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千文小説 その960:波音

 こんにちは、上村元です。よろしくお願いします。

 無印の第九世代のiPadが、キーボード付きカバーとともに、見事、再設定が完了したことにより。

 炬燵の上の電子機器集団、カメラレオンのiPad部門が、ついに、確定しました。

 無印の第五世代、ゴールド、32GB、むき出し。

 無印の第九世代、スペースグレイ、64GB、ブラックのキーボードカバー。

 シリーズは、無印、容量は、最小、アクセサリーは、お好みで。

 それを基準に、OSのアップグレードの終了を目安に、買い継いでいくめどが立った。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 同時に、iPhone部門も、定まった。

 iPhone12 miniと、ようやく、別れ切る決意をしたことで、無印シリーズを買い継ぎたかったな、という未練が、一掃され。

 iPhone7、ゴールド、32GB、画面保護シート、ブック型カバー。

 iPhone14 Pro、ディープパープル、256GB、画面保護シート、クリアケース、スマホリング。

 無印の最小容量から、Proの256GBに乗り替えました、と明示できるラインナップになった。

 あとは、気に入った色で、OSのアップグレード終了に合わせて、後者を、買い継いでいくだけ。

 Proシリーズは、重いので、できれば、アクセサリーは、軽やかに。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 長かったな…。

 でも、うまくいって、よかった。

 下手をすると、全員総とっかえ、みたいな悲劇も、もたらされかねなかった。

 ありがとうございます。

 第六世代のiPod touch、ピンク、32GB、画面保護シートのみ、と合わせて、iOS搭載の五台は、寿命まで、きっちりと、面倒を見させていただきます。

 んふーん。

 ごろごろ。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 膝の上、しょっちゅう寝返りを打つ愛猫の、ぽさぽさの、青緑色の毛皮を、西武ライオンズのバスタオルで、くるみ直して差し上げつつ。

 天板の上、最後の一台、砦のように残った、ノートパソコンを見やります。

 MacBook Pro、13インチ、256GB、スペースグレイ。

 …できれば、そっとしておきたかったんだけどな。

 iPhoneとiPadが安定したことにより、MacBookの根本的な不安定が、浮き彫りになってしまった。

 中途半端。

 どっちつかず。

 一言で言おうとすると、そのような単語が出てくる、文字通りの、カメレオン。

 バッテリーや性能は、Proなのだが、13インチの256GBというスペックは、完全に、Air。

 丈夫で長持ちなAirシリーズといった位置付けで、とても、MacBook Proを持っていますと、胸を張って、ひけらかすことはできない。

 ひけらかしたいの?

 …そうかも。

 iPhoneとiPadが、比較的、通常ラインに落ち着いたことで、見栄の張りどころが、なくなってしまった。

 一見、普通に見えるが、実は、MacBookは、Proなんだぜ。

 架空の相手に、ドヤ顔をしたい、困ったおじさん的欲求は、確かに、ある。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 同時に、物理的に、なんとなく、いまひとつ、使いづらい。

 今代を購入してから、二年と数ヶ月、微細な違和感が、どうしても、つきまとい続けているのも、また、確か。

 最大の不適合は、Touch Barで、これは、もはや、どうしようもない。

 できる限り、表示を減らして、なじむための努力はした。

 加えて、よくわからない不便というのもあり、それは、Blu-ray。

 贔屓のバンドの、ライブ映像を観たいなと、常々、望んでいて。

 MacBookに、外付けドライブを繫げば、再生可能であると、知っているのに、なぜか、しない。

 Blu-ray専用のダウンロードアプリが、気に入らないのかなと、替えてみたりもしたのだが、やはり、嫌がる。

 …MacBookでは、観たくない、ということか。

 それって、かなり重症の、相性の悪さなのでは?

 今代、買い替えた方が、いいのかな…。

 というのは、やはり、MacBookなしでは、仕事にならない。

 WindowsでもMacでも、とにかく、最低一台は、ザ・パソコン、というデバイスがないと、取引先とのデータのやり取り等に、差し障りが出る。

 何より、noteのこの原稿、大半は、MacBookで、書いています。

 合わないからと言って、放り出すわけにはいかない。

 先代に倣って、Airに戻るか、思い切って、Proに飛び込むか。

 ぴーぷす、ぴーぷす。

 ぽわ。ぽわ。

 中途半端などっちつかずというのは、しかし、ある意味で、とても心地良い。

 深いこと、考えるなよ。

 いいじゃないか、このままで。

 ささやく声を、聞かないふりをするのは、勇気が要る。

 物書きは、物聞き。

 耳を澄ませて、変化の波を、乗りこなします。それでは、また。

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