千文小説 その950:人外
こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。
…これは、もう、そのつど選んだ、としか、言いようがないな。
炬燵の上、歴代の、三台のiPhoneを並べて、あまりの統一感のなさに、うなります。
ふんふん。
すんすん。
あぎあぎ。
こらこら。
膝の上、隙あらば、画面をかじろうとする愛猫を、秘技・布封じ。
西武ライオンズのバスタオルで、頭から、すっぽりお包みし。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
瞬足で、爆睡にお入りになるのを確認し、おもむろに、抱き直して、姿勢を正し。
改めて、iPhoneの精査に戻ります。
iPadは、10インチ以上のスペースグレイ、かつ、OSのアップグレードの終了とともに、買い替える。
あれほど、揺れに揺れていたデバイスが、ぴたっと決まったことにより、余波が、iPhoneに、寄ってきました。
iPhoneだけは、常に、OSを、新品にしておこうと思っていたのに。
逆だった。
iPadが、定期的に、機体の交換をすることになったので、iPhoneは、急いで取り替えなくてもよくなった。
というか、そもそも、iPhoneの購入基準って、何だっけ?
わからなくなって、こうして、全機に集合をかけたものの。
…いかんな。
余計に、混乱してきた。
iPhone7、ゴールド、32GB。
iPhone12 mini、ホワイト、128GB。
iPhone14 Pro、ディープパープル、256GB。
…容量だけが、きれいに上昇しているね。
このまま、512GB、1TBと、突き抜けますか?
まさかね。
今代が、マックスで、お願いします。
第一の条件、iPhoneの容量は、256GB以下。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
シリーズは?
…そもそも、iPhoneには、無印、Pro、SEしかない。
iPhone7が、SE。
12 miniが、無印。
14 Proが、Pro。
既に、全種、網羅しているようなもの。
長く使いたいなら、Proがおすすめだが、短期間と割り切って、SEを試したり、無印に乗り換えたり、できなくはない。
以前は、iPadに手こずって、MacBookを持て余していたので、iPhoneが、全てを背負わなくては、と意気込んでいたが、今や、その必要はなくなった。
ただ、SEにするなら、64GBだと、足りないかも。
第一の条件に追加して、iPhoneは、100GB以上、256GB以下。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
結局、iPhoneのポイントは、容量なのかな?
…そうみたい。
MacBookやiPadには、プリインストールされている以外のアプリはほとんど入れていないが、iPhoneには、満載。
アプリ自体を、あまり使わない僕ですら、なんとなく、ストレージが圧迫されているように感じる時があるので、むちゃくちゃに使う方は、大容量が欲しくなるのも、むべなるかな。
でも、容量は、見た目には、影響しないよ?
もう少し、iPhoneの外観を規定する条件は、ないの?
…ですよね。
これもまた、少し前までは、スタンダードサイズにこだわっていたのだけれど。
iPadが、10インチ以上、すなわち、タブレットにおけるスタンダードサイズに落ち着いたので、あえて、iPhoneまで、スタンダードにこだわる意味が薄れた。
実際、4インチ台のiPhone7も、6インチ台の14 Proも、違和感なく使えている。
7とほぼ同じサイズの12 miniが、うまくいかなかったのは、画面というよりは、電池保ちの悪さ。
小さくすればするほど、バッテリーも小型になり、頻繁な充電が要求される。
面倒くさがりの僕には、耐えられず、大型のProに走ってしまった。
iPhoneの購入時には、仕様書をよく読んで、できるだけ、今代のバッテリーサイズと同等、もしくは、やや上くらいを選ぶことが、第二の条件。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
君にとって、iPhoneは、見た目じゃないんだね。
色とか、カバーとか、ケースとか、こだわりは?
…パソコンたちが、揃ってスペースグレイなので、できれば、それに似た、しかし、黒ではない、地味な本体がいいな。
iPhone7には、ブック型カバー、12 miniは、むき出し、14 Proには、クリアケースとスマホリング。
カバーとリングは、梨の妖精、ふなっしー。
…まさかの、ここか?
第三の条件、妖精が住みやすい、色とサイズを選ぶこと。
白いminiは、お気に召さなかったらしい。
金の7と、紫のProは、にこにこで、くっつくなっしー。
そこかよ…。
人智を超えた基準によって、僕のiPhoneは、選別されているようです。それでは、また。
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