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千文小説 その942:大目

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 法の下の平等、ならぬ、MacBookの下の平等。

 MacBookを、Proシリーズで貫く、それだけが、どうやら、炬燵の上の電子機器集団、カメラレオンの、成立条件。

 そして、MacBook Proの同時稼働台数は、常に、一台。

 君臨、という単語がふさわしく、Proと言うより、もはや、王。

 MacBook Kingに、名前、変えようかな…。

 さすがに、そこまで祀り上げると、後が大変なので、Proのままで、収めておくことにして。

 さて、それでは、残りのデバイスたちは?

 そう、平等。

 Proだろうが、無印だろうが、低容量/大容量だろうが、関係ない。

 MacBook Proの統治する王国の民として、それぞれの特性を、存分に、発揮してください。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 床の上、古びた洗面器に詰まって爆睡の愛猫に、時折、西武ライオンズのバスタオルを、掛け直して差し上げつつ。

 天板の上、総勢六台のデバイスを見やって、ため息をつきます。

 そうなのです。

 無印の第九世代のiPad、復帰したのです。

 Apple純正、ブラックの、キーボード付きカバーを装着し、無印の第五世代からのデータの直接転送で、この通り、凛々しく、再誕。

 これで、万が一、MacBookに何かあっても、キーボード作業だけなら、肩代わりできる。

 普段は、畳んで、フリップケースとして、持ち上げて使える。

 これぞ、二刀流。

 多少、重たいのが難だが、その時は、むき出しの、第五世代に、タッチ交代。

 さらに、二刀流。

 二台一組の、無印のiPadたちは、さあ、今後、どの方向に、発展していく?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 iPodは、やむなく、一台。

 MacBookは、必然的に、一台。

 iPhoneは、自然に、複数台。

 iPadは?

 そう、二台。

 残念ながら、iPadは、進化してしまい、むき出し専用モデルは、今や、ない。

 したがって、キーボードもタッチペンも使えない、第五世代は、iPodと同じく、ガラパゴス組。

 時の遺産として、永久スタメンで、お願いします。

 では、キーボードカバー付きの、第九世代は?

 …そこです。

 iPadの成長点が、まさに、問われている。

 どのみち、廃版なので、同じ型は、二度と買えない。

 そのことを、重く捉えて、一代限りとして、珍重するか。

 あるいは、これがチャンスとばかりに、シリーズを変えて、新しく、出直すか。

 いずれにせよ、次代が来る際は、第九世代は、リセット。

 来ないうちは、最先端のタブレット端末として、我が世を謳歌。

 どうする?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 とはいえ、今代は、まだ、買ったばかり。

 OSも、しばらくは、アップグレードが、継続しそう。

 当面は、無印の第五世代と第九世代の併用になる。

 …のかな。

 だよね。

 いつも、ここで、詰まって、第九世代が、リセットになる。

 というのも、結局、キーボード付きのモデルを極めると、Proシリーズに、行き着くしかないから。

 iPad Proだけは、買わない。

 MacBook Proが、永代君主であるのと同等に、カメラレオン王国の、それが、掟。

 ルールの違反者は、直ちに、退場。

 どこから?

 この世から。

 …マジですか。

 マジです。

 物書きにとっての退場とは、書けなくなること。

 生身に置き換えると、死に等しい。

 それだけは、避けたい。

 僕には、iPad Proは、買えない。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 となると、じゃあ、Air/miniに、逃げますか?

 無印で、頑張りますか?

 …いずれも、デッドエンドの香りしかしない。

 Airの専用キーボードはないし、無印の専用は、真っ白。

 miniには、そもそも、キーボード、接続不能。

 無理です。

 Pro以外、どこにも、行きようがない。

 要するに、キーボード付きカバーをまとっている限り、無印の第九世代は、今代限り。

 それで、いいと言えば、いいのだけれど。

 …むざむざ、成長点を摘むのも、酷だよな。

 では、キーボードをあきらめた場合、どうなる?

 むき出しだと、第五世代とかぶる。

 フリップケースは?

 Apple純正、薄紫色のものが、一つある。

 スペースグレイとイングリッシュラベンダーで、確定か?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 …色は、黒い方が、いいんだよな。

 本当は、ブラックのケースを、Apple Storeで、買い直せばいいのだけれど。

 廃品利用、というのが、第九世代の、裏テーマ。

 先代の、同じ第九世代のシルバーが残した備品を、なんとしても、使わなくてはならない。

 …キーボード、開かなければいいのか。

 単なるカバーです、と言い張って、黒ければ、それでいい。

 大目にみることの、訓練とします。それでは、また。

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