無しにはみれませんでした。よく頑張ったよ。

4曲目、「森のハミング」。唯一の合唱曲です。
心のノート(サンムーンED)の頃も思ったけど、岡崎体育合唱曲も書けるんだな……幅が広い音楽家って凄ぇ!
このシーン、何が凄いってポケモン界のタブーというか歴代で見てもかなり凄いシーンです。
何とココが瀕死の父ちゃんザルードにジャングルヒールを使い回復させるというシーンです。
見た時はマジか、と思いましたが……感動しました。

このシーンについては考察の方でも少し話します。



5曲目は「ふしぎなふしぎな生きもの」。
ポケモン映画の冒頭などの語りのナレーションでも使われているフレーズで、ポケモン界隈の常套句ですね。
歌唱はウルフルズのトータス松本、暖かみもあり力強くもある歌声と岡崎体育渾身の歌詞、そこに父ちゃんザルードの思いが重なり、観るもの全ての涙腺を崩壊させる凄い曲です。もう聴くだけで涙が出てくる。すこ。

曲としては父親目線の曲で、子供の成長と父親としての苦難、そして子供の旅立を見送る歌。映画の本筋とベストマッチです。マジ最高。というかこの曲自体がこの映画のネタバレです。旅立つココに不器用なエールを送るザルードに涙が止まりませんでした。最高。
ザルード、キミはヒーローでスーパースターだよ。


6曲目「ただいまとおかえり」。歌唱は木村カエラ。
子供を見送る親の歌ですね、ただふしぎなふしぎな生きものとは違って父親の不器用なエールというより優しい母親の見送りとお迎えのような、優しく暖かい気持ちにさせてくれる曲。
今年のエンディング映像はホシガリスとウッウがノリノリで躍りを披露してくれます。評判は割れそうですが個人的には可愛いポケモンが見れると嬉しいボーイなので個人的には幸せでした。可愛かった。


話は代わり、オススメポイント2つ目で語った歴代最高の◯◯。これについて語ろうと思います。
ここ数年のポケモンでは、命について扱われることがあります。例えば「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」ではソウジを救うためにレントラーが命を落とし、「みんなの物語」ではブルーが鍵を守るため炎に焼かれ命を落としました。アニメでもニャビーの師匠のムーランドの老死やメテノの儚い生体など、ポケモンの命について語られることは少なくありません。

そして、今回の映画でも「死」について描かれたシーンがあります。ポケモンの死ではなく、人間の死が。
人間の死を取り扱うことは以前にもありました。記憶に新しいのはアニポケのマオの母親ですかね、彼女は明確に死んだ人間として扱われている珍しい存在です。
が、勿論彼女が死んだシーンは放送されてませんし死因は病死となっています。

しかし、今回は違う。何と人間が死ぬシーンが描かれています。しかも人間の手による死、つまり殺害です。
犯人はゼッド博士、彼の本編中の悪行については後述しますが、彼は研究に没頭する余りポケモンの命を軽んじ、ザルードのために研究を切り上げたココの両親を殺害し研究を続行させました。
ちなみに歴代悪役でも人間の命を奪った悪役は存在しません、ハッキリ言って歴代最高のクズです。

さて、このゼッド博士。殺人を犯すレベルのクズなのでやることも当然ブッ飛んでます。
ココの両親を殺し、森のポケモン達の住み処を破壊し、ザルード達の守る神木を破壊していきます。
結果父ちゃんザルードは瀕死の重症をおい、一度命を落とします。ポケモンも人間も人為的に殺す、クズです。ガチクズです。クズ過ぎて清々しいですね、最高。

巨大な乗り物で森を破壊するシーンや、ポケモンの傷を癒す森の泉、どこかセレビィオマージュを感じる映画でした。セレビィについては考察でアレコレ。


3つ目のオススメとして語るのは終盤のアクション。
森を守るため森の仲間たちとザルードたちはゼッド博士の操縦するロボットと戦います。

ロボットの急所を狙うためにザルードたちと森のポケモンたちがピカチュウを運ぶシーンは圧巻の一言。広告で流れるテッカニンがピカチュウを乗せて飛ぶのはこのシーンです。マジでカッコよかったしスピード感もエグかった。今作はバトルシーンが案外少なめなので、そういうのが好きな人は物足りないかも知れませんが、森のポケモンたちが住み処を守るために戦うのは王道ですが非常に熱い展開ですね、ほんと好き。

