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ロストボーイズツアーを振り返る

今回の記事はamazarashiの2022年ロストボーイズツアーのセトリなど、ネタバレ?を含みますのでご注意ください。

さて、今回は去る11月24日におこなわれた、amazarashiのツアー『ロストボーイズ(於:東京ガーデンシアター)』に参加した感想を振り返る記事になっています。

コロナ禍に入って初めての参加となる今回。
奥さんとふたりで参加しましたが、満足感は非常に高いものになりました。
以下はセトリに従ってそれぞれの曲を記憶の限り振り返ろうと思います。

感情道路七号線

アルバム通りの1曲目。
やっぱりライブは音の迫力が違う。

大切なものは変わらず 今日も手の中
毎夜確かめる 変わらず今日も手の中

ライブが始まった実感。
そして”青森から来ました。amazarashiです”がたまらなくかっこいい。
アルバムの時点ではこの曲から始まることは想像がついたけれど、この曲でこの名乗りをすると思っていなかった。
でもかっこよく決まってたなぁたまらん。

火種

これもアルバム通りの曲順。
今回のアルバムのかっこいい曲筆頭。間髪入れず『環状道路』から繋がって、ここで名乗りだと思っていた。

あの日 自分を呪ったのは君じゃないか

この言葉ではっとした人は少なくないかもしれない。

とにかく映像と相まってかっこよさは抜群だった。

境界線

これも順番はアルバム通り。
アニメ『86』のOPでもあったこの曲は疾走感のある曲。

『火種』の勢いそのままに走り抜けるように。

沈黙することを選択するならば 僕らは共犯者 人たりえたのか

そんな疑問を突き付けてくる。
境界線とは何か。流れてくる映像も境界線を意識させるものだった。

ロストボーイズ

これもアルバム通り。そしてツアーの名前にもあるように。
今回のテーマは「迷子だった子供、いつかそうだった大人に向けて」というものがある。

朝焼けに白む町 訳もなく涙が出て
これを青春と呼ぶなら めでたいやつもいたもんだ

いつか私もそうだったのだと思い起こさせてくれる曲。
歌い口がアルバムよりもしっとりとやさしく、かつてそうだった大人に、今渦中にある私に寄り添ってくれる歌なのだと再確認する。

間抜けなニムロド

アルバム通りの順番。
ここまで順番通りは珍しい気がする。

大きなニムロド 銀河が目の奥 渦巻いてる

とにかく流れる映像が綺麗だった。
銀河の中にいるような綺麗な映像の中にニムロドの世界観がみえた気がする。
今度アルバムで聞く時にイメージが変わるんだろうな。

空洞空洞

ここにきてアルバム外の曲。
そしてまさかの空洞空洞。
何度かライブでは聞いているけれど疾走感もあって、らしさもある曲。

死にたがらない奴らが 死にたがる奴らを迫害した

こういう表現するのはやっぱりらしいなと思います。
病んでるとかメンヘラとか、そういう言葉で片づけて、そこにある気持ちは汲み取りもしない。
嗤うのは簡単だが、向き合うのはくそほど難しい。

僕が死のうと思ったのは

これもアルバム外。そして意外な選曲だと感じた。
というのも、割とライブで聴く曲なので、”いつもの”という感じだった。

死ぬことばかり考えてしまうのは きっと生きることに真面目過ぎるから

死ぬこと、そうなりたいと願うことに向き合うことを真摯に歌ってくれる。
その視点はこれからも変わらないな、と感じるのは今回のアルバムでも同じだった。

あんたへ

アルバム外。これはもう意外で意外だった。
流れている映像はPVそのまま。でもこのタイミングで割と古いこの曲をやるのは意外だった。

必死に生きるのは得てして無様だから 人に笑われても気にすんな

ロストボーイズたちに贈る曲、と考えれば適任かもしれない。
今戦っている、或るいは迷ってそれでも進んでいる人にはこれ以上ない応援歌なのよ。

夏を待っていました

アルバム外。
久しぶりに聞いた往年の名曲という感じ。
PVはいつもの。そちらに気を取られるくらい特徴的なストーリーのもの。

もしも今日があの日の続きなら 僕らの冒険を続けなくちゃ

これもあんたへと同じく、ロストボーイズへ贈るなのかな。
ライブに訪れたそれぞれの人、そして秋田さん自身の”あの日”を想起させる曲という位置づけかな。

戸山団地のレインボー

アルバムより。今回のライブでも筆頭の印象的な曲だった。
PVは虹が描写されるように歌詞から来る印象をそのままにしたようなもの。

たかが太陽光の反射にほだされて定まった決意じゃねえ

そうなんだよ。ここに至るきっかけの決意は、ただほだされたもの、ぼんやりとした幻想なんかじゃないんだよ。
幻想的な虹ではなく、経験から生じた自分だけの七色を描いた曲は、間違いなくあの日に見つけた道しるべだった。

数え歌

アルバム外。ふいうち過ぎる。
PVはその言葉遊びをそのまま拾ってくれていて、フォント相まってうちの奥さんの心に刺さっていたようです。

六つ 移ろう人も街も むつ市の海で過去が映る
無痛でいられぬ人の世に ここだけは嵐もくつろぐ

1~10の数字を拾いながら展開する歌詞もすごいけれど、この6つの安心感というか、地元の温かさが感じられる歌い口は素晴らしい。
初めてライブで聴いたので、感動もひとしお。

