川柳20句『ライトを浴びて』
仰向けで浮かび上がった聖火台
新宿のファジーネーブル革命日
ホメロスのサイドステップに宿る蛾
数億のバーサーカーの固結び
勝手口の心音から登る丘
大仏の丘の屋敷を見たがため
弔いの色紙を溶かす製鉄所
洞窟に赤い髪さえ残らない
空気の犬も空気の猫も
エッフェル塔の遊戯の終わり
道化師のビタミンCが硬直す
青臭い生米ばかり怪死する
農園にブルーセーターだけ実る
身投げした殺虫剤の独り言
聴衆を洋服ダンスに詰め込む
偶像の代わりに咲いた蒼い花
楽団の記録映画を啜る俺
広場から山椒魚が分離する
全身にまぶすアステカ王国を
スポットライトを浴びて切る詩
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