見出し画像

川柳35句『真贋禁忌生成装置』

ー 絶対的猶予の声(10句) ー

膜を撃つ 昔を焼いて産まれ出る

まだ見えぬ七つの夜に嘔吐なり

環状の第三言語に鞭打ち

攪拌し拡声された幸福論

少女よりクランベリーに光あれ

白昼に夢精卵だけ記述する

バンドスコアに罪なる積木

バラ園に 絶対 破壊 眩暈 直線

同一と省察された鈍い夜

霧笛に断罪謝罪と嘯く

ー 手放した凱旋の声(13句) ー

虚なる線路の上に言葉吐く

バスタブに俗した風をあててみる

飴玉と弁解できず板を押す

打ち込みに変更しても重症化

運命が溶ける様子がこちらです

自己変換が先行された

掠れ声*ロック/バラード*巻いた舌

雑音のストイックさを積んでいく

僕という負け 負けという僕

裏側の魚編から小指出る

絶頂の空間指して笑った血

ハイライトを叩き割って絡み合う

堕とされてふやけた貌を偶像視

ー 円形の防御壁の声(12句) ー

非行するストリングスの覚え書き

滑り台 物質化した周波数

彷徨った惑星は排泄されず

戯言が呼吸器官に貼り付いた

いなくなるアナウンサーの第二子音

茎を折り同時多発鹿煎餅

飛行機雲に愚弄されてろ

イントロをお好み焼きに喩え出す

モロー博士の現実的倒叙法

ワルツ調のラップ音にみる傾向

半分だけをディストピアに差し出す

早急に恥骨に向けて生ける花

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?