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千文小説 その1049:広大

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 何を、今まで、もめていたの?

 小首を傾げたくなるくらい、すんなりと、収まったのは、iPhone12 mini。

 フル充電を済ませ、iPhone14 Proからのクイックスタートで立ち上げて、データは手動でダウンロードして。

 iPhone Blanc、白いiPhone、の愛称を名乗って、再起動し、バックアップを取って、はい、完成。

 背面に、うどん職人に扮して、生地を足で踏んでいる、梨の妖精のステッカーを貼って、パワーアップ。

 名付けて、うどん屋さん。

 君が、カメラレオンの、最終メンバーです。

 よろしくお願いします。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 天板の上、iPhone7とiPhone 14 Proに囲まれた、iPhone12 miniに、深々と、頭を下げて。

 改めて、全七台、生まれ変わったデバイスたちを、精査します。

 …とはいえ、ここまで来ると、みなさん、それぞれに、立派になった。

 僕の都合でリセットすることは、もうないし、たとえ、そうせざるを得なくなったとしても、再設定は、iCloudのバックアップから行なうだろう。

 あてもなく、やみくもに、ああでもない、こうでもないと、手探りする時期は、確かに、終わった。

 そこは、素直に、寿ぎたい。

 良かったね。

 どうぞ、バッテリーの寿命まで、狭い炬燵ではありますが、楽しく、仲良く、お暮らしください。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 しかし、本題は、ここから。

 どの機体と、書くか。

 iPhone14 Proと、MacBook Proは、確定。

 本来は、それでいいのだけれど。

 やはり、二、という数字は、落ち着き過ぎて落ち着かない、というか、動きがない。

 もう一台、サブで加えないと、偏り疲労が生じて、結果、書く物にも、悪い影響が出る。

 残り五台のうち、iPhone7と、第六世代のiPod touchは、実質、使用不可。

 このたび、めでたく復活した、iPhone12 miniは?

 …何のために、iPhone14 Proを導入したのか、という話になってしまう。

 できれば、iPhoneとMacBook以外のデバイスで、お願いします。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 必然的に、二台のiPadに、目が行きます。

 はあいー。

 こんにちはー。

 …こんにちは、脳みそくん。

 なんかちょっとあれよねー。

 いいんだけどだめよねー。

 …そうなんです。

 無印の第九世代のiPad、iPad Gris、通称、脳みそくん。

 購入後半年、最新のiPadOSも搭載して、やる気満々の若手デバイス、なのだが。

 有線のキーボードを繫いで、打鍵していると、どうしても、もやもやする。

 というのは、何より、色。

 キーボードは、白地にグレーの文字、全体に、静かに明るい。

 ところが、脳みそくんは、黒に近いスペースグレイの機体に、太めのブラックベゼル。

 純正の黒いキーボードカバーを付けていた時は、あまりの暗さに、鬱になりかけたほど。

 それぞれに、新品で、機能に問題はないのだが。

 見ていて、合わない。

 長くは、打てない。

 となって、同じスペースグレイでも、ブラックキーボードのMacBookに、舞い戻ってしまう。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 膝の上、大爆睡の愛猫を抱き直して、姿勢を正し。

 天板の上、最後の砦にして、最初の一台を、見やります。

 無印の第五世代のiPad、ゴールド、ホワイトベゼル。

 白いキーボードを接続すると、非常に見栄えが良く、結果、両手も、すらすらと動く。

 こっちですよ。

 有線キーボードは、どう見ても、第五世代用。

 そして、執筆のサブ機も、第五世代。

 なの?

 マジですか?

 使用開始後、八年目に突入の、とっくにOSのアップグレードも終了した、バッテリーも弱りつつある機体に、まさかの、大役を?

 そうなのよー。

 こっちじゃないのよー。

 …ごめんね、脳みそくん。

 君は、どちらかと言うと、iPhone12 mini、通称、うどん屋さんの仲間。

 小さく、可愛く、日々の生活に彩りを添える、真の意味での、無印シリーズ。

 執筆に必要不可欠な、謎の闇の深淵を求めるのは、難がある。

 だって、第五世代も、無印だよ?

 第九世代と、どう違うの?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 おそらく、これもまた、色。

 iPhoneとMacBookが、黒色系なので、iPadは、白色系でないと、バランスが取れない。

 現行のiPadの白色系というと、無印のシルバーか、Proのシルバー。

 しかし、かつて、第九世代のシルバーとは、もめにもめて、譲渡騒ぎを起こしている。

 …わからない。

 デジタルデバイスの世界は、僕が思うより、はるかに広大みたいです。それでは、また。

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