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千文小説 その1054:白力

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 まさか、君なのかな…。

 打開策は、なんとなく、君が、握っている気がするんだよ。

 ポイントは、いったい、どこに?

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 膝の上、一心に、おやつのするめをかじる愛猫の、大きなおしりを、抱き直し。

 炬燵の上、ちんまり鎮座する、白いiPhoneと、にらめっこです。

 iPadとMacBookが、揃って、これでおしまい、状態に、陥ってしまった。

 確かに、それぞれ、後継機がないことは、間違いないのですが。

 それにしても、困るよ。

 物書きのパソコンが、デッドエンドにはまり込んでいるというのは、看板に関わる。

 幸い、今代のiPhone、14 Proが、元気に活躍してくれているので、業務の方は、なんとかなっている。

 無印の第九世代のiPadにせよ、13インチのMacBook Proにせよ、動かないわけではないので、まだ、猶予はある。

 でもなあ…。

 イメージが、滞っているのが、何より、厳しい。

 物体的不具合は、物理的に、修理とか、交換とか、打つ手があるけれど。

 頭の中で、つっかえている何かを取り外すのは、どんなやり手の職人さんにも、不可能。

 僕が、頑張らないと。

 頑張ります。

 まずは、原因究明から。

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 多分、根本的には、色なのです。

 iPadもMacBookも、今代は、どちらも、スペースグレイ。

 灰色というのは、実に便利で、明度を変えるだけで、白にも、黒にも寄れる。

 だが、反面、いったん、そこに収まってしまうと、抜けにくい。

 どっちつかず、というのは、大変、楽。

 いざとなったら、自分、灰色なんで、と逃げられる。

 その辺りが、表現者として、心地良くもあり、早く出たいところでもある。

 にちにちにちにち。にちにちにちにち。

 とはいえ、両者、買い替えるとなると、かなりのお値段。

 しかも、僕の場合、シルバーが苦手、と来ている。

 無印の第九世代のiPadは、かつて、シルバーを買って、もめ過ぎて、知人に譲渡したほど。

 まして、より表面積の広い、MacBookのシルバーなんて、気が狂えと言うのですか。

 脳内で、自分自身に詰め寄りたくなるほど、できれば、避けたい。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 満腹で、寝落ちした愛猫を、西武ライオンズのバスタオルでくるんで。

 食べ残しのするめを口に、天井を仰ぎます。

 現在、炬燵の上の電子機器集団、カメラレオンは、総勢、七台。

 そのうち、無印の第五世代のiPad、第六世代のiPod touch、iPhone7は、OSとバッテリーの古さにより、執筆は、お任せできない。

 iPhone14 Proが、押しも押されもせぬメインだが、それだけでは、何かあった時に、不安。

 無印の第九世代のiPadは、ホワイトの、外付けキーボードを接続した時に、なんとも、色が合わない。

 MacBookも、ずっと使っていると、なんだか、息詰まる感じ。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 …と、いうわけで。

 君しかいないんだよ、iPhone12 mini。

 ついこの間、長年のリセット&再設定ループを抜け出して、見事、再誕したばかり。

 つまり、カメラレオンのなかで、最も新参者。

 君の参入こそ、しおれ気味だったデバイスたちに、一条の希望をもたらした。

 多分、それもまた、色の問題。

 iPhone12 miniは、正真正銘、ホワイト。

 白か黒かを、問う必要もない。

 この、ものすごくぱっきりしたたたずまいが、今の僕には、大事だったのだ。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 外付けキーボードも、スマホスタンドも、ともに、白。

 スタンドに、12 miniを乗せて、有線で繫ぐと、ほら、ぴったり。

 ミニサイズなので、手で持って、フリック入力をするには、大人の男の手には、結構、難易度が高い。

 キーボード入力なら、多少、画面が小さくても、可動式のスタンドを動かして、視力に合う場所に据えられる。

 ここですね。

 この白さにこそ、未来が見える。

 スペースグレイでもなく、シルバーでもなく、もちろん、ブラックでもなく。

 白い筋をたどって、書くこと。

 実は、上記の、書けない三台は、全員、ホワイトベゼル。

 彼らの分まで、12 miniに、活躍していただきたい。

 では、具体的には、どうする?

 さっそく、毎日、iPhone12 miniホワイト+ホワイトキーボード+ホワイトスタンドで、ディープパープルのiPhone14 Proの補佐を、務めますか?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 …そう単純に、事が進んだら、どんなにか。

 白の力で、灰色に沈んだiPadとMacBookを動かすことが、主眼。

 決して、ホワイト礼賛に、終わらないようにしたいです。それでは、また。

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