アオモリオルタナティブ

アルバムより。これのPVは以前紹介したyoutubeと同じく(もう見たよね!ね!)。
わかってはいたけれど、この優しい歌はとんでもなくライブで優しく歌われた。

くたばるために生きたわけじゃねえ 歩いた道のりを
負けや恥と吐き捨てるな それこそが君の成り立ちなんだから

成り立ちを知ってこそなのです。
ロストボーイズだった人たちが、それを振り返って酒を飲む。
そんな場面にどれだけ立ち会えるだろうか。そんな友達がどれだけいるだろうか。
話すのも好きだけど、そんな物語を聞くのはとってもお酒が進みます。

爆弾の作り方

アルバム外。なんかよく最近のライブで聴くように思うけれど、これも往年の名曲じみてきた。

僕は歌う つまりそれが僕の兵器でありアイデンティティ

自分にとってのアイデンティティとは。自分は何を磨くのか。
それを問うことはamazarashiの中のテーマなのだと思う。
いかなる経験もこの先の糧になる。してやる。”それでも”というところが凝縮された曲。

空に歌えば

アルバム外。間髪入れずに爆弾から繋がる。
爆発力。疾走感。今回ではほぼみられなかったポエトリー担当。

掴んだものはすぐにすり抜けた 信じたものは呆気なく過ぎ去った
それでもそれらが残していったこの温みだけで この人生は生きるに値する

そこからのカタルシスはライブでこそのもの。
ぶつけるように語られるポエトリーは醍醐味ですよ。

1.0

アルバムより。もう集大成でした。
0.6からアルバムごとにブロックが分かれていて、収録されている曲の歌詞が羅列される。それを1.0の歌詞が塗り替えていくPV。

「どうにかなるさ」って言える あなたにとっての1が見つかりますように

そのヒントだけで歩いていけるように思う。
自分にとっての1はひとつだけではないけれど、間違いなく1を見つけた。
ああ、これでよかったのかもしれないと思える。
勝手ながら歌いかけていただいているように感じられた。

スターライト

アルバム外。名曲であり、これまでのライブの最終曲でもあった本曲。
新しいPVは星空を汽車目線で駆けていくような目線で展開していた。

いつか全てが上手くいくなら 涙は通り過ぎる駅だ

その涙もただの通過点。不幸はピリオドではなくてただの栞。
でもこれで終わりではない。

空白の車窓から

アルバムより。これはもうアルバム発売当初から想像できた。
この曲以外、最後を飾る曲はないのよ。

終わることなんて知らなかった もう取り戻せないあの無邪気さ
ただ知らない君より 知った君が 持ち得る光源 新しい夜へ

さよならまたねと 別れたから 今日も会いに来たよ
ただ それだけ

もう戻ることはできないけれど、そこで得た何かがこの先を進む理由に、道しるべに、光源になる。
これ以上ない終わりの曲でした。

MCなど

amazarashiのMCは曲の前にある口上(決まったセリフを読み上げる)とよくあるMC(その場でしゃべる)があります。

口上はいつもこれから歌う歌を彷彿とさせる内容で、歌詞の一節を引用している。
特に今回、ライブが始まる前に、繰り返し流れている文字があった。うろ覚えだけど、「勉強ができないと言われた」とか「暗いと言われた」、「嫌いと言われた」、「応援していたと言われた」とか、過去に自分に向けられた言葉や評価が並んでいて、あるところでループしていた。

これ、視覚障害のある人には伝わらないなぁ(会場で白杖を持っている人がいた)と思っていたら、まさかの一曲目の口上で、しっかり読み上げてくれて、本当に徐々に叩きつけるような口調になって、ループを抜けて。

「その全てが、私である」(だったと思う)

と黒地に白抜き文字で。

ああ、amazarashiだな、と鳥肌とうれしさとニヤニヤしてしまった。
どんな自分でも、どんな評価を受けても、それに対して当時自分がどのように感じても、それらは全て今の自分の成り立ちなのだと。
それを知ってこその今後なのだ。

他にも口上は朗々と、または感情的に言葉にするのに対して、通常のMCはたどたどしくしゃべる秋田さんは、それでも絞り出すように言葉を紡いでいて、とてもかっこいい。

今回のアルバムは迷っている自分に向けて、目印になればいいと思って作ったものと言われていた。
聞き手の自分のためではないと明言されたわけだけれど、それでも自分はこのアルバムは、自分にとっても同じような意味を持つものだと感じている。

まとめ

と に か く よ か っ た 。

当日は仕事で、ずっと前から決まっていたのに後出しで決まった会議(ケース検討)があって。
決まった時には15時終了と言われたのに、1ヶ月前に年休申請した時には15時半終わりかもと言われ、当日になって15時半くらいに終わりますになり。

そわそわそわそわ。イライライライラ。
終了時間に全体に感想を聞き始めたことで、調べていた最終電車に間に合わないことが確定したので、もう知らんと上司に「予定があるので帰ります」と許可をもらい、飛び出した。

社会人としてどうかと思うけれど、そんな打ち合わせも何もないような会議に骨を埋めるつもりはない!
こっちは本気だ!

結果は間に合ったし、満足できたし。最高のライブでした。
今後も開催されるライブには足蹴く通いたい。

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