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千文小説 その1044:踏襲

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 MacBookを、Proシリーズで決めようとすると、無印の第九世代のiPadが、はみ出す。

 iPadを、無印シリーズで繫げようとすると、MacBook Proが、重くなる。

 両者、スペースグレイで揃えようとすると、Airシリーズの導入が、避けられない。

 …どれもこれも、違うみたいだな。

 もう一度、考え直さないと。

 iPadとMacBookは、そもそも、どのような関係にある?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 暦の上では、秋が来ましたが、我が愛猫は、まるで動じず、元気に、爆睡。

 我が愛深海生物も、どこ吹く風で、静かに、棲息。

 …うらやましい。

 彼らくらいに、堂々としていれば、もめごとは、即解決。

 というか、そもそも、デジタルデバイスについて、こまごまと、悩んだりしないだろう。

 ただでさえ、スケールの小さな人間の、さらにへなちょこな物書き。

 頑張りましょう。

 どこまでも、己の幅で、書くのです。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 理念と現実の落差が、混乱を生む。

 僕にとって、13インチのMacBook Proも、無印の第九世代のiPadも、どちらも、ふさわしい愛機。

 のはず。

 なのに。

 …心身からのクレームが来て、いつも、つまずく。

 MacBookは、執筆に使えないし、iPadは、微細な違和感がぬぐえない。

 混乱し、動揺し、立ち行かなくなった時の、最上の解決策は?

 はあいー。

 こんにちはー。

 …いつだって、いいところで出て来るね、脳みそくん。

 そうなのです。

 無印の第九世代のiPadは、専用のケースに収まり、背面に、脳と脊椎が描かれた歌詞カードを装着した時に、何かが、変わった。

 それまでは、ちょっともめると、はい、リセット。

 あっけなく、ゼロに沈んで、箱に戻っていたのが、戻らなくなった。

 徐々に、この世界になじんできた、異世界からの来訪者のよう。

 あのねー。

 いいかなー。

 …なんでしょう。

 だれもどかさないでよー。

 みんなこれでいいんだよー。

 …みんな?

 現在、炬燵の上の電子機器集団、カメラレオンのメンバーは、六台。

 iPhone7。

 iPhone14 Pro。

 第六世代のiPod touch。

 無印の第五世代のiPad。

 無印の第九世代のiPad。

 13インチのMacBook Pro。

 みんな、これで、いいの?

 いいんだよー。

 そこからだよー。

 …そうか。

 全台正解、そこを前提に、始めるべきなのか。

 何かが間違っているような気がしたけれど、じゃあ、それは、何だったの?

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 変えなくてはならない、という思い込みです。

 今の姿は、とりあえずの、さしあたりの、仮のものである。

 もっとしっかり考えて、より良き姿になれるよう、努力しなくては。

 …どこから来たのかな、この強迫観念。

 物体というものは、そうそう、変わりはしない。

 既に存在するデバイスが、全く異なるデバイスに成り変わることは、あり得ない。

 あくまでも、ケースやカバー等のアクセサリーで、目新しくなっているだけ。

 人間も、同じ。

 服を替え、髪型を変え、整形したとしても、僕は、僕。

 僕という物体が気に入らなかったら、お願いして、いなくなってもらう、あるいは、強制的に、どかすしかない。

 それって、暴力、ですよね?

 その通り。

 僕は、デバイスたちに、暴力を振るおうとしている。

 あるいは、振るってきた。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 …すみませんでした。

 脳みそくんの、言う通り。

 ここに存在している以上、六台の電子機器は、みんな、これでいい。

 あとは、ユーザーの僕との折り合いを、うまくつけるだけ。

 そうか…。

 変わらない機体を変えようとしていたから、もめたんだな。

 申し訳なかった。

 素直に、率直に、反省することにして、そして。

 反省を、態度で示すとしたら、どのように?

 そこをこそ、しっかり考える必要がある。

 一台ずつ、いきましょう。

 iPhone7は、充電と、コンテンツのダウンロードのみ。

 iPodは、それに加えて、ミュージック・ビデオの再生も。

 無印の第五世代のiPadは、それらに加えて、電子書籍の読書も。

 OSの期限が切れた三台は、そのように、仲良く、余生を過ごす感じで。

 ばりばり現役の三台は?

 iPhone14 Proが、あらゆるデジタル業務をこなす。

 無印の第九世代のiPadが、補佐として、執筆を行なう。

 13インチのMacBook Proが、さらなる補佐として、外部機器との接続を担う。

 iPhoneは、三眼。

 iPadは、無印。

 MacBookは、Pro。

 …決まったね。

 この路線を、踏襲する方向で、進みたいです。それでは、また。

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