千文小説 その1017:求む、ベーシスト
こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。
押しても駄目なら、引いてみろ。
偉大なることわざに則って、引いてみました。
無印の第九世代のiPadです。
と言っても、したことは、ただ一つ。
フリップケースを外した。
それだけ。
にちにちにちにち。にちにちにちにち。
それだけですが、ふっと、動いた。
しーんとして、手ごたえ皆無だったのが、急に。
するん。
つるん。
すらすら。
さらさら。
ごく当たり前に、なめらかに、操作できるようになり、…ええ?
なんだったの、今までは?
呆れるほどの、別人、ならぬ、別機体変化をもたらしたのは、ひとえに、持ち方。
フリップケースを付けていると、どうしても、蓋を折り畳んで、スタンドにしたくなる。
しかし、そうしてしまうと、無印の第五世代と、もろかぶり。
全く同じものは、二台も要らない。
ということで、先住者に譲って、しーん、となっていた可能性が高い。
むき出しで、両手に持てば、ケース装着の第五世代より、はるかに、軽い。
ホームボタンも、左側に向けられるし、至って、快適。
おまけに、背面のりんご、鏡面になっていて、手で持つと、指紋がべったりして気持ち悪い部分に、大きなステッカーを貼っているおかげで、滑り止め兼指紋防止になって、さらに、快適。
にちにちにちにち。にちにちにちにち。
第五世代と第九世代の、置き場所を逆にしたことで、天板の、謎のべたべたのある箇所を、第五世代のカバーが覆ってくれるので、第九世代は、安心して、むき出しの画面を、伏せて置くことができる。
これで、二台のiPad、ともに、現役。
スタンドと手持ちを、うまく切り替えて、それぞれに、疲れず、長く使えるようになった。
ことわざ、最高。
みなさんも、お困りの際は、ぜひ、古来の言い習わしを、参考にしてください。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
おやつのするめをかじり終え、満腹で、寝落ちした愛猫を、西武ライオンズのバスタオルでくるんで、抱き直し。
改めて、炬燵の上、七台並んだ電子機器集団、カメラレオンを、精査です。
メインは、二台。
iPhone14 Proと、MacBook Pro。
両者は、今後とも、同じシリーズを、継続購入することが決まっている。
問題は、残りの五台。
iPhone7、iPhone12 mini、無印の第五世代のiPad、無印の第九世代のiPad、第六世代のiPod touch。
はっきり言って、全員、廃版。
それぞれに、後継機は、買いたくても、買えない。
だが、それぞれに、まだまだ、生きている。
十把一絡げ、ならぬ、五台一セットで、隙間時間の埋め草として、余生を送るのか。
あるいは、各機、濃淡をつけて、偏重したり、そっとしておいたりするのか。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
メインは、もちろん、大事です。
でも、それ以上に、メインでないデバイスをどう扱うかが、重要なのだ。
音楽で言うと、メロディーと、それ以外。
メロディーがなくては、お話にならないが、それ以外が、お粗末だと、よほどの美声とか、天才的なフレーズとか、付加価値をつけないと、飽きる。
シンガーソングライターの方は、さぞや、大変でしょう。
優秀なバックバンドを集めるか、ライブのたびにゲストを呼ぶか。
バンドであれば、もう少し、楽です。
超前衛的なプレイスタイルはともかく、一般的には、どう考えても、ボーカルがリードを取るのは、当たり前。
とはいえ、フルでボーカル任せでは、他のプレイヤーたちが、いじけてしまう。
このフレーズは、ギターね。
このフレーズは、ベースね。
このフレーズは、ドラムね。
聞かせどころを変えられるので、歌い手の負担も減るし、全体の士気も上がる。
ぴーぷす、ぴーぷす。
ぽわ。ぽわ。
カメラレオンには、iPhoneとMacBook、ダブルメインがいるので、シンガーソングライティングではなく、バンドタイプ。
ただ、リズム隊と言うか、メロディーと伴奏以外の部分が、あまりにも、ばらばら。
iPhoneが、ボーカル。
MacBookが、ギター。
iPodが、ドラム。
…ベースが、欲しいですね。
古今東西、どのバンドにおいても、ベーシストは、かなりの大黒柱。
そこがしっかりしていないと、喧嘩とか解散とかメンバーチェンジとか、とにかく、もめる。
Apple製品において、iPhoneとMacBookとiPod以外の、メインを張るに値するデバイスと言えば。
iPadが、ベース。
の、はずなのだが。
我がiPadたちは、なんと、双子。
ベーシストが二人いるバンドなんて、聞いたことがない。
…やっぱり、iPad Pro、買わないと駄目かなあ。
事態は、かえって、混迷を深めてきました。それでは、また。
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