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インド一人旅

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20代にインドを一周した際の一人旅の記録です。2003年当時の話なので古いといえば古いのですが、バックパッカーやインドに興味のある方々には参考になる部分もあるかと思います。
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2023年7月の記事一覧

デリー名物、悪徳?旅行代理店へようこそ(2/2)(インド旅④)

デスクにはおじさんに代わって大柄で少々強面なインド人が座っていた.肌の浅黒いコリン・パウエル(2003年当時のアメリカ国務長官)といった感じである. そのインド人(折角なので”パウエル”と呼ぶことにする)は一冊のアルバムを開いて,これを見て欲しいという.アルバムにはさっきのおじさんと目の前にいるパウエルが仲良く映った写真がいくつも収められていた。写真はパウエルがおじさんの住む北海道に遊びに行った時の写真だという.どうやら家族ぐるみの付き合いをしているようだ. なるほど,『

デリー名物、悪徳?旅行代理店へようこそ(1/2)(インド旅③)

ニューデリー,メインバザールの朝は早い.一泊150ルピーの部屋は6時にはもう外の雑音にさらされる. バザールを行き交う人々の声,鶏の鳴き声,リキシャ(輪タク)独特のクラクション・・・.夜の闇とは対照的に賑やかな朝.そんなところにこの初宿はあったのだった. そして,ここでインド一人旅の洗礼を受けることになる. どこかで朝食を食べようと宿を出ようとすると,一階のカウンターには昨夜親切にしてくれた店主ともう一人,日本語を流暢に話すインド人がいる.店主に挨拶すると,今日の予定を聞

ここがインド、メインバザール(インド旅②)

首都ニューデリーのメインバザールというからにはネオンに包まれた夜の街を想像したくなるが,どちらかといえばここは夜の上野,アメ横に近い.この時間に営業している店は殆ど無く,極めて暗い.道端には座り込む人々,犬の群れや牛,まだ捌けきっていない水溜り(舗装は無い)が私達を迎えてくれた.便利な日本から突然こんなところへ来てしまうと本当に不安になる.大体,今夜の宿を探せるのか.こんなところを歩き回ることなどできない.すぐに宿を紹介するという男が何人も現れた. 「チープホテル?」「コン

メインバザールへ向かえ!(インド①)

成田からバンコク経由で約12時間のロングフライト,「光の海」には程遠い夜景を眼下に機体はインドの首都デリー(正確にはニューデリーが首都)はインディラ・ガンディー空港に轟音と共に滑り込んだ.平成15年2月9日,インド時間午後8時50分,少し生暖かい2月の風が私を迎えた. 出国前,私は一人旅のバイブル「地球の歩き方」から,デリーにこの時間に到着して宿に無事に辿り着くまでのノウハウを随分と得ていた.長時間のフライトで判断力の鈍った旅行者達がしばしば空港から宿に向かうタクシーで遭遇し