『山里は持続可能な世界だった』鑑賞記録
ドキュメンタリー映画『山里は持続可能な世界だった』公式サイト (yamazato-cinema.jp)
山里は持続可能な世界だった : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
野鍛冶の方の 大手ホームセンターからの「なるべく壊れる大量生産大量消費の製品を作ってほしい」という依頼を断ったという話を聞いて、やっぱり何かを買う時は生産者の魂のこもったものを買いたいし、長く使いたいと思った。今の経済は消耗品にしなくていいものまで消耗品となってしまい、修理の技術が失われて行っているように思う。そういった技術を未来に残すためにも消費者として、考えていく必要がある。ただ、暮らし方も変わり、なかなかやり切るには難しい部分もあるので、葛藤する。
2022年4月から2年間群馬に住むまで、製糸業のことはほぼ知らなかった。群馬に住んで、富岡製糸場と絹産業遺産群、碓氷製糸の見学に行って、ようやく蚕や製糸業のことを学んだ、それでもまだまだ知らないことが多いと分かった。自分が生まれた2000年頃は養蚕農家は3200戸くらいだったが、2020年頃には200戸まで減っているということで、自分が生まれてからの短い時間ですら、変化が大きかった。そして、回転まぶし。カイコは人間が一部屋ずつ割り振っているのかと思っていたが、カイコが上へ登っていく性質を利用して、上部に集まったカイコの重さで回転し、下に戻ったカイコは再び這い上がることを繰り返すことで、それぞれのカイコが繭を作る場所を見つけるというのは新たな学びだった。
森林インストラクターの方の「愛着じゃないですかね」という言葉が印象に残った。「無駄になると分かっているのに、無駄になる確率が高いのに、なぜ森の道を整備するのか」という質問に考え込みながらも「愛着」と答えているのが印象的だった。
森林のことは、なんとなくスギやヒノキを植え始めた時期があるのは知っていたが、あまりちゃんと理解していなかった。拡大造林という政策のもと、広葉樹の原生林が失われ、針葉樹の森になっていたということをちゃんと知ることができた。しかし、結局のところ育ったスギやヒノキは活用され切れていない。昨年の秋にJUONの森林の楽校@佐渡ではじめて間近で木を切るところを見たこともあり、併せて勉強になった。大学の同級生が木育を行っているので、しっかり話を聞いてみようと思う。
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