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【2万5千文字】大和証券(投資銀行部門)徹底攻略

お初にお目にかかります。梨🍐と申します。

今回は、企業攻略シリーズの記念すべき第8弾として大和証券IBを取り上げていきたいと思います。

大和証券IBは悲しいことに五大で唯一リテールと給与水準が同じ日系投資銀行です。これはSMBC日興、三菱UFJモルガンスタンレー、みずほ、野村と比較して給与水準がかなり低く、残業でどれだけ稼げるかが肝になってきます(昨今は残業規制が進んでおり以前にも増して稼げない模様)。大和証券IBはあくまで他5大に内定をもらえなかった方が、キャリアステップの場として研鑽を積む場として著名なようです(人材育成機関と揶揄されている)。しかしながら大和証券は労働環境が競合比較でかなり良く、投資銀行ビジネスには興味があるけどタフな労働環境を懸念されている就活生にはお勧めの投資銀行です。

大和証券IBを受ける方は、外銀やFAS等を狙う就活強者から「IBとは何?」といったミーハー就活生まで、幅広くいらっしゃるかと思います。

給与水準が低いとは言っても5大日系投資銀行の一角というだけあって、大和証券IBのネームバリューやレピュテーションはかなりのものになります。そんな人気企業だからこそ、大和証券IBに挑戦することを忌避してしまう方も一定数いらっしゃるかと思います。エントリーする層もレベルが高く、M&A仲介やFASで長期インターンを行っていた人も珍しくありません。だからこそ挑戦を忌避してしまう就活生も多いと思います。

しかしながら、昨今の大和証券は規模拡大のため中途採用の門戸を広げており、新卒も例外ではありません。大和証券は野村證券に次ぐ採用数を誇っており、日系投資銀行の中では比較的容易に内定を頂ける会社でもあります。また大和証券はジョブの優遇がかなり薄く(25卒は早期選考のみ。普通に落ちる)、本選考での内定可能性は多分にあります。

以下は梨による 日系投資銀行各社についての情報・考察

🥬野村證券🥬

選考フロー
ES・SPI→録画面接→デザイン思考テスト→GD→面接4回

特徴
日系投資銀行の雄。M&A、ECM、DCM各分野において圧倒的なプレゼンスを誇っている。いわゆる巨大投資銀行。そんな応募者のレベルは意外にも低い。採用人数が多い分玉石混交であり、外銀に惜しくも届かなかった優秀層から投資銀行内定者とは言い難い知識の無い層までいる。くわえて野村證券は私が把握している限り日系投資銀行の中で唯一MARCH未満の学歴から内定が出ている。という意味で学歴にも寛容であり、案外内定は取りやすい投資銀行である。内定者のレベルが意外にも低い要因としては超優秀層がみずほやSMBC日興に流れてしまうのも大きい。野村は2年×3部署ローテという人事制度であり、配属リスクの危険性を軽減できるものの専門性が身に付きづらい。またジュニアの内は日系投資銀行で一番待遇がいいのだが、シニアになるとみずほやSMBC日興に待遇が劣後する。という背景もあり一部の優秀層が内定を蹴ってしまうのではないかと推察する。


🟩SMBC日興証券🟩

選考フロー
ES・玉手箱→面接5回

特徴
ECMやIPO/POに強みを持つ日系投資銀行。金融庁のお世話に何度もなっており、歴史的に不正体質な企業である。そんなSMBC日興証券だが入社難易度は日系投資銀行随一だと考えている。その理由は選考負担がとんでもないところにある。例えば4次面接はMDとの面接×3であり、実質内定までに8回程度の面接が必要な点、日系で唯一英語面接があったり等、ミーハー就活生はお断りなようである。しかしながら振るい落としにかかっていく選考スタンスのわりに、英語面接が実施されなかった就活生(女)など、どうも選考はまちまちなようである。日興はジョブも相当タフな内容なのだが、参加者のレベルがとんでもなく高く、外銀のjobに参加した者、PEファンドでインターン経験がある者等、猛者の中の猛者が散見された。なぜジョブに参加できなかったの?というレベルの参加者はいない(ちなみに野村は貸借対照表や損益計算書を知らないやばい奴もいた)。日興が人気な理由としては圧倒的な給与水準にある。外銀並みのサラリーを誇り、30代前半で2000万も夢ではない。なお昨今業績が芳しくなく、みずほ証券との待遇差が縮まりつつある。ちなみに面接官の態度がとてつもなく悪く、詰めるのが好きな人が多い模様(とあるキャピマのMDは社内でも厳しいことで有名らしい)。


