ふと思うことがある
中学生の時から本を読み始めた。『ロードス島戦記』から始まり、星新一、綾辻行人、新本格、ミステリ、ホラー、幻想、SF、ファンタジー…。自分のアンテナと人からのお薦めを頼りに国内・翻訳関係なく、ただただ読み耽っていた。
その内、読書仲間ができた。新刊書店で手に入るものだけではなく、古本屋もたくさん巡った。いつの間にか古本仲間もできた。
部屋中が本で溢れるようになっても、買って読んで買って読んで…。新たな興味の対象となる作家・ジャンルは増え続ける一方だった。それでも、買って読んで買って読んで…。
何度かの引っ越しの末に、蔵書数はガクンと減った。今に至るまで良いことも悪いこともあった。それでも、買って読んで買って読んで…。ここ数年で小説以外にも興味の対象は広がった。短歌、俳句、詩、ノンフィクション…。
ふと思うことがある。
ワクワクドキドキする面白いものを読みたい。時間が消え去るような没頭できるものを読みたい。もっと面白いものを。もっと没頭できるものを。でも、自分自身の核となるところでは、こう思っているのではないか。
絶対的な安らぎをもたらしてくれる確かな手応えを持つカチッと嵌る完全なピースとなる言葉はどこにありますか。
そんな大袈裟で仰々しく畏まって言わなくとも良いのだけど、面白い没頭する、その先の領域にある自分だけが求めていて自分だけに理解できる言葉。綺麗でも良い。汚くても良い。強くても良い。弱くても良い。慈愛に満ちていても良い。暴力にまみれても良い。
そんな抽象的であやふやで掴みどころがなくて、到底死ぬまで叶いそうも無いことを思えただけでも、不連続な私たちは優しく泣き笑いしてくれるだろうか。
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