論文「何故サトシのピカチュウにアイアンテールが必要なのか」

・はじめに
サトシのピカチュウ(以下サトピカ)はアニメ開始から20年以上アニポケの顔としてサトシと共に冒険しているポケモンである。
特殊なZ技の1000万ボルトが使用可能、特別な個体しか出来ないキョダイマックスが可能など、普通のピカチュウとは違った特別なポケモンでもある。

さて、今回の本題は何故サトシのピカチュウにアイアンテールが必要なのか、という点である。
その為にも、まずアイアンテール以外の技と何故アイアンテールが特殊な枠なのかを説明する必要がある。

現状サトピカが使用可能な技は
・10万ボルト
・でんこうせっか
・アイアンテール
・エレキネット
上記4種類である。
ここからは、それぞれの技について詳しく見ていこうと思う。


・10万ボルト

現状サトピカ唯一の遠距離技(エレキネットは後述により例外とする)で、サトピカといえばコレ、という代表的な技。
ドラゴンボールのかめはめ波と同じくくりである。

ピカチュウにとってのメインウェポンであり遠距離攻撃、ピカチュウが電気タイプだと模写するには最適な技であり必要性は非常に高いと考える。
大型の敵に飛び乗って10万ボルトを打つなど(DPのラティオス戦/XYのメタグロス戦など)ただの遠距離技として意外の利便性も発揮する。

ミソとなるのは大型の敵をも包み込むという点であり、水鉄砲や火炎放射など一転集中砲火の技ではこのような模写しにくい。


・でんこうせっか

素早いスピードで敵に接近しぶつかる技。
サトシの真骨頂であるスピードを活かしたトリッキーな戦いへの適応力の高さ、流れを作りたい時に敵に急接近するのに使い勝手が良いなど汎用性に優れる。
ノーマルタイプの技。

正確な数は分からないが、サトピカのバトルはでんこうせっかスタートが多い気もする。



・アイアンテール

今回の議題のメインとなる技。
上記2つの技とは異なり、初代からではなくアドバンス・ジェネレーション(以下AG)で習得した技。
スピード特化のでんこうせっかとは異なり、強烈な一撃を加えるための物理攻撃技。


・エレキネット

恐らく読んでる人にとって(居るのかは知らんが)聞き馴染みのない技なのではないだろうか?
AG~DP時代にはボルテッカー、BW~XY時代ではエレキボールだった技の枠であり、ここ10数年は唯一変動のある枠となっている。

変更の理由は様々な憶測が飛び交うも原因は不明。
しかし筆者としてはエレキネットがサトピカの最適解ではないかと考えている。

・サトシの機転を効かせたバトルに応用させすい

この技の存在意義はこの一点にあると考える。
初登場はSMのミミッキュ戦なのだが、初発動の時点で自らを覆い隠すように張ることでミミッキュのZ技を防ぎ、ピンチを免れるという機転を発揮しており、その後も事前に使ったエレキネットをトランポリンのように応用したりカプ・コケコのしぜんのいかりをコケコごと封じ込めたりと、唯一無二のトリッキーさを持つ。


さて、サトピカの技を羅列してみるとどの技にも存在意義が十分以上に存在していることが分かる。

しかし今回の疑問点は何故アイアンテールなのか、である。
例えばピカチュウの物理メインウェポンをボルテッカーにして、アイアンテールの方を変動技にすることだって可能だったハズである。

にも関わらず、ピカチュウといえばの電気技のボルテッカーを捨ててアイアンテールを今もなお残し続ける理由を考察していこうと思う


考察1 タイプ相性の問題

ピカチュウのタイプは電気タイプ、みずタイプとひこうタイプに効果抜群で技を使えるポケモンである。
しかし大きな弱点として、じめんタイプには全く効果がないという問題がある。
アニポケ世界なら水をかければ通用するようになるものの(タケシのイワーク/ハプウのバンバドロなど)じめんタイプと戦わせる度にそれでは締まりが悪い。

仮にアイアンテールがボルテッカーのままだった場合、電気技であるボルテッカーもじめんタイプに対しては無効になってしまい、有効打がでんこうせっかのみになってしまう。
以上のことから、アイアンテールはじめんタイプ対策として有効であることが分かる


考察2 タイミング

サトピカがアイアンテールを習得したのはAG前半。
サトピカがボルテッカーを習得したのがAG後半。

そう、タイミングが悪かった!
流石にアイアンテールを忘れさせるにはボルテッカーの習得タイミングが悪かったのである。ドンマイ。


考察3 応用力

エレキネットでも記述したが、サトシのポケモンに必要なのは技の威力ではなく応用力である。
ボルテッカーの最大の弱点はここにあり、電気を纏って直進するだけのボルテッカーはとにかく応用性に欠けるのだ。

対するアイアンテールは尻尾を硬化させて叩き付けるというアクロバティックな模写が出来るだけでなく、あえて相手に尻尾を掴ませて0距離で電気技を放ったり、地面に突き立てて衝撃や電気を受け流したりとお得意の応用が効かせやすい。


以上の考察より、サトピカに必要なのものは技の威力や似合い具合ではなく、如何に応用が効きやすいかという点であるということが分かる。
つまりアイアンテールは相性の悪いじめんタイプに対しての有効打としては勿論、応用の効かせやすさから途中参戦のタイプ不一致ながらも長年重宝されている技なのではないかと結論付ける。


ちなみに先日(2020/3/22放送)のアニポケではアイアンテールがこれでもかというレベルで応用されていたので興味のある方は是非。

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