🟦みずほ証券🟦

選考フロー
ES・玉手箱→面接4回

特徴
DCMとストラクチャードファイナンスに圧倒的な実績を誇る日系投資銀行。米国マーケットを最重要視しており海外事業利益で大きく利益を上げている。最近は米国投資銀行Green Hillを買収し、日系投資銀行で一番IBビジネスに注力している。SMBC日興や三菱UFJモルガンスタンレーの銀行系IBが内定者をジョブ参加者でほとんど囲い込む中で、みずほは本選考でもそれなりに採用しているようである。みずほは配属リスクがかなり高く容赦なく希望していない部署に配属される。M&AやDCMが人気部署だがその分倍率が高く、ECMやSFの部署に行かされることも珍しくない。梨の知人はM&A配属を希望してシンジケーション部署に行かされたご様子。人事制度としてはプロダクトを経験したのちカバレッジ経験をマストで積まされる。M&Aに強いといっても大型のクロボ案件は外資にとられてしまい、in-inの大型M&Aやミッドキャップのクロボ案件を確実に取れるようにシフトしていると聞く(社員談)。


🟥三菱UFJモルガン・スタンレー証券🟥

選考フロー
書類・玉手箱→面接4回

特徴
MUFGとモルガンスタンレーの合弁投資銀行。投資銀行は一般的に配属リスクがかなり高いことで知られているが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は部門別採用を行っており配属リスクがない。M&A部署を希望して内定が出れば配属確約なのである。ちなみにMUMSSには採用窓口が2つあり、MUMSSで採用されると投資銀行第Ⅱ部、モルガンスタンレー側で採用されると投資銀行第Ⅰ部に配属されることになる。MUMSSを志望する学生にとって配属リスクが無い点は大きな魅力になっているが、もう一つMUMSSには魅力的な要素がある。スマイル制度と呼ばれるモルガンスタンレーへの派遣制度だ。通常3年程度の出向になるが、モルガンスタンレーでバリューを出せた場合そのまま転籍も可能な制度のようである。ちなみにMUMSSは戦略職と呼ばれる給与体系があり外銀並みのサラリーを頂くことができる。MUMSS戦略職は日興やみずほよりも給与水準が高く、日系投資銀行で一番メイクマネーができるのはMUMSSだったりする。MUMSSは採用サイトでリーグテーブルの実績を公表しているが、モルガンスタンレーとの合算実績なのでMUMSS単体でどこまでプレゼンスを有しているのかは不明。

🎌大和証券🎌

選考フロー
書類・玉手箱→自分史→面談→面接3回

特徴
ECMやIPO、ミッドキャップM&Aに強みを持つ日系投資銀行。配属先が大和証券投資銀行部門か大和PIパートナーズ(スモールキャップPE)のどちらかになり、新卒でバイサイドにいける数少ない門戸としても有名。大和証券は「DI Advisory」というグローバルブランドを展開しており、米国・欧州・オセアニアで500名の体制を敷くことでグローバルネットワークを強化している。大和証券の特徴はM&A戦略の立案・実行に留まらず、M&Aに関連する投資家対応、公開買付手続き、為替リスクのヘッジから、弊社グループのシンクタンクである大和総研が提供するM&A後の統合実務まで、ワンストップでサービスを提供してることにある。通常IBがやらない戦略やPMIを一気通貫で行えるのは大和独自の強みであると言える(同社員曰く殆ど機能していないらしい笑)。給与がとんでもなく低く30歳で1000万にも届かないことで知られている。そのため人材流出がとんでもなく空いた穴をリテール異動で埋めている模様。総合職リテールで採用されたとしても投資銀行門に異動するキャリアプランは十分現実的である。なお、リテールは賞与でたんまり稼げるのでIB異動後に給与が下がったことを嘆く社員は多い。

投資銀行業界は、M&Aや財務という専門性が高い業界ということもあり、多くのミーハー就活生が志望動機固めや業務理解を十分に行わず撃沈してしまいます。

そんな数多くの屍を超えていくために、本noteで大和証券IBの選考情報はもちろん、そもそもIBとは?待遇は?対策方法は?、といった情報を徹底解剖していきたいと思います。また、内定者の私が面接で実際に話した内容もそのまま記載しています。そしてさらに、M&Aに関する用語録も記載しておくので、M&Aの理解も捗るかと思います。

大和証券IBではwhy IB・why 大和について詰められることで有名です。M&A関連業界はFAS・仲介などがあり、なぜIBなのかの徹底的な理解が求められるのです。特にM&Aについて詳しくない就活生からすれば、HPを読み込んでも何をしているのかさっぱりわからないなんてこともあるかと思います。

私自身M&AやIBについての詳しい知識はありませんが、それでも内定をいただくことができたので、初心者に優しい体験談・記事になっているかと思います。

それでは有料本編へどうぞ。


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