amazarashiについて語りたい~amazarashi Acoustic Live
行ってきました東京ガーデンシアター。
amzazarashi Acoustic Live。
約半年ぶりのライブは同じ会場。
以前のロストボーイズツアーの時はアリーナ席でした。段差がない平面の座席でしたので、演者の姿が前の人に重なって見えないこともしばしば。
今回はバルコニー席。距離は遠く、細かな仕草は見えなかったけれど、演者同士の絡みも見ることができました。
これまでの弾き語りとは違い、途中から演者が加わってバンドサウンドも堪能できる、演出面でワクワクしたライブとなりました。
曲の感想を述べていくぞ(激長いので注意)。
ジュブナイル
最初からこの曲で来るとは。
久しぶりの弾き語りでしたが、やっぱり歌詞が際立って聞きやすい。
この一言の力強さに私は惚れたのです。 歌声の力強さも相まって、やっぱりジュブナイルはいい。 思春期、青春、その苦悩の渦中にある君よ。 この歌を聞くときっと刺さる言葉が見つかるよ。 その渦中を何とか生ききったあなた。 そうして生まれたこの曲をきっと愛おしく思うよ。
たられば
2曲目。 正直たらればは、「あの時ああしていればどうだったか。でもそんな紆余曲折あってこそ今の私」的な、いわゆるありきたりな感じが個人的にはそこまで刺さってこない曲でもある。 何度かライブでも聞いているけれど、しっくりこないというか。
この歌詞を改めて歌われて、ああ、この望みは贅沢なことじゃないのか、となんだかじんわりと腑に落ちた。 つい、怒も哀もあって当たり前で、それを無くそうなんて土台無理だと私はあきらめているけれど、それが実現することはまあ実際はないんだろうけれど。 でもそれ自体を祈ることは間違っていないし、遠慮することはないんだよ、っていうやさしい言葉に感じました。
こうやってライブを重ねると、何度も聴いた曲が違うように感じられるからすごい。
隅田川
3曲目。秋田さんがMCで曲前に「あまり好きじゃなかった歌」だと紹介されていました。 理由までは言われていなかったけれども。いわゆる別れた人、そこにあった記憶を思い出す歌だからでしょうか。
この歌詞に凝縮されているような気もする。 歌と紐づいた記憶ってどうしても拭えないからね。 当時の記憶もやたらとキラキラしてみえることもあって、余計に始末が悪いこともある。
ロストボーイズ
4曲目。曲前に「前はぐるぐると同じことを繰り返す日々の過ごし方には否定的だった」ということと、最近体調を崩して休養していた時に遊んだ地元の友だち、その学生時代を歌った歌だと紹介がありました。 私、特に好きな歌なんだよな。
泣かないでの声のやさしさに秋田さんのやさしさが詰まっていると感じる。 現在進行形、過去そうだった、秋田さん自身の中にあるロストボーイズに寄り添うような声。 青春に対する憧憬は人それぞれ。
リビングデッド
5曲目。イントロでラブソングか、と思った私はにわかでした。 ダークな雰囲気でかっこいい楽曲。これを弾き語りでやるのは意外でした。 ラスサビ前だかのギターのアレンジ?がかっこよかった。
守りたかった潔白さを捧げたのに、そこにこだわらなかった人たちは、その覚悟を大したことではないと嘲笑った。 そこに生じた願いや、夢や、恨みや、夜をくべて、その人たちを突き放すように衝動的に走った。ざまあみろという快感と、虚しさを吐き出し続けている。
ラブソングも久しぶりに聞きたいです。
僕が死のうと思ったのは
6曲目。鉄板。秋田さん自身も「ネガティブな歌詞にも共感を持ってくれる人がいると教えてくれた曲」と紹介されていました。
ライブの前に産婦人科に通院したんです。コロナの対応で同席はできないので、送迎だけ。 でもエコー中の動画を撮らせてくれる病院で、自分もエコーの様子や3D画像で赤ちゃんを見ることができています。 膝と鼻がくっつくくらい縮こまっているけれど、健やかに育ってくれている。 それを想いながら、この曲を聞くと、これまでとまた違って聴こえる。 奥さん、赤ちゃん、これからもこの歌詞の「あなた」が増えていくのであればそれは幸せなことだと思います。
季節は次々死んでいく
7曲目。鉄板。 やっぱりかっこいい曲だなぁ。
ここ好き。 悩むことは一度や二度ではないのだけれど、根源的な理由はまだわからないし、わかることはないかもしれないけれど、それは大した覚悟がないのと同義なのかもしれないけれど、それはそれとして、行かなければいけないと感じるし、そのために生きていくのだ。 これ自体が覚悟なのだと私は感じる。壮絶、というほどの動的な過酷さはないけれど、もっと静的な、たとえば大きな壁を登ることを決めて、ひとつめのペグを打った瞬間のような覚悟。 ここに私はかっこよさを感じる。 歌詞の盛り上がりと比例して秋田さんの声がどんどん力強くなるの好き。
カシオピア係留所
ライブ初出しかな?『チ。』という漫画のコラボ曲。 アコギとの相性がいいと感じた。聴かせる歌だなぁ。
