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千文小説 その941:定番

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 電子機器問題が、ようやく落ち着き、乱れていた体調も、かなり回復して。

 気づいたら、大型連休の、まっただなか。

 どこか、行こうか、ミント。

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 …すみませんでした。

 膝の上、一心に、おやつのするめをかじる愛猫の、一途な集中力に、脱帽し。

 心おきなく、引きこもりを謳歌することにして、さて。

 iPad、どうしよう。

 というのは、やはり、八年物が、一台だけ、というのは、なんとなく、先細り。

 かと言って、二台以上を併用するほど、タブレット端末のヘビーユーザーでもない。

 ここは、ごく穏当に、機体の交換を。

 古いものを、新しいものに、引き継いで、リセットする。

 最適解は、どう考えても、それだけ。

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 ありがたいことに、次代は、もう、来ている。

 あとは、いつ、実行するか。

 …どうしよう、というのは、まさに、ここ。

 iPadに関しては、タイミングが、いつも、ずれる。

 わざと、外しているの?

 疑問に思うような、うまくいかなさで、これまで、長いこと、もめてきた。

 iPhoneや、MacBook、iPodに至るまで、比較的、デジタルデバイスとの相性は、いいはずなのに。

 原因究明を、さらに、推し進めるべきか。

 それも、あらかた、やり尽くしたしな…。

 とにかく、iPadを、いずれは、新台に、替えなくてはならない。

 確かなニーズを軸に、さあ、どうする?

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 …いや、逆かな。

 これまでもめてきたのは、iPadを新調しなければならないという思い込み、まさに、そのせいだったのでは?

 真逆に返して、決して、iPadを取り替えない、と決めてみたら?

 どう、気分は?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 まさに、その瞬間、満腹になった愛猫が寝落ちしたので、驚愕し。

 動揺し、しばし、固まってから、はっとして、ぽさぽさの、青緑色の毛皮を、西武ライオンズのバスタオルでおくるみし。

 食べ残しのするめを口に、呼吸を整えます。

 落ち着け。

 たまたまだ。

 愛猫の寝落ちの瞬間と、iPadに関する方針の転換との間には、何の関係もない。

 …のかな。

 僕が、ほっとしたから、その雰囲気を汲んで、一挙に、安眠に入ったのかな。

 確かに、胸の内が、まろやかになった。

 替えなくちゃ、と思っていた時は、ずっと、ぎすぎすと、尖っていた神経が。

 まあ、いいか。

 今代、まだ、動くし。

 見た目も、気に入っているし。

 他のデバイスたちとの相性も、いいみたいだし。

 今代で、最終台で、全然、構わないよ。

 …そうなの?

 じゃあ、なんだったの、これまでの、すったもんだは?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 時間稼ぎ、という単語が、ぐるぐると、脳内を回ります。

 タイミング調整と、言い換えてもいい。

 多分、他のデバイスたちが揃った後でなければ、iPadは、定まらなかった。

 MacBookが、Proシリーズであること。

 これを、絶対条件として、土台に据えて。

 iPhone7が、ほどよく古びて。

 iPhone14 Proが、軌道に乗って。

 iPod touchが、飛び込んできて。

 そのうえで、初めて、初代にして三代目、無印の第五世代のiPadが、炬燵の上、カメラレオンの、永久メンバーとなった。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 単体としてみれば、おそらく、とっくに、時の彼方に消えているであろう、骨董レベルのタブレット。

 未だに、元気に現役なのは、ひとえに、仲間がいるから。

 もっと言うと、MacBook Proの、おめがねにかなったから。

 Apple製品の奥の院を、なめてはいけない。

 ラップトップだろうが、デスクトップだろうが、Macこそ、あらゆる機体のトップ。

 複数台、デバイスを所持しようと思ったら、まずは、Macのシリーズの選定を。

 僕の場合、13インチ、256GB、M1チップのMacBook Proが、君臨した。

 スペースグレイのノートパソコンに、ディープパープルのスマホが、持ち運び用の相方として、追加され。

 それまで使っていた機器たちが、それに合わせて、ふるいに掛かり。

 最終的に、五台に、収まった。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 MacBookは、いつでも、一台。

 シリーズ厳守で、確実に、後代に引き継ぐ。

 残りのメンバーは、ご自由に。

 増えてもいいし、減ってもいい。

 リセットも、続投も、OK。

 …なんだ。

 iPadの、周期的な交換にこだわる必要は、どこにもなかったのか。

 じゃあ、今代、定番で。

 愛猫とするめのように、一途に噛みしめる関係を、築きたいです。それでは、また。

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