あと個人的に好きな部分なんですが、ザルードが喋らないポケモンなのが良かったですね。
「いや、喋ってるやん!」と思うかもしれませんが、ザルードが喋っているのはココ視点のときのみでサトシ視点ではザルードは鳴き声のみとなっています。それはココも同様でザルード視点では流暢に喋りますがサトシ視点ではカタコトになっています。
テレパシーで喋ることの多い伝説や幻のポケモンが多い中でこの判断は個人的に高評価ですね!
あんま喋りすぎるのも好きじゃないので……、まぁ最後にテレパシーで喋ったの2016年のボルケニオンだから最近は喋ってないんだけどね(ミュウツーはリメイクなので除外)


色々あれこれ考察したり個人的意見


1.博士と研究員たち

ゼッド博士は先述した通り悪役ですが、癒しの効果を持つ泉の力を利用するという善な一面も持ち合わせていました。彼もローズ委員長のように完全な悪ではないのでしょう、まぁ人道にそれたクズはクズですが。
さて、今回スポットを当てるのはそんな博士ではなく彼の研究に協力していた研究員たちについて。

研究員達はゼッド博士と共に森林を破壊しながら進み、ザルード達の襲撃を受けます。そんな中、研究員のカレンが一言。「何故彼らは襲ってくるの?」(多分こんなんじゃなかった気がするけど、正確には覚えてない)

怖くないですかコレ!?散々森を破壊しておいて何故って、そりゃ怒るに決まってるでしょうに……。
その後、研究員チームはザルード達の住む神木にミサイルを撃ち込むゼッド博士を批難します。この辺、人間のエゴが出てて凄い怖いと思います。森林はいいけど命を奪うのは気が引ける、エゴって怖いよね。


2.ココのジャングルヒール

ジャングルヒールは、劇中では父ちゃんザルードのみが使える回復技。森への祈りが力となり対象にエネルギーを与える。そんな技です。
劇中で傷いた父ちゃんザルードを回復させるために、ココはジャングルヒールを使います。

人間であるココがジャングルヒールが使えるなんてご都合展開だ!と考える人も少なくはないと思いますが、ココは人間でありポケモンでもある。そしてジャングルヒールの発動条件は森への祈り。この2つを満たすココならジャングルヒールを使えても違和感はないのかな、と思ったりしました。あのシーンは涙が止まらなかった。

3.セレビィとザルード

この映画見て誰もが思うこと。
「あれ?セレビィの出番ほとんど無くね???」
そう、この映画セレビィの出番殆ど無いんです。出番らしい出番といえば終盤の数分のみ、台詞はナシ。
じゃあ何でセレビィなんだ?そう思う人も少なくないハズ、その理由は本編でも語られません。
そしてそんなセレビィについて回収されていない伏線がひとつ、これを含めて少し考察してみました。

セレビィの回収されていない伏線、それはセレビィの図鑑説明文についてです。

セレビィが姿を消した森の奥に残されたタマゴは未来から持ってきたものらしい

オコヤの森はかつてはセレビィが暮らしていた森でしたが、父ちゃんザルードが群れに加わった頃に姿を消し以降姿を見せなくなりました。
両親がいない父ちゃんザルードと姿を消したセレビィ、果たしてこれは偶然なのでしょうか?

もしセレビィが未来から持ってきたタマゴが父ちゃんザルードのタマゴだったとしたら……?
森が美しくなればセレビィは再び姿を表す。ザルードとポケモン達と人間が共存し生きて行く森、それがセレビィの望む美しい森だとしたら……?


セレビィはザルードの支配する森に懸念を覚え、未来から父ちゃんザルードのタマゴを持ってきてココと引き合わせて森を美しい姿へ戻した。これが僕の考察です。




そろそろまとめるか

語りだしたらキリがない映画です、僕がここまで書くのに約一時間半かかりました。もう深夜2:30で眠いですし頭も働きません。なのでそろそろここまでにしようと思います。
個人的には歴代でも5本の指に収まる映画だったと思いますし、時間を空けてもう一度観に行こうと思います。


映画を見終わったらきっとザルードが好きになる。
映画を見終わったらきっと父親に会いたくなる。
そんな映画です、是非劇場へ!!


追記
特典のココのポケカもある意味伏線だよね、コレ。
ココは最後にポケモンであり人間でもあるポジションに落ち着くワケだから。奇跡とはいえ技も打てるしポケカにもなれる。素晴らしい。好き。愛してる。

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