私も自惚れてこうして言葉を書き出しているところで。 自分自身の目指すものが果たされるかはわからないけれど、果たそうと続けたことで何かが遺るかもしれない。
秋田さんの後ろに表現された星の光が、歌い終えた後に煌々と輝いていた。 宇宙とか星とかのテーマは他の曲にもよくあるエッセンスですね。
そういう人になりたいぜ
9曲目。歌ってくれて感謝。弾き語ってほしかった曲のひとつ。
そう言えるような人になりたかったんだろうな。とてもとてもやさしい人だな。 この歌詞で盛り上がって、がなり声が気持ちよく、ラスサビ前にすっとやさしい声に戻って再度歌い上げる。アップダウンが気持ちよい。 憧れと愛情が近い場所にある。大好きな人、恋人の中に「自分もこうなりたい」って要素があるって素敵なことだと思う。
ひろ
10曲目。ここから豊川さんが合流。ピアノとコーラスが加わります。 やっぱりピアノがあると雰囲気ががらりと変わるなぁ。 切なさや儚さを感じる曲調でした。
ひろを歌う秋田さんは本当にこう、救いを求めて歌っているように感じる。 誓っているようにも聞こえる。 ずっと心に残る友人ってのはいるんだなぁ。一番輝いていた時の友人なんだろうな。 それらを込めて歌い上げるから、胸にずっしりと入ってくる。 夢に対する憧れも、届かなかった悔しさも、思わず手に入ってしまいそうな怖さも、手に入れた時に感じた喜びも、生々しく全部を共有したくて、でもできなかったんだろうな。
帰ってこいよ
11曲目。豊川さんのピアノのイントロがエモエモでした。 滑らかに奏でられる音から田舎の水を張った田んぼに風が抜けた時の清涼感を感じる。
「帰ってこいよ」と歌ってくれる秋田さんは故郷ってものをよく知っている。 故郷は迎えに来てくれるようなものではない。帰ればいつでもそこにある。 この歌は応援歌なんだと思うし、故郷が寂しがっている歌でもあると思う。 故郷というものを知っている秋田さんだから響く歌い方をしてくれると思う。
さくら
12曲目。豊川さんとふたりで活動していた時、居酒屋なんかで歌った歌、と紹介。 さくらが聞ける居酒屋とか最高か? 特に最後、曲を終えるところで豊川さんと向かい合って演奏しているふたりは尊かった。普段のバンド編成だとあんまり見られない挙動で、レア演出でした。
ふざけんなという表現好きすぎる。 がなりもいいけど、「さくらさくら今でも さくらさく消えない」のファルセットが綺麗。 あと、豊川さんのコーラスも普段のものと違ってアレンジされていたけど、もしかしたらこれが通常なのかも?
青春って過去ではなく地続きなのよね。
馬鹿騒ぎはもう終わり
13曲目。この演出が一番好きだった。 秋田さん、豊川さんと、うーん?右端にいるのは?あー、馬鹿騒ぎのあのしゃらしゃらする音の楽器ね。珍しく3人? と思ったらいきなり現れるベース、そしてギター。まさかの楽器隊集合。 「Acoustic」ってそういうことか、と納得。名義も「amazarashi」だったしね。
この曲もコーラスがすごい好き。あとベース登場時好きすぎた。 やっぱり楽器隊がいると音の厚さが違いますね。馬鹿騒ぎ感ありますよね。 この曲は弾き語りでもまた馬鹿騒ぎ終わった感あるから、どっちでも映える。 すごい曲だ。
スワイプ
14曲目。これは正直聴き込みが足りてない。 早くCDに収録を。配信?知らないシステムですね。
改めて歌詞も見ながら。やはりもう少し聴きたい。 ラスサビの狂気じみた、畳みかける感じは強迫されている感じも受ける。 秋田さんのこういう社会風刺的な歌はにやりとしてしまう。多数決とか、メーデーとか?
夕立旅立ち
15曲目。ギターの音でしょうか、いつもより陽気な感じになっていました。疾走感はそのままに。別れの曲です、といういつもの紹介。
疾走感から電車に乗っているイメージ。 秋田さんの緩急のある歌声で疾走感はさらに加速します。 別れの悲しみもあるけれど、故郷を置き去りにして夢に踏み出す覚悟の歌という感じ。
アンチノミー
16曲目。最後の曲。 秋田さんの後ろが取っ払われ、舞台裏が見える演出。弾き語りライブでは以前もみられたものですね。
秋田さんの「知性は持たないでください」とか「感情は持たないでください」の歌詞が悲痛な願いのように聞こえました。 あくまで私たちのために言っているようで。 でも全体のメッセージとしては真逆で、そのギャップがまた味わい深い曲だなと理解しています。まだ聴き込めていない。
まとめ
めちゃめちゃ長い記事になってしまいました(手遅れ)。 結論、ライブはいいものです。 ライブの感想にするつもりが、結局歌詞の感想になっている。 もっと演出とか歌い方に言及できればいいんですが、ただただ圧倒されてしまいまして。
少しでも気になっているようであれば、ぜひ足を運んでほしいです。
魂とか命とかを感じる歌声です。胸を打たれる、ってこういうこと。
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