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酔おじさん

22時代の新宿からの小田急線快速に久しぶりに乗った。乗った瞬間、居酒屋の酒と油の混ざった匂いともわっとする熱気。つらい。

その中でひときわ酔っ払ったおじさんがいた。もう足がガクガクで手すりがどこかもわからない感じ。ドアの前で立ちながら隅っこで寝てるんだか起きてるんだかの状態。
わーちょっと離れたい!って思ったけど場所がないため、そのおじさんのちょうど真横で立っていた。

電車が発車するとその酔っぱらいおじさんが手をちょこちょこと動かして、どうやら掴まるところを探している様子。
おじさんはちょいちょいちょいと手を動かし、向かいにいたお兄さんのシャツを掴もうとした。しかも真正面、お兄さんのお腹あたり。
お兄さんは小さく後ずさり、それを追いかけるようにおじさんは手を伸ばす。
どうなる!掴めるの?掴めないの?!!
私は子どもがヒーローショーを見てるみたいな、わくわくドキドキした気持ちでその現場を見届けました。

おじさんは結局掴めませんでした。
すごく良いものを見させていただきました、おじさんありがとう。お疲れさま。

おわり

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