見出し画像

千文小説 その940:窮鼠

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 iCloudの、デバイスのバックアップ一覧を眺めていて、気づいたことは。

 …最新のOSを搭載しているのって、iPhone Proだけじゃん。

 そうなのです。

 無印の第九世代のiPadが引退したことにより、残ったのは、今代のiPhone以外、全て、アップグレード終了済みの機体ばかり。

 MacBook Proは、ばりばりの現役ですが、iCloudにバックアップを取るシステムにはなっていない。

 今代のiPhoneが、三台の土台たちを引き連れて、iOSのトップに君臨している状況。

 それを、MacBookが、キーボード作業や外部ハードウェアとの接続等、随所でサポートする構図。

 肝心なのは、それで、何の問題もない。

 どころか、むしろ、快適、ということ。

 …駄目じゃん。

 新しいiPad、買えないじゃん。

 その通り。

 よほどの中古品でない限りは、どの機体を選んでも、iPadOSが、最新版対応になる。

 すなわち、今代のiPhone一強体制が、崩れる。

 なるほどな…。

 iPhone12 miniも、無印の第九世代のiPadも、OSかぶりがネックで、リセットされたのか。

 と、いうことは?

 今後、炬燵の上の電子機器集団、カメラレオンに、増員があるとしたら。

 今代のiPhoneの、OSのアップグレードが終了した後で、その時点での最新OSを、搭載できるiPhoneに限る。

 かつ、先代へと退く、今代は、土台の三台に追加され、ガラパゴスOSの所持者として、永久続投が約束される。

 いいの?

 iPadの増台の余地は、まるでなくなるけれど?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 膝の上、大爆睡の愛猫を抱えて、しばし、天井を仰ぎ。

 ゆっくりと、うつむいて、ため息をつきます。

 基本的には、その路線を、踏襲するつもりですが。

 …もう少し、ゆとりというか、遊びというか。

 余計なことをする隙間が、欲しいんだよな。

 人生、そうそう、きっちりとは、割り切れない。

 現に、インテル搭載MacBook Airと、iPhone12 miniと、無印の第九世代のiPadが、クローゼットに、休眠中。

 前者二台は、おそらく、もう、再設定されることはない。

 が、やはり、iPadは、このままずっと、ガラパゴス諸島にご滞在、というわけにはいかない。

 止まっている時計に、電池を入れ、時刻を合わせなくては。

 じゃあ、第九世代、復帰するの?

 どんな形で?

 第五世代と、併用?

 それとも、引き継ぎ?

 まさか、さらに、別の機体を買うとか?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 …正直なところ、今、ものすごく、疲れています。

 また、再設定か。

 どうせ、すぐ、リセットするんでしょう?

 やるだけ、無駄だよ。

 あきらめな。

 …それは、まあ、そうなのですが。

 あきらめるなら、徹底的に、あきらめたい。

 つまり、第九世代の再設定を断念するなら、第五世代も、リセットのうえ、クローゼットに、お戻りいただく。

 第五世代は、MacBook Airとともに、永遠に安らぎ、第九世代は、iPhone12 miniとともに、折を見て、リサイクル。

 そうすることで、iPadというデバイスそのものと、完全に、手を切る。

 できる?

 するの?

 …できたら、かっこいいよね。

 でも、それは、僕の道ではない。

 だから、しない。

 となると、無印の第五世代は、土台の三台ということで、手を付けないんだね?

 そうなる。

 第五世代に関しては、これ以上、いじらない。

 毎日、とは言わないが、iPhoneが充電中の時など、活躍の機会は、いくらもある。

 ガラパゴス三台組の一員として、大事に、お世話いたします。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 無印の第九世代は、やはり、相当、無理がある。

 第五世代を片付けるなら、まだしも、見た目が、あまりにも、丸かぶり。

 MacBook Proとは、色かぶり、iPhone Proとは、OSかぶり。

 窮屈なこと、このうえない。

 無理をおして、再設定し、ごり押しで、使うか。

 …きついね。

 いずれ、どこかで、破綻をきたす。

 よって、再設定は、なし。

 ちなみに、iPadの、現行四つのシリーズのうち、Proとminiは、何があろうと、購入しない。

 また、シリーズにかかわらず、スペースグレイとシルバーも、除外。

 …もうね、Airのスペースグレイ以外か、無印の第十世代以降のシルバー以外か。

 次代といったら、それしか、ないんですよ。

 そして、その事実が、大変、息苦しいんですよ。

 閉じ込められているようで、暴れたくなる。

 まさに、窮鼠。

 どうする?

 猫を、かじりますか?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 …可愛い猫に、傷を負わせるわけにはいかない。

 もう少し、粘ります